硯日記

書道の話、硯の話、字の話、いろんな話をします。

まずはカタカナだ、話はそれからだ。

2020-10-07 21:26:00 | 日記
突然ですがみなさん、
カタカナを正しく書けますか?



いいえと答えたアナタ、
とても正直ですね(* ´ ▽ ` *)

はいと答えたアナタ、
むむむそれは本当ですか?(ФωФ)

いじわるな質問をしてごめんなさい、硯コレクターの恵美です(o`・∀・´)ノ



この質問……
カタカナを正しく書けますか?

に、「はい」と答えられる方は、一人もいないはずなのです。
なぜならば、正しいカタカナの書き方というものは、この世に存在しないから。



えー!
そんなことあるのー!(゜ロ゜)

不思議ですよね。

ってことで今回はカタカナの誕生をやんわりと追いながら、なぜ正しいカタカナの書き方が存在しないのかを突き止めてみましょう。


まず最初にひらがなの回でも言ったことを、もう一度申し上げておきたいと思います。


仮名は漢字です。
       ややこしか~┐(´∀`)┌


仮名とはひらがなのことだけを指すものではなくて
漢文を日本語にするのはやっぱり無理があるよなぁ(´ι _`  )
と考えた当時の人が
とりあえず漢字の音だけ使って日本語を表しちゃおっか!o(*≧∀≦)ノ
っていう、当て字のようなものが仮名でしたね。


カタカナはその名の通り、漢字の片方を取った仮名片仮名

漢字を仮名として使うときに
ええぃ!画数が多くてまどろっこしいな!ヽ(#゚Д゚)ノ
と、漢字をものすごく簡略化したものがひらがなでした。

カタカナはというと、僧侶たちが中国の仏典を読むために使った読みがな、送りがなはじまりと言われています。
みんな学生時代の漢文の授業覚えてるかな?

送り点ってやつ(ФωФ)

あの送り点、カタカナでしたよね?


みなさん、ぜひ想像してほしいんですけど
漢文に、もしも自分で送り点をつけるとして、
当時のように漢字を仮名として使っていたとして
漢文に、日本語の読みを漢字で書き込んだとしたら(ややこしいな)

もう紙が超真っ黒極まりなくて
読めたもんじゃないですよね。

ごちゃごちゃどころの騒ぎじゃない。

そもそも漢字に漢字でふりがな漢字に漢字で送りがなって何が何だかよく分からないです。パニックです。
しかも、漢文の横にわざわざふりがなや送りがなのスペースが空いてるわけではないので、ちっちゃくちっちゃく漢字を書かなきゃならないんです。

さぞかし僧侶たちもイラッとしたでしょう。

結果、漢字を書かずに
漢字の一部を書いて済ませるようになりました
それがカタカナです。


っていっても何だかよくわからない、ややこしい…もういやだ……(´-ω-`;)
そんなみなさんの声が聞こえてきそうです。なんせ私も何を書いているのかわからなくなってきました。



例えば、孟浩然の「春暁」の一文

春眠不覚暁
をとりあえずひらがなで書き下すと
春眠暁を覚えず

これの送り仮名を漢字にすると

春眠暁江須

   ↑ ↑↑
   仮 名

↑↑これ!!!↑↑
この状態だったわけです!
当時の僧侶たちの漢文のテキストは!


今は一行で書いてますが、当時はこの赤の部分を行の隙間に書き込んでいるわけです。絶対ミチミチで読めないと思う。

では、漢字をカタカナにしてみましょう。


春眠暁エス

(濁点は当時なかったので省きます)


一気にスッキリしましたね!(*゚∀゚)=3

実に快適になりました。
ミチミチじゃなくなったし、これなら狭いスペースにも書けそうです。



おっと長くなってしまった!

続きは次回に!ではまた!
ゞ(^o^ゝ)≡(/^_^)/"