テレビとうさん

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「苅田狼藉」 と 「知行狼藉」

2024年09月02日 | 政治
 中世日本では、一つの土地に対して複数の主体が権利を(重層的に)有していたそうです。その土地が水田の場合は、収穫時に「苅田(かりた)」をするのですが、地権者が入り組んでいる事からもめ事も多かったようです。もめた場合には「苅田狼藉(犯罪とは限らない)」として取り扱い、幕府が処理したようです。

 「上知令(上地令)」がこれに当たり、知行(ちぎょう:徴税権、支配権)を召し上げる事で、中央政府の権力を集中させることに利用されました。

 太閤検地以降「苅田狼藉」は収まり、今では、地方自治体が固定資産税などの徴収権を行使しています。田畑の場合は、その土地の売買が規制されているのですが、使用権を分離(仮登記)することで、実質上の地権者が外国人になることもあるようです。

 それはさておき、現代日本では、一つの所得に対して複数の主体が権利・義務(知行:ちぎょう)を有していますが、それが給与所得の場合は、給与支払者が纏めて源泉徴収をすることで不満は抑えられているようです。但し、個人として不満が有れば確定申告をして取り戻すことは可能です。

 過重な徴税(知行狼藉)でも、階層的な(適正な)収奪ならば社会な安定を齎すこともありますが、重層的且つ目的・用途別に収奪された場合は、知行の全体像が分りにくくなって、中抜きも発生しやすくなります。

 国民所得の約47%が公的負担(国民負担率)と言われていますが、原材料に対する課税から始まり、付加価値税(消費税の内、加工された部分に掛かる税)、法人税・所得税・住民税・社会保障費などを経て、最終的には生活費の負担時に消費税を払って終わります。

 つまり、一人の所得に対して複数の主体が権利を(重層的に)有していて、これがサラリーマン給与の場合は、税制が複雑に入り組んでいる為に支払い時に一括天引きされます。更に、それだけでは終わらず、残った手取り分を使うときには「消費税」を負担することになります。

 これは、まさに「知行狼藉」と言え、賃金総額の47%を奪い取られた残りが生活費と貯蓄資金になります。但し、狼藉の主体は、国民が選んだ議員が成立させた法律に従っているだけなので、犯罪ではありません。

 この「狼藉者」を退治するには、選挙で落とすしかありませんww