オメガねこ

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「民族の伝統」 と 「先住民族の伝統」

2020年09月03日 | アイヌ
 ウポポイの「国立アイヌ民族博物館」に展示されている最も古い「アイヌ民族の伝統品」が1980年代のモノだそうです。これに対して北海道新聞(道新)は「全ての伝統文化は変遷する。」と云う教授の意見を載せて反撃に出たようですが、何か勘違いをしているように思えます。

 「新しいアイヌ民族の伝統品」は新しくても良いのですが、「アイヌ民族は先住民族」である事を示す展示品が無い事実を指摘した事に対して「文化は変遷する」とは、余りにも「先住民族であるアイヌの人々を小バカにした」反論です。

 この「差別的な教授」の意見は兎も角、恐らく「道新」は「アイヌ民族は先住民族」であることを証明する資料を持っていると思うので、是非とも「先住民族の証拠品」をウポポイに寄贈してほしいものです。

 「国立博物館」の展示品が「”OK”印の間切」や「京都の加工業者に最近発注した装飾品」あるいは「日本伝統の漆器」等ではあまりにもひどすぎます。まるで「アイヌには古い文化が無かった」と、世界に広めるために展示していると思われても仕方が有りません。

 何故、この「アイヌを侮辱」するような展示を止めるように、新聞社やテレビ局は報道しないのでしょうか?

 何故、アイヌの人たちはこの事に対して苦情を言わないのでしょうか?

 日本政府は「アイヌの人たちが大人しい事を良い事に」利権を貪っているとしか思えません。国会でも衆参両院が
「アイヌ民族を先住民族とすることを求める決議(2008年6月12日)」を全会一致で採択した事を考えると、北海道の「五千年以上前の縄文遺跡」よりも古い「アイヌ遺跡」が有る事は知っていると思われますww

 若し証拠が無ければ、「アイヌは縄文北海道に対する侵略者」になるので、「先住民族決議」を可決する事は出来ない筈です。可決した以上は、その「証拠品」をウポポイに提供してください。

 ところで、ウポポイを最も強力に推進したのが「菅義偉官房長官」だそうですが、是非とも「展示品」等の実情を調べて改善してもらいたいものです。これ以上国家ぐるみで「アイヌを差別」するのは止めて貰いたいと思います。



「ウポポイ」 と 「首里城」

2020年08月15日 | アイヌ
 歴史上5度目の「首里城焼失」は2019年10月31日でした。火災の検証結果が発表されたかどうかは判りませんが、消火設備などの「消防法に違反する改造」が有ったように記憶しています。但し、2000年12月に「琉球王国のグスク及び関連遺産群」として世界遺産に登録されたのは「首里城跡」であり、実際に焼失したのは1992年に新しく復元?された「中華風正殿とその周辺」です。

焼失した「首里城」の場所に、戦前には(旧)国宝として
「沖縄神社社殿」が建っていましたが、戦災と大学建設で完全に破壊されたようです。1960年になって「沖縄神社再建運動」が起こりましたが拒否されたため、弁ヶ嶽の隣に再建され、今回の焼失から免れる事が出来ました。

火災の原因は特定されていないようですが、複数の「消火設備の不備」が見つかっています。また、当時は正殿の「改修工事中」で、分電盤から安全ブレーカーを通さずにコンセントが取り付けられていて、そこに延長コードが接続されていたようです。

同じ年の4月15日には仏国の「ノートルダム寺院」も大規模火災が発生し、屋根の尖塔が崩落しました。原因は「改修工事」による火災の可能性があるとされています。

話は変わりますが、「ウポポイ(民族共生象徴空間)」が2020年7月12日に「開業」しました。そこの主要施設である
「国立アイヌ民族博物館」を含む消火設備は、一般の「消防法」とは違う手法で構築されているようです。私は「消防法」には詳しくないので多くは語りませんが、身近な例を言うと、北海道の一軒家の多くには灯油500リットル程を貯蔵するホームタンクが各家庭に設置されていて、タンクに接続する配管部分を金属製の網で覆うように「消防法」で義務付けられています。この接続部分にはコックが付いていて、緊急時には送油を停止することが出来るのですが、実は、この防護網のせいでコックを回す事が出来ません。

消防法を守って自宅の焼失を見過ごすか、消防法を無視して緊急時に灯油を停止できるようにするか迷ったのですが、折衷案として「金網のコック部分だけを切り抜いて」コックを廻せる様にしました。但し、これが「消防法」に違反するかどうかは判りません。通常の「消防法」も怪しいのに、特例で許可した防火設備による火災が起きない事を祈るばかりです。

それは兎も角、国立の「国立アイヌ民族博物館」が「国立 アイヌ・民族博物館」なら、和人の作った「OK印の間切り」や「日本刀」「漆器」等を展示するのは構わないのですが、「国立 アイヌ民族・博物館」なら、アイヌの人々を小バカにしたトンデモナイ展示物です。また、この地域には放置された
「ポロト稲荷大明神 社(明治元年建立)跡地」もあり、不吉な予感もします。


「アイヌ」 と 「シャモ」 ②

2020年06月29日 | アイヌ
 「アイヌ」と「シャモ」の意味については以前書きましたが、ここでは地名について書きます。

 2001年1月22日朝日新聞夕刊の「窓」コラムに「四万十川の語源がアイヌ語のシ・マムト(甚だ・美しい)である。」と載っていたそうです。勿論これは朝日だけあって「ウソ」なのですが、実は原典があって、寺田寅彦 全随筆集2(岩波)p560~567 「土佐の地名」より、

『誤解をなくする為に断って置きたいと思うことは、左に地名と対応させた外国語はようするにこじつけであって、唯或る一つの可能性を示唆し、所謂作業仮説としての用をなすものに過ぎないということである。・・・』

の部分を書かないで、「四万十川のアイヌ語説」を記事にしたと云う事です。

 江戸時代の宝永5年(1708年)の土佐物語には「四万十川 わたりがわ」と記されていて、「渡川」が「四万十川」と正式名称になったのは1994年だそうです。若し、「四万十」の語源がアイヌ語の「シ・マムト」だったとすると、アイヌ人が四国に住んでいたか、或いは四国に住んでいた「シャモ(和人)」がアイヌ語を知っていたかの何方かです。

 ここで疑問なのが、逆に「アイヌ語」の由来は「シャモ語」に有るのでは、と何故思わないのか?とか、日本中に住んでいた(とされる)アイヌは、何故アイヌだけ「文字」を失ったのか?です。

 和人が四万十川を指さして「シャモ語」で「しまんと」と言っていたのを聞いた「アイヌ人」が、「非常に美しい」事を「シャモ」は「シ・マント」と言うと理解したとも考えられます。朝日新聞の記者が「二千年以上前から和人も言葉を話していた」事を知らなかったのかも知れませんが、アイヌが文字を持たなかった事は歴史上の事実とされています。

 また、アイヌ人が四国に住んでいたという「科学的根拠」は聞いた事がありません。日本中で「和人」と「アイヌ」が住んでいたのなら、昔から「アイヌ語を使う和人」と「シャモ語を使うアイヌ」、「文字を使わない和人」と「文字を使うアイヌ」などは当然いたと思われるので、「アイヌには文字が無い」と言う史実は間違いであると言えます。しかし、そのような学術論文は見た事は有りません。 

 ネットを調べると、日本各地の「地名アイヌ語説」が数多く見られますが、最初は「うわさ話」「こじつけ」「おもしろ話」から始まり、その話が拡がって「そうらしい」とか「私も聞いた事がある」になり、「学者の文献によると」とされ、報道機関によって「確定事項」として書かれます。

 日本各地に「アイヌ人」が元々住んでいて「シャモ」からの迫害によって北海道に追いやられたと云うのなら、「シャモ」は何処から来たかを証明すれば事は足ります。例えば、支那大陸から「シャモ」が攻めてきたと言うのなら、「シャモ」の祖国は「支那大陸」と云う事になり、「イスラエル」の様に支那大陸に「シャモ国」を建国する事が出来ます。

 しかし、現在の科学で証明されているのは、「シャモ」は縄文人に由来し一万六千年以上前から日本列島に住んでいた「先住民族」であって、アイヌは今から八百年ほど前からしか日本列島にその痕跡は残っていません。後から入ってきた人が「先住民族」に成れるのならば、明治以降に入植した「屯田兵」も「先住民族」になり、「屯田兵保護法」が必要になります。



「日の丸マスク」 と 「魔よけマスク」

2020年06月01日 | アイヌ
 数年前に「日の丸マスク」を着用していた選手が、日本スケート連盟に注意をされたそうです。今年「アイヌマスク」を着用した官房長官は、「アベノマスク」を着用した首相から注意をされたかどうかは分りません。

 「日の丸マスク」騒動では、2015年3月に上海で開催された世界選手権の時に「株式会社くればぁ」の日の丸付きマスクを羽生結弦選手が着用し、これが「日本代表の公式グッズという誤解を与えかねない」として「日本スケート連盟」が羽生選手を注意し話題になりました。また、「公の場で日の丸やJAPANなどがあしらわれた(非公式な)ものは誤解を招くため身につけないことになっている」とされているそうです。

 「魔よけマスク」は少しだけ話題になり、2020年5月に行われた記者会見で「アイヌ文様が刺繍されたマスク」を菅義偉官房長官が着用した件ですが、長官は「北海道・登別のアイヌの方からちょうだいした」と説明し、「お守りをかねて、アイヌ文化の発信にも資することから着用している」と言ったそうです。

 長官は「アイヌ関連予算」に関する仕事もしていて、その「アイヌ」から有価物を無償で受け取ったと自供しているにも拘らず、誰も問題視はしていないようです。さらに、その「魔よけマスク」が「日本政府の公式グッズという誤解を与えかねない」にも拘わらず、しかも、宗教的要素を含む「アイヌ文化の”お守り”」として発信すると断言しています。但し、その文様が「魔よけのお守り」なのか、歴史的に検証されているかどうかは分かりません。

 官房長官が首相官邸で「公式な記者会見中」に、恰も「魔よけのアイヌ文様が刺繍されたマスク」が”お守り”になるかのような発言をしたことは、少なくとも「詐欺罪」に当たります。

 また、菅義偉官房長官が座長を務める「内閣官房アイヌ政策推進会議」の構成員に、北海道アイヌ協会副理事長(常務理事兼任)阿部ユポ氏が就任しました。阿部ユポ氏は、金日成・金正日主義研究主義研究 165号に「先住民族としての誇りある生き方を代を継いで」という挨拶文を寄稿しています。

 「アベノマスク」は政府公認のマスクですが宗教的要素も無く、国民の税金で調達したので只で貰った訳でも無く、地味すぎて宣伝効果も無いにも拘わらず、叩かれ続けています。



「先住民」 と 「先住民族」 Ⅱ

2020年02月19日 | アイヌ
 【ネタ切れに付き、過去記事の「編集・加筆」です。】

 日本各地には縄文遺跡が有り、北海道から沖縄まで統一的な文化が認められる事から、現在の所、日本列島の先住民は「縄文人」と言っても良いと思います。この「先住民」は、エドワード・S・モースが大森貝塚から発掘した土器を Cord Marked Pottery( 縄文土器)と名付けた事を理由に「縄文人」と呼ばれていますが、「縄文民族」とは言いません。これは、「民族」の定義が時代によって変遷を繰り返してきたことから、国家意識の無い過去の「先住民」を現在の定義に合わせて「~民族」と言い切る事が出来ないからだと思います。

 日本政府は「先住民族であるアイヌの人々」と認めていますが、現存する「アイヌの人々」が「アイヌ民族」であるとは言っていません。これは当然の事で、「和人」も「アイヌの人々」も「縄文系日本人」であり、厳密に「民族」として区別する事は不可能だからです。過去の一時期、東北以南と北海道との交流が薄れ、別々の文化が並存した事から、「民族」の定義の一つである「独自の文化」がそれぞれの地域に発達し、これを「大和民俗」と「アイヌ民俗」とにエスニックグループ(EthnicGroup)として分ける事は可能ですが、「アイヌの人々」にとって自分達の住んでいる土地(蝦夷全体)が自分の占有地であるという意識は無かったと思われる事からも、「アイヌ人」がネーション(Nation)としての民族で無かった事は明らかです。

 また、「アイヌの人々」とは、千年ほど前に北海道に住んでいた「和人」とは別のグループの人々(Groups)の事で、特定の民族を示す言葉では有り得ません。

 「民族」の定義も時代とともに変わりますが、「琉球人」「和人」「アイヌ人」は共に「縄文人」の遺伝子を引き継ぐ、元々日本列島に住む「先住民」です。日本に国家が形成されつつある時に、沖縄は東南アジアと、本州は東アジアと、北海道はシベリア・オホーツクと交流が進み、文化の違いが現れるようになりました。「縄文人」はこの頃から、大きく分けて「琉球民俗」「大和民俗」「アイヌ民俗」等の様に「民俗性」が分かれるようになりましたが、これらは同じ「縄文先住民」であって「独自の先住民族」では有りません。

 ここで「民族」の定義を変えると、縄文文化圏の「民族」が他の文化圏の「民族」によって侵略されたとも、他民族との共生が進んだとも言えます。現在に於いて、「アイヌ民族」が「大和民族」による浸食と同化によって被害を受けたと言うのなら、蝦夷の「縄文民族」は「オホーツク・シベリア民族」の侵略を受けて「アイヌ民族」に変質したとも言えます。

 或いは、「縄文民族」と「オホーツク・シベリア民族」の共生の結果、「アイヌ民族」が誕生したと言えるのなら、現在の「アイヌ系日本人」は「アイヌ民族」と「大和民族」の共生の結果「日本民族」になったとも言えます。

 北海道には「アイヌの人々」も「和人」も古くから住んでいて、更に「ニブフ(モンゴロイド)」「ウィルタ(ツングース系)」等も「先住民」として住んでいました。これらは総て言語も習俗も違うので別の「民族」と言えますが、一纏めにして「先住民族」とは言えません。ましてや、「和人」以外の複数の「民族」を「アイヌ民族」と一纏めにして扱う事は、人権侵害とも言えます。

 「アイヌの人々」だけを先住民族として優遇する事は、同時に住んでいた「和人」「ニブフ人」「ウィルタ人」・・・等を差別する事になり、憲法に違反します。

 憲法第14条
すべて国民は、法の下に平等であつて、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。

 少なくとも、人種的には共通性が有り習俗が違うだけの「アイヌ」は「アイヌ民族」ではなく「アイヌ系日本民族」と言うべきです。また、「アイヌの人々」ではなく「アイヌ等の人々」、「先住民族」ではなく「先住民」と言うべきです。

明治以前は「土人」と云う適切で便利な言葉が有りました。