現代視覚文化研究会「げんしけん」

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貧乏姉妹物語 『大家さんとスイカとお見舞いの日』

2006年07月07日 22時19分24秒 | アニメ・映像全般
 『貧乏姉妹物語』の第2話を観させて頂きました。【きょう】と【あす】が恐れる恐怖の大魔王の大家さん【林 源三】とのお家賃を巡る戦いではないですが、ちょっと怖い大家さんとの【きょう】と【あす】との「心の交流」が描かれる。特に【あす】は、大家さんの一人きりの寂しさを感じ取っていた。大家さんの不器用だけど、その中にある優しさもよく表現されていた。

 雨が降り続く。雷鳴が轟く。アパート202号室山田【きょう】と【あす】の名前。姉妹に迫る恐怖の大魔王の正体は「大家さん」。毎月月末の決まった時間に家賃の取立てに来る。雨漏りする部屋で寄り添う2人。力なく家賃を払う【きょう】だった。
 日々の幸せを感じる【きょう】。台所に立つ【あす】の後ろ姿を見て思う。だが、本日は8月30日の月末。大家さんの家賃の取立ての日。元気のない【きょう】。大家さんの来る19時半が迫る。徐々に緊張感が高まります。【きょう】は「家賃を払うと来月が厳しい」と口にする。いつの間にかできていた、我が家の決まり事。『食事中にお金の話はしない事』でも、そのルールをやぶる位に大家さんの取立てが怖い【きょう】と【あす】だった。【あす】『お姉ちゃん・・・今日は私が、お姉ちゃんを大魔王から守ったあげるよ』と【あす】の可愛くも、心強い妹の言葉。2人は寄り添って大魔王を待ち構えるが、なぜか来ない。【きょう】『来ないってことは、家賃いらないのかな・・・今月はきっと家賃。お休みなんだ』と【きょう】は本気でそう思っている。【あす】は、現実的で周囲を見る事ができるしっかりさんのようだ。
 翌日。アパートの庭の水撒き・・・水遊びをしていた。【きょう】は、かなりのご機嫌だった。『家賃がいらなくなった』『宝くじなどに当たった』『ずっと、払わなくても良いかも』と全て本気にしている【きょう】であった。【きょう】と【あす】が庭を水浸しにして大はしゃぎをしていると、2階の窓が開き『うるさいわよ。ちょっと!』とアパートの住人にして小説家の【三枝 蘭子】が出て来た。その会話の中で、大家さんが入院した事を知る【きょう】と【あす】。誰もお見舞いに行かない大家さんの事を聞き、悲しい表情をする【あす】。『誰も・・・寂しいよね・・・誰も来なかったら寂しいよね・・・】と下を向く。【きょう】もやっと気づいた。【あす】は【きょう】のそんな所も大好きと言う。本気で宝くじが当たり、家賃がいらなくなったと思う姉を慕う妹だった。
 【きょう】と【あす】は大家さんのお見舞いに行く事にする。今の精一杯の気持ちを込めた「林檎」を一個持って行く。大家さんに会う事に対しての不安は隠せなかった。2人で病室のドアの隙間から覗き見る。ベッド上の大家さんがとても怖そうに見える。2人は意を決して病室に入る。明るく挨拶をして入る【きょう】だったが、『大声ではしゃぎおって』といきなり怒られてしまった。大家さんの迫力に圧倒される【きょう】と【あす】。しかし【あす】は、大家さんに何かを感じ取っていた。大家さんは【きょう】と【あす】の前では、林檎を食べないと思う。そんな目に見えない優しさと気遣い。不器用さを感じていた。
 【あす】は『どうしよっかな・・・明日・・・』と大家さんの事が気になって、算数のドリルにも手がつかない様子。これから、【きょう】と【あす】のお見舞いの日々が続く。優しい妹の気持ちを汲む【きょう】の姿もお姉さんらしい。学校が終わり急いで病院へ向う。行くと入り口には【あす】が「スイカ」を持って待っていた。そんな【あす】が愛おしくてたまらないのだった。しかし、まだ大家さんとの「心の距離」は縮まらない。【きょう】と【あす】はドアの隙間から見ている。【きょう】は病室に入る事を躊躇していると【あす】が『よし』と言い、病室に入って行く。そんな妹の「小さな勇気」がたくましく見えた。スイカを切り持って来る【あす】。水筒に冷やした麦茶を入れる【きょう】。2人の満面な笑顔。
 夕方。【きょう】と【あす】が帰り、静かな病室。一人で窓の外を見ている大家さん。スイカを一口食べた。2人は帰る途中に商店街の八百市の前を通ると「八百市のおばさん」からお見舞いのスイカを届けたお礼に「お肉」を貰った。早速「からあげ」にする。【きょう】は【あす】の作る「からあげ」が大好物なのだ(笑)。2人で食事をしている時間は、とても大切で「絆」を感じる事ができる。とても幸せな気持ちにさせてくれる。明日の笑顔の為に、ずっと一緒に居られる事を願い頑張る。日々の何気ない、ごく普通なのだが、忘れがちな幸せがここにはある。
 2人は、大家さんのお見舞いを続ける。ある日。【あす】が衣服を泥だらけにして、花を摘んで来た。大家さんは、その姿を見て『もう来なくていい・・・来るなと言っているんだ』と言う。大家さんの【あす】を思いやる発言だった。しかし、【きょう】と【あす】のお見舞いは迷惑ではなかった。
 降り出す雨。雨漏り対策とお皿と鍋などを部屋に並べるが・・・大丈夫のようだ。『誰かが直してくれたのかな・・・』と【きょう】。そこで思い出される【三枝 蘭子】の言葉。そして気づく。『私たちの為に・・・』と大家さんは屋根を直し、落ちて骨折していた事に・・・。大家さんの言葉にしない不器用な優しさも【きょう】と【あす】に届いた。「心の距離」が縮まって行った・・・。『これで、最後にします』とお見舞いに来る。2人の笑顔は輝いていた。大家さんの照れている表情が印象的ですね。
 でも、やっぱり、大家さんは怖い人でした。庭を水浸し、妹はタライでプールをし、おまけにシャンプーまでも・・・。【きょう】は、大家さんと仲良しになったから大丈夫と言うが、怒鳴られ、家賃もしっかりと取られた。
 夜。【きょう】と【あす】はベランダに居た。『でも、大家さん。あの後、小さい声で、庭の花に水を上げていてくれて、ありがとうって言ったよね』と【あす】。2人の想いはしっかりと伝わっていた。


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3 コメント

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コメント、ありがとうございます! (斑目 晴信)
2006-07-08 00:16:01
 KATSUさん、いつもお世話になっております!

そうですね。もう残り後8話ですね。少し短いかな。

そんなに、劇的に物語も変化する訳ではないので、

見逃しても大丈夫ですね。

 『ARIA』のヒーリング系ではない。別の浄化作用を

持ったアニメ作品だと思いますね。
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Unknown (KATSU)
2006-07-07 23:47:26
すいません名前入れ忘れました・・・orz
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Unknown (Unknown)
2006-07-07 23:46:18
うあぁぁー今気付いたんですけど、これ第2話なんですね!

私はてっきり第1話かと思ってました・・・orz

それにしても大家さん、いい人でしたね。

心温まる話でした。
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