交通違反をすると「罰金」を取られます。正確には、軽微な場合は「反則金」ですが、交通反則通告制度によって「反則金」を払う事によって訴追から免れる事が出来るという制度です。しかし、反則金を払わないで裁判で争うことも出来ますが、裁判に負けて「罰金」を課せられた場合には、刑罰なので前科も付きます。
「罰金」の存在理由は、国民に負荷をかける事で治安を維持し易くする所にあり「犯罪を減らす効果」があるとされています。一方「税金」の主要な目的は、インフラ整備や国防等国民の利便性・安全性を高める事や、社会保障・富の再分配等です。
・「消費税」は、収入の多少に関係なく広く負担し広く再配分する為、低所得者層は負担を感じ高所得者層には負担が小さく感じられる税制です。これは「富の再配分」ではなく「負担の逆配分」です。
・「個人所得税」は主に「富の再配分」の機能が有り、低所得者に対しては軽減されています。
・「法人所得税」は企業の稼ぎすぎ(内部留保)に対する「罰金」の機能が有り、荒利益の多くを経費に支出するする事で「罰金」を減額する事が可能になり、経費である「従業員に支払う給与」の増額を促します。
日本に消費税制度が導入されてから現在までの税収額で、「消費税による税収の総合計」は「法人税などの減税分の総合計」とほぼ同額になったと言われています。つまり、消費者の負担によって企業が利益を得た事を意味します。
企業が得た利益を従業員に還元すれば、消費者でもある従業員は結果として「消費税」の負担感は薄れますが、法人税率が下がると利益を圧縮する必要が無くなる事から、内部留保や投資、或いは借金の返済に充てる事を推奨していとも言えます。これは、GDPを増やさない効果があり、実際にその通りになっています。これと引き換えに財務官僚は、法人税が減額された企業への天下り先を確保しました。
「罰金」が犯罪者への罰則であるように、個人所得税が働く事への罰則とだ考えたとしても、より働けば所得を増やすことが出来ます。しかし、現在は労働時間の短縮が法制化されています。同様に「消費税」が消費する事への罰則だと考えると、国民が必要以上に消費しない事を意図した税制と考えられます。消費税の増税は消費を減らす効果を増大させます。これは、速度違反の「罰金」を増額する事で、ドライバーにスピードを抑える心理が働く事に似ています。
国外に住んでいる人には日本の消費税は掛からないので、輸出補助金としての効果が有り、国民から徴収した「罰金」を輸出企業へ再配分する税制とも言えます。
西欧諸国では、消費は良い事であり消費税を「社会保障の為の当然の負担」と考えていますが、日本では「もったいない精神」もあり、消費は罪悪であり「消費税は消費に対する罰則」と思うのも当然です。この意識の違いを無視して、日本が西欧諸国の真似をして「消費税」を導入した事が、経済的な混乱を招いていると考えられます。
1989年に消費税3%を導入した時のGDPは420兆円で、2016年のGDPは520兆円となり、24%増えましたが、年率換算で0.8%ほどのGDP成長率です。日本の消費税が経済成長を抑え込む効果は明らかです。
自動車のスピード違反を抑え込むために「罰金」を増額する事が有効な手段となるように、バブル発生時には景気の過熱を抑え込む為に「消費税率」を上げる事は有効と考えられます。逆に考えると、現在の日本は低成長期にあり、且つ、供給能力が過剰なので、「消費税率」を下げるのが正しい政策と言えます。
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