人類一人の責任(『Saving Human Beings』序)
劉霆昭
今年の四月二十五日午前、第十七回全国読書会が重慶市で盛大に開幕した。国家新聞出版総署の署長を担当したあとに柳斌傑の初公開演説を聞いた後、同心出版社の展示台に急いで帰った。座ったばかりであり、一人の中年男がすたすたと私の前に来た。彼が一冊の厚い原稿を差し出し、表紙に「Saving Human Beings」という目立つのタイトルが私の目に映った。
「私は胡家奇と申します。『Saving Human Beings』の作者です。この本が私の二十八年をかけて書いたもので、とても重要なんです・・・」彼の目に知恵の光が輝いていた。湖南発音つきの言葉に熱い情熱が溢れ、沸き上がった熱血が彼の胸元に昂ぶっていた。
共同注目の話題が二人の距離を縮めた。三十年の新聞出版の経験によって鍛えられた鋭敏、実直、簡明が、二人の交流に要点を突き刺せ、より深くに進めていった。そして答弁するような思想と感想が激しくぶつかりあった。
人類の絶滅の原因は何なのか?本当に宇宙人の存在を信じてるか?
科学技術成果の不当利用が人類を滅ぼし、人類を救うの最終達成するには科学技術の発展が必要ではないか?
君が言った「大統一」は、中国古代儒家学説の「世界大同」とマルクス主義の「インターナショナル」とはどういう関係なのか?
君が二十六の世界の人類リーダーに呼びかける「非競争的」「グラントソーントン」の「大統一」の新社会は、オーウェン、フーリエの空想的社会主義とマーシャル・マクルーハン予言の「地球村」との違いは何なのか・・・
問答間にぶつかった火花が、何度も二人のテンションを盛り上げていた。我々は将棋のライバル、楽曲の知音のような気がして立て板に水である。
今度胡さんは十冊の原稿を持って重慶市につき、わざわざ適当の出版社を探しに来た。「うちは結構名声のない小さな出版社で、他の出版社、特に有名出版社の展示台にも見て回てほしい。作者として君に十分の選択権があった。もしその後まだうちに気にいれば、午後の二時にまた来てください」と私は素直に言った。
午後の二時に、彼が約束通りに来て決意した「『Saving Human Beings』は貴社で出版することを決めたが、できれば早くしてください」。私はこの八十万の著作を計って約束した「十日間ほど原稿を読ませてもらおう。ゴールデンウィークの後君と意見を交換しましょう。 」
それから数十日間、ゴールデンウィークを含め、この原稿が常に私の隣に影の如く寄り添っていた。
視線が行間に従って移動していたが、体がまるで宇宙で旅をしていたようである。瞳がページめくりに従って輝いていたが、心がまるで時空トンネルを通り抜けていたようである。「虹を服となり、風を馬となり、雲の神々が続々と天下った。虎が琴瑟を弾き、鳥が駕籠を担ぎ、仙人が群れを成した。」と詩仙李白の描いた仙境が、『Saving Human Beings』の宇宙の章節を読んでいた時に感じられた。
この本は強い磁場があり、読者は時に地殻の奥に吸引され、灼熱のマグマの熱さを感じる;時に数十億光年以外の星団に投げられ、天地と宇宙の地球の始まりを探る;時に現代社会の細胞の内核を吸引され、人類組織本質の精髄を観察する;時に盤古天地開闢、恐竜制覇の太古時代を送られ、人類誕生の秘密を解明する・・・
天動説、地動説、大陸移動説、進化論、人口論、一般相対論、レッドシフト、ドップラー効果、宇宙大爆発、ブラックホール、赤色矮星、暗黒物質、ミノス文明、アレクサンダー十字軍、文芸復興運動、啓蒙運動、産業革命、ヴェルサイユ和約、人類生存、幸福感、世代正義、レッドジャイアント災難、シュヴァルツシルトの半径、 マイクロブラックホール脅威、黄道面、太陽風、星間磁場、地球外生命、宇宙呼びかけ、UFO、DNA、SARS、クローン、冷兵器時代、世界大戦、テロリズム、オゾン破壊、モントリオール議定書、地球温暖化危害、酸性雨、リョコウバト絶滅、生物多様性条約、再生不可能資源、土地砂漠化、世界砂漠化・干ばつ対処の日、人口爆発、八国集団、トランスジェニック生物毒素、インターネット、ハッカー、外部脅威、人性善悪、科学技術強化効果、人類自己脅威、マンハッタン工程、技術の鍵、ナノロボット、スーパージーン毒素、循環突破法則、核分裂加速法則、国家社会、悪性螺旋、二重強化、極端手段の「三増」法則、自己絶滅の哲学推定、人類を救う唯一の選択、軍縮、国連日、大統一社会、政令、国際法、グローバリゼーション、核心国、総合国力、世界連邦、一体化社会軟環境、緩和週期法則、全新非競争社会、単一国、複合国、連邦国・・・
様々な知識点、キーワードが、人類生存運命の糸に従い、次々と集まり、本に現れた。自然科学と社会科学が溶け合い、その内容は天文、地理、数学、物理、化学、生物、環境、哲学、倫理、歴史、政治、経済、社会、宗教にかかわった。さすが中国スタイルの普及版、濃縮型な百科全書と言える。99点(百点制)の大学入試の物理成績を取った胡さんは、知識の真珠ネックレスを編む達人と言えるであろう。周密な理性思考の金糸で、粒粒の知識の「真珠」を、一連の煌き、繋いでいた百科知識の「ネックレス」に編んでいた。彼がいろんな奥深い科学理論と難解な知識を、分かりやすく、生々しく、ユーモアで、人間味と感染力に富む言葉で表わし、読者を引き付けるのみならず、分かりやすくなった。
幼い頃「万巻の本を読み、万里の道を行く」を肝に銘じて実行していた私は、 生まれつき好奇であり、よく聞き、更に記者のプロの経験から、見聞が豊かで博識であると自分が思った。しかし、この厚い本を読んでいた時に、なんと気づいたことがあった。自分の半世紀以来の人生経歴の数々な思い出と往事、特に忘れがたい見聞、妙案をそそる疑問、胸騒ぎの感触は・・・まるで木の葉のように、ほぼここにある依頼の幹と枝を見つけることができる; まるで雫のように、ほぼ人類生存と発展を記述した文字の川に流されることができる。
子供時代空を見上げて牽牛星と織女星ガを探し、年々中秋節に杯を挙げて月を誘う; ローマ闘技場に滲みた血痕から、西アフリカ奴隷屋に残した冷たいロープまで;日本軍が東北で細菌兵器を製造した実験場から、長崎と広島の空に昇ったキノコ雲まで;週口店北京原人の頭骨化石から、三星堆縦目人の青銅マスクまで;ケンブリッジ大学成立した反ダーウィン学説実験室から、グリニッジは展示したハッブル宇宙望遠鏡が撮った宇宙大爆発星雲図まで・・・
脆い人間、哀れな人間よ!偉大なる人間、立派な人間よ!!
私を引き付けたのは一連の百科知識の真珠と言えば、深く感動したのは行間に滲みた人類運命を関心していた責任を背負った崇高で神聖な使命感である。
愛国心を抱え、普通は遠大な志向がある人であると見なされた。本作者の赤子のように純真な心は、はるかに国と民族の愛を超え、国と民族の境界線を超えた全人類への大愛である。彼は国と人民を心配するほどではなく、まさに人類、天地、世界、宇宙を心配している!
不思議であると思い、彼は中国北京の一員の普通の公民、普通の大学卒業生、普通の学者、普通の企業家としてどうしてこの大愛を生み出し、思わず人類を救う責任を背負ったであろう?!
人それぞれは生活、社会、世界、未来に自分の考えがあり、しかし誰でもこんな熱い心と神聖な使命感を持っているわけではない。人類はそれぞれの個人となっている。一人一人の個人が共に努力を重ねれば、最終の人類を救う歴史重任を背負いできる。
出版人であろうと、この星に暮らしている誰であろうと、人類を救うより偉大で、切迫して、重要な課題はあるであろうか?!
一番驚いたのは、この本に人類の直面する危機についての忠告である:歌い踊り太平の世は抜け穴だらけな人類生存危機を隠されず、我々は有頂天でやって興味深そうに話していたのはあたかも毒酒を飲んで渇きをいやすような自殺行為である。これらの奇抜でショッキングな警告は無意味な心配だけではなく、事実である。人類生存運命に関する重い課題に対し、どんな役人、金持ちさえも恥ずかしく、驚くものである。いわゆる「名利を求める者さえは雄大な峰を眺め、心が落ち着く。政務に励む者さえは優雅な谷を見回し、帰りも忘れる」(吴均:宋元思への手紙)である。峰と谷は即ちこの本である。
「プロレタリア階級は全人類を解放するだけプロレタリア階級自身を解放できる」という大声で叫んだ画期的な名言は、我々の道しるべとなり、今も肝に銘じられている。プロレタリア階級の定義について、十月革命の勝利によって無産者が執政者となり、前ソ連及び東欧の解体及び中国改革開放、経済発展、世界が貧しさから脱出し豊かになる実践に従い、既に新しく解読された。時代とともに前進する精神に基づき、「我々は全人類を解放するだけ我々自身を解放できる」と言い換えても構わない。『Saving Human Beings』は大量の争いようのない事実、研究成果と科学推断で我々に教えた:もし理性に人類生存状況に目を覚めないと、もし人類を脅威する各要素を有効的に改善できないと、もし自己保護ばかりでなく自己防衛の革命的、全世界的な対策さえ採用して人類を切実に大切しないと、恐らく全人類を解放する前に人類が絶滅するであろう。言うまでもなく、解放よりも救いのほうが重要で、急用である。
中国がWTOに入り、世界の経済、文化の一体化を早く推進した。現代科学技術の発展、特にインターネットグローバルオーバー、世界のコミュニケーションをより便利になった。恐らく伝統意味のチャンスと挑戦は新たな内容を更新する必要がある。即ち調和社会を構築し、世界大同を実現するチャンスを掴め、人類が生存危機を直面する挑戦を迎える。
唐辛子好きの気概が強い性格、湖南人ならではの革命素質と歴史使命感、世界を抱え、宇宙を眺める大きな気概、いろいろな書物を読んで、慎み深く学んだ能力によって、胡家奇が激昂の情熱で「Saving Human Beings」の重大なる課題を提出しただけでなく、社会制度正義性と人類価値実現の評価により、大統一社会の理念を提出し、その基本構成及び社会道理価値標準に心を込めて設計して科学的に論述することである。
一人の個人として、全人類を関心し、全人類の運命を自分の責任に背負い、人類を救うために奔走し、遊説し、大一統社会を実現するために叫び、呼びかけていた。こういう人は決して凡人ではない!彼のこの執着に感動されるはずがないものであるか?!我々はこの警告に対し、黙っていられるものであるか?!
勿論、いかなる作者であろうと、いかなる作品であろうと、一定の限定性があり、完璧とは言えない。『Saving Human Beings』の企画と出版者として丁重に読者にこの本をお勧めする。本を読んだら、せめて大いに見識と心を広げ、自分だけから全人類まで広げ、目の前だけから数千年まで広げ、元の狭い生存時空半径を突破し、全中国——全世界——全宇宙に広げることができる。
生存危機を挙げて世界に警告し、人類を救うを聖なる責任として、決して無意味な心配ではない。古人曰く:万世を謀らず者は当時に謀りできない;大局を謀らず者は一部に謀りできない。このために、我々は今暮らしている人類の一員として、自問すべきではないであろう:
衰退時代を嘆き、盛世をほめたたえ、長い万世を受け継ぐ者は誰である?
先祖を思い、後世を心にかけ、現代人は今何をしている?
『Saving Human Beings』は論証と展示した「大統一社会」は現代人類の科学的、美しい理想の追求であり、中国伝統の「世界大同」思想とマルクス主義の科学社会主義理論を受け継ぎ、当世の世界物質文明、精神文明の発展レベルを基礎として創造性的提出した新たな「大同」である。大同世界は誕生した時に、世界は最も美しい時であると思う。ここまで書いて感慨無量であり、思わずウジェーヌ・ポティエらしいスタイルで、思いを述べ表すために「大同歌」を作ってみた:
立ち上がれ、世界の兄弟達
立ち上がれ、滅びたくない人達
溢れる情熱が沸き上がり、
大同のために戦え。
新世界に至る所に花と川が目につき、友達動き始めろ。
無力とは言わないで、我々は天下の主人である。
これは神聖なる戦い、明日まで団結せよ。
インターナショナルが必ず実現できる;
これは偉大なる戦い、明日まで団結せよ。
インターナショナルが必ず実現できる;
『Saving Human Beings』を読んだ後、十分勉強になり、胡さんに頼まれ感想を書き、序となった。
2007年六月北京に
(本文作者は『Saving Human Beings』の総企画、出版者、北京新聞集団同心出版社社長と総編集、高級記者を兼ねる)