小森陽子のブログ

ジャズピアニスト小森陽子の徒然日記

インタビューして頂きました

2019-08-20 04:21:00 | Weblog

福岡の音楽シーンをいつも熱く支えて下さっている福岡音楽村さんにインタビューして頂きました😊✨
よかったらご覧下さいませ🙏💕💕💕





■第44回ひとSTORY~小森陽子さん[ジャズピアニスト]

留学中の仲間とのアルバムは、全米チャート2週連続一位を獲得。自称負けず嫌いと対照的な笑顔は、演奏中に観客へと伝染してしまう。今回は、幼い頃にジャズの魅力に引き寄せられた、ジャズピアニスト小森陽子さんへインタビュー。
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[生い立ち]
福岡市出身。公務員夫妻の長女として生まれ、兄も後に公務員となる。母はママさんコーラスに所属だったが、特別に音楽と関わる機会もなく育つ。当時高価だったレコードプレーヤーに子供は触れない家だったので、自分でレコードを聴くこともほとんどなかった。「子供は元気で走り回ること」を良しとしていた親だったので、習い事も特にしないまま小学校へ入学。

[楽器との出会い]
小学校へ入る頃、友達の家のピアノを弾いたり、レッスンへ付いて行ったり、ちょっとユニークな子どもだった。その子のお母さんが母に「陽子ちゃんはピアノがすごく好きそうだから、習わせたら?」と言ってくれたのもあり、7歳からジャズ好きなハモンドオルガンの先生のレッスンを受け始める。子供用の教則本のNO.1~6まで、ワクワクしながら弾いていたら、あっという間に終わってしまった。小3で「オール・ザ・シングス・ユー・アー」(ジェローム・カーン作曲)等を聴き、「カッコイイ!!」とジャズのスタンダードの魅力にハマる。当然、同級生は流行りの曲を好んだので、話題に出来る位は世の音楽情報を押さえていた。また、先生からハモンドオルガンコンクールの応募を促され、小3の時に出場。入賞からは外れたが、すごく楽しんだ。小5の時は県大会まで進み、結構ハマった。小6で九州大会優勝後、全国大会で東京へ行けることがとっても嬉しかったのを覚えている。発表会などの選曲は先生に一任していたが、ことごとくジャズで、小4の時などは「ラブ・フォー・セール」(コール・ポーター作詞・作曲)という有名な娼婦の曲を弾いた。

[中学時代]
中学校ではブラスバンド部入部。並行してハモンドオルガンは続けた。中学1~2年頃、初めて自分で買ったCDはジャズのオルガン奏者ジミー・スミス。その辺からジャズ・ピアニストのオスカー・ピーターソンなどを買い揃えていった。中3の時、ハモンドオルガンコンクール全国大会に進み、ジャズの曲で最優秀賞受賞。そして、高校の時にブルーノート(ニューヨークのジャズクラブのフランチャイズ店)が福岡市内にオープン。先生から「こういうミュージシャンを見ておいた方が良いだろう」と頻繁に誘ってもらい、オスカー・ピーターソンやハービー・ハンコックの来福時のステージに興奮した。先生の影響は本当に大きかったと思う。

[大学、そして就職]
西南学院大学国際文化学科アメリカ文化コース専攻。ブルーノートが学割で行けるようになったので、バイトをしながら、結構通った。西南大にはジャズ研究会がなかったので、部員数7~80名の九州大学のジャズ研に通い、時には朝まで練習した。それ以外では、ジャズのライブハウス“バックステージ”でもバイト。カウントベイシーオーケストラの来福時には毎年メンバーが店に顔を出し、朝までセッションを繰り広げた。世界規模の「セッションのレベル」に驚いたり、時には参加させてもらったりする中で、「めちゃくちゃスゴイ!!これはアメリカへ行かなくちゃ!」と、いつしか思うようになった。運良く3年生の春休みに米ロスアンゼルスへのゼミ旅行が決定。「せっかくだから、その前にニューヨークへ行こう!」と別の友人と1週間滞在することに。毎晩ブルーノートやジャズクラブをはしごするのが楽しすぎて、「また行かなくちゃ!」と心に決めた。バークリー音楽大学出身の人とも知り合い、「学校へ行くと言うのは、勉強も出来るし、仲間も出来るし、すごく良かったよ!それがなくて、いきなりニューヨークだと、一からコネクションを作るのは大変だと思うし、学校経由はなかなか良いよ。」と言われ、「これだ!」と思った。とは言え、「普通に就職して、数年して結婚する」と思い直し、大学4年で就職活動を始める。氷河期ではあったが、無事就職。5年間の社会勉強を経て退職。

[留学]
会社員時代もたまにライブで演奏したり、音楽に触れてはいたが、ある時「やっぱり、もっともっとピアノが弾きたい」と思った。退職したのが27歳。「今、ピアノが上手くならなかったら、一生上手くならない!」と感じていた。たまたま友人から、「ジャズの雑誌に国内で開催されるバークリー音楽大学の奨学金試験のことが載ってるよ!」と教えてもらう。「受けに行ってみよう!」ちょうど締切に間に合い、みごと合格。1年間のつもりで渡米したが、ピアノ部門の中の優秀者として、さらに追加の奨学金がもらえたので、合計2年在籍。演奏・作曲を中心に学ぶ。大学生活は新鮮で、今、活躍しているミュージシャンもたくさんいた。その時の仲間は貴重だと思う。また、学内は競争が激しく、ピリピリしていて小さなプロの世界を体験できた。学校から Mary Jane Earnhart Ellison Endowed Award を受賞。

[ニューヨーク]
ボーカリストのSamantha Sidley(アメリカンアイドルにも出場)は、アルゴンキンホテル(著名人や編集者が利用する名高いホテル)の高級なバーのYoung Artist Competitionと言うコンテストを受ける為、バンド出場する予定になっていた。急遽ピアニストが参加出来なくなった為、友人の推薦で白羽の矢が立つ。結果、優勝。ホテル関係者からもピアノ演奏を高く評価され、ホテルのジェネラルマネージャーから「バークリーの後はどうするの?」と尋ねられた。ニューヨークに引っ越すか、日本へ戻るかを迷っていると答えると、「じゃあ、今、ホテルでピアニストを探しているから、ここで弾く?」「ぜひ!!!」すぐに契約の話をされたが、学生ビザだった為、アーティストビザを大至急取るように言われ、弁護士を雇い、3か月かかってビザを取得。そこから2年間、ホテルでピアノを弾く機会を得た。その間、ニューヨークタイムズ紙やヴィレッジヴォイス紙において、高い評価を得る。2007年11月、バークリーの仲間のベーシスト津川久里子とのデュオアルバム“In The Afternoon”を発表。その後、ビザの期限と家族の看病の為、2009年2月帰国。ニューヨークは楽しかったけれど、寂しさもあったので、ちょうど良いタイミングとなった。

[UoU]
2007年バークリーの仲間とニューヨークでバンド“UoU”を結成。メンバーは他に山田拓児(sax.)阿部大輔(g.)津川久里子(b.)二本松義史(ds.)。毎週月曜、二本松さんのアパートの一室で作曲セッションを続けた。メンバーの二人が帰国する前にCDを作ろうと、2008年夏頃、アバタースタジオ(ジャズの一流ミュージシャンで言えば、ピアニストのブラッド・メルドーやギタリストのマイク・スターン等も録音に使用)でレコーディング。ちょうど、レコーディング・エンジニアとして就職したバークリーの仲間の協力もあり、練りに練って完成。帰国後とはなったが、2010年に米国のTippin' Recordsから1stアルバム“HOME”をリリース。その後、日本で毎年ツアーを行ないながら、2013年1月に2ndアルバム“Take the 7 Train”をリリースすると、米国で最も権威のあるジャズ誌“ダウンビート”に取り上げられたり、全米ジャズチャートで2週連続1位を獲得。近い将来、3枚目のアルバムも検討中。

[これから]
そのうちに、自分のリーダーアルバムのCDも作りたい。そして、ニューヨーク時代、ピアノであちこちセッションに行ったが、次回行く時はオルガン修行で行けたらと思う。当時は勉強にもなったし、セッションで全く弾けなくて、怒られて落ち込んだこともあったり、ピアノではそういう機会がたくさんあったが、オルガンは最近しっかり弾き始めたので。そして、「音楽の力」をもっと自分が認識して、強い思いを持って伝えていかないといけないと最近あらためて思う。やってる事が当たり前過ぎて、普通のことだと思っているけれど、それは本当に大事なことなんだ。音楽の力を認識しないといけない。意識が変わると奏でる音も違ってくるだろう。

[インタビューを終えて]
インタビューの途中で、アメリカでの偉業を封印しようかという話もあった。そのセリフに小森陽子さんの強さを垣間見た。過去にとらわれず、未来の自分を信じて突き進んでいく姿が想像できた。母になった感性も携えて、また海外に挑んでいく笑顔の女サムライに期待したい!

(文:MARI OKUSU) ※文中、敬称略

■オフィシャルブログ https://blog.goo.ne.jp/ykomopi

《近々のライブ情報》
・轟かおり&E.Two
出演: 小森陽子(pf.)/ 轟かおり(vo.)/ 藤山ET英一郎(Dr.)
日時:2019年8月18日(日)  Open 19:00 Start 20:00
場所:ドルフィーズCafe&Ber JAZZ INN DOLPHY’S(太宰府市五条2-2-18 TEL092-923-5520
https://r.gnavi.co.jp/h1mrrbyk0000/ )(要1ドリンクオーダー)

・中洲Jazz 2019
出演 : 小森陽子(pf.)/ 西田麻美(vo.)/ 浦ヒロノリ(as.)/ 中瀬亨(ba.)/ 藤山E.T.英一郎(dr.)
日時 : 2019年9月15日(日)
※詳細は後日!

・中洲Jazz 2019番外編
出演 : 小森陽子(pf.)/ 西田麻美(vo.)/ 中瀬亨(ba.)/ 中村健(dr.)
日時 : 2019年9月15日(日) Open 20:00 Start 20:30 アフターセッションあり
場所:NEW COMBO ニューコンボ(福岡市中央区渡辺通5-1-22 TEL 092-712-7809 http://newcombo.sakura.ne.jp/ )
Fee:¥2,500(前売)/¥3,000(当日)(要2オーダー)

・今津雅仁九州ツアー
出演: 小森陽子(org.)/ 今津雅仁(ts.)/ 武本強志(dr.)
日時:2019年9月28日(土)  Open 18:00 Start 19:30
場所:Jazz工房 Nishimura (福岡県太宰府市朱雀2-25-10 TEL 092-406-0923
http://www5.plala.or.jp/jazz-factory/ )
Fee:¥4,000(前売)/¥4,500(当日) (要1ドリンクオーダー)

【・第7回ふくおか音楽村ライブWALK in 親不孝通り】

出演:川波幸恵(バンドネオン/タンゴ)/小森陽子(ピアノ/ジャズ)/図鑑(ROCK POP)/THE SOULMATICS(ゴスペル)/埜口浩之(ファゴット/ネオクラシック)※50音順
日時:2019年10月27日(日) Open16:30 Start17:00~
(小森陽子ステージ)
場所①(17:00~/17:50~) : CafeStyle JAM(カフェジャム)(福岡市中央区舞鶴1丁目6−12 TEL080-9241-1717 https://www.facebook.com/cafe.style.jam/ )
https://sites.google.com/site/thefivepennies5/home )
場所②(19:00~/19:50~) : The FIVE Pennies(ファイブペニーズ)(福岡市中央区舞鶴1丁目8-30プリズモ21-5F TEL 070-5412-6720 https://sites.google.com/site/thefivepennies5/home )
Fee : ¥3,000(学生¥2,500)※2ドリンク付(1店舗につき1ドリンク)
※3店舗目以降は各店舗でドリンク券をお買い求めください。
予約フォーム:https://www.otonavitai.jp/livewalk/#chumon
にてお申し込みください。詳細もご覧いただけます。

■いつ?どこ?探せる福岡の音楽ライブ情報検索サイト「音ナビ隊」
https://www.otonavitai.jp/

■ふくおか音楽村HPはこちら→ http://www.fukuokaongaku.com/
※インタビューのアーカイブ等ご覧いただけます。