母は新居建築中だけど、ビルなど建ててはいない。が、夢想では、すでに、巨大なビルを建築中である。多額の資金をビル群建築に充て、さらには、癌撲滅などのボランティア活動に参与する意向。ベランダからでは、よく見えなかったから、ビル建築現場を視察に行くという母に、認定人は雨が降り始めましたヨと、母の思いこみを軽くいなしてくれた。ところが、ハッと気がついた時に、母の姿はなかった。
母はマンション管理人に、自分の家から車椅子を降ろすよう依頼するとわかっていたので、断ってほしいと頼んでおいた。管理人は断ったという。私は母の姿を角ごとに確認しながら、あの道、この道と歩き、新居の工事現場もコンビニもチェック。が、どこにもいない。家に戻ると、電話がなった。近所の介護施設☆ボンセジュールからだった。母はここで、お茶をいただき、思い込んだ夢の話をたっぷり、介護スタッフに話しこんでいた。
結局、母の歩き方が危なっかしいので、介護スタッフが母を一時預かりしたようだ。母は自分の名前と住所をすぐには言えなかったそうだ。ただ、電話番号だけは記憶していたという。自分の名前と住所の失念は母にはきつかったとみえて、自分の住所・氏名・連絡先などをメモしたカードを自分の首からぶら下げて、再び、家を出た。さすがに雨の中、マンション脱走は諦めて、屋根のある中庭で歩く訓練を始めた。明日は弟と見つけた介護施設へ見学に行こうと母に相談・・・了解を得た。
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母の血糖値検査法を学習し、
調剤薬局帰りに見た満月(?)