万里小路ハヤトとお好み焼きと乙女の恋心の日。（貧乏姉妹風）

　新任教師【武蔵坊　ミサ】との出逢い。【ハヤト】は忘れている、幼き想い出を忘れている。夏。【ハヤト】は夢を見ている。お好み焼きからのぼる湯気と美味しそうな音がする。作っているのは、エプロン姿の【ひまわり】だった。あれ？その席に座っていたのは【ひまわり】じゃないはずだけど・・・【ハヤト】忘れちゃったの？【ミっちゃん】でしょ・・・。お好み焼きへの想いと【ハヤト】への想い。そこには、乙女を傷つける一言がった。
　お好み焼き研究会第１回会合を知らせる手紙。【しきみ】が読んでいる。【ハヤト】が【ひまわり】たちを集めたようです。議題は「お好み焼きともんじゃの未来について・・・」です。お好み焼きを食べるクラブを作り、顧問になり、部費で食費をうかせる【ハヤト】らしい考えですね。そこに【あざみ】が「大変」と駆けて来る。あの「もんじゃ屋」が壊された事を告げる。その頃【ハヤト】は【ひまわり】との集合時間に遅刻していたので急いでいた。すると、一人の女性とぶつかりそうになる。とても美しい女性。その女性は【ハヤト】を知っている感じだった。そこに【ひまわり】たちがやって来る。壊された事を聴き、がっかりする【ハヤト】。そのやり取りを見ている視線がある。【しきみ】がその方向へ攻撃をかける。【もも太】が騒ぐので【ゆすら】と見に行くと「ムササビの毛」があった。
　背広の男と【武智】。不完全な実験体。私立志能備学園に来た新任教師【ミサ】先生。【ハヤト】が誰と恋におちてもあまり意識していない【ひまわり】。ご主人様をお守りする事が全てなのだ。教室に【ハヤト】と一緒に【ミサ】も入って来る。女性自身を武器にして戦う「くノ一」らしい授業をしてくれるようです。ちなみに【ハヤト】の一般教養は「牛丼屋での作法」ですが・・・役に立ちそうですね（笑）。
　お昼休み。【ひまわり】たちも中庭でお弁当の時間です。【ハヤト】はため息をついていた。無くして気づく大切な物。それが「お好み焼き」なのだ。子どもの頃から「お好み焼き」が大好きだった。
　夜。昼間に【ハヤト】からその事を聞き【ひまわり】が「お好み焼き」を作ります。隠し味は「ばっちゃの梅干し」。しかし【しきみ】さん、ヤモリは身体に良いと思いますがご遠慮させて下さいね。
　空腹の【ハヤト】。先に見た子どもの頃の夢の事を考えていた。まだ、何か大切な事を忘れている。そこにドアをたたく音がする。【ミサ】が明日の授業の事で部屋を訪れる。運命なのか・・・【ミサ】は短刀を忍ばせ【ハヤト】の接近する。すると焼き上がったお好み焼きを持って【ひまわり】も訪れる。すると、【ミサ】はお好み焼きを見るなり、悲鳴を上げて出て行く。その同時刻に食堂を襲う「ムササビの怪物」。不完全で制御できない変身をする【ミサ】の姿があった。彼女は、組織の一員。【ハヤト】への想い。その事が彼女の邪魔をしていた。
　【ミサ】が動き出す。担当する授業に仕掛けをする。入浴をしている【ひまわり】たち。【あざみ】は男の子なのに・・・一緒に入れてしまう。そこで【ミサ】が出て行く。外から扉の施錠、湯量が増す。罠だった。【ひまわり】たちはバスタオル姿で武器もなかったが・・・【つきよ姫】がいた。彼女がお味噌汁で見せる間幻。映る姿は【ミサ】の変貌した姿。【ハヤト】へ再び【ミサ】が近寄る。溺死寸前の大ピンチを救ったのが【つきよ姫】。箸で教室の壁に穴を開けてみんなで脱出をする。
　保健室。迫る【ミサ】と後ずさる【ハヤト】。そこに【ひまわり】がとび込み、お好み焼きを投げつける。変身した姿に逃げ出す【ハヤト】を追いかけながら【ミサ】は口にする。「こんな姿にしたのは、ハヤトが全て悪い」のだと。ムササビの能力による凄まじい風圧に苦戦する【ひまわり】。【ミサ】の鋭き爪が【ハヤト】を襲うが【ハヤト】が牙に青のりがついていると言うと動揺する【ミサ】だった。そのすきに逃げる【ハヤト】に【つきよ姫】が見せる。「何気ない一言で乙女は傷つくもの」と言う。子どもの頃の【ミっちゃん】との思い出。全てを思い出す。「歯に青のりがついてる」。その一言が【ミサ】を傷つける。その想いは【ひまわり】たちも十分に理解できるものだった。みんな恋する乙女たちなのだからね。【ハヤト】は素直に謝罪する。そのご主人様の過ちに【ひまわり】も一緒に謝る。その【ひまわり】の想いに【ミサ】は許してくれた。【ミサ】は、組織の事を口にし【ハヤト】の前から姿を消した。
　夜。【ひまわり】がみんなを集めてお好み焼きを作っている。【ハヤト】は少し複雑そうな表情をしていた。目の前のお好み焼きを見ると、【ミサ】の事、傷ついた一言と色々と考えてしまう。でも、今はとなりに【ひまわり】がいる。彼女が作ってくれたお好み焼きが美味いのも、笑顔でいてくれるのも、【ハヤト】にとっては嬉しい事だと思う。【ひまわり】の歯にも、青のりがついていたけど、あえて言わない【ハヤト】でありました。そして、とても月が綺麗な夜でした。