この年齢になって、兄だいから感情をぶつけられるとは思わなかった。
言っていることは、すこぶる理不尽。
私のせいでもないことを、さも私が悪いようにしゃべっている。
しかも、長年のうっ憤があるようで、
途中で口を挟もうことなら、
火に油を注ぎそうだ。
確かに私のこれまでの言動が悪かった面はある。
だけど、冷静に考えると、
私の問題ではなく、それは兄だい自身の問題だ。
これまで大人しく、無口な方だった兄だいが、
今になって、積りに積もった感情をあらわにした感じだ。
ふーん、ほんとはそう思ってたんだなあと、
驚きと、戸惑いが続いている。