2019年11月20日、新潟市で開催された不動産コンサルティングマスター専門教育講座を受講してきました。
10時~17時まで6時限と学生のような時間割りでがっつりと・・・(笑)
受講した内容をもとに「相続税で路線価を否定!?」という日経新聞の記事を再度解説したいと思います。
●相続税の評価って何が正解!?
大多数の人が相続税を計算する・・・と思うと「路線価」というワードが頭に浮かぶと思います。
路線価とは道路に面した標準的な土地の評価額で、国税庁が毎年7月に公表している土地の価格である。土地取引の指標とする公示価格の約8割程度の価格となっており、相続税の算出に使われているため相続税路線価とも呼ばれています。
もちろん税理士さんをはじめ不動産業に携わる人であれば「相続税の計算といえば路線価」という概念の方が多いと思います。
それだけに先日の東京地裁の判決には多くの方が驚きました。
では相続税の条文はどうなっているのでしょうか?
【相続税税法22条】
(前略)、相続、遺贈又は贈与により取得した財産の価格は、当該財産の取得の時における時価により、当該財産の価格から控除すべき債務の金額はその時の現況による。
税法22条を改めて見返すと条文にはなんと時価で評価すると明記されています。
●相続税の計算⇒路線価は固定概念!?
不動産の価格を時価で算出するのは、不動産業に携わっていない一般の人が時価を算出するのはとても難しく何か基準を示す必要がある・・・そのために国税庁が公表しているのが路線価なんですね。
●「相続税で路線価を否定!?」の記事を再解説
東京地裁が国税庁が示した価格を妥当した根拠はこの税法22条にあるといえます。路線価はある意味例外的に認めた価格であり、それを税金を逃れるための算出根拠とすることはゆるされないということなんですね。
路線価の評価が低かったことを逆手にとって14億の資産を不動産に変えて子供に財産として残そうとしたわけですが・・・今回は申告した額がゼロということで国税庁に目をつけられた・・・という事案です。
幾分か税金を納める形で申告していれば良かったんじゃないかな~と思ったところでした。
●「今回の判決を踏まえて・・・」
現在の日本財政状況などを考えても相続税を軽減する方向性は見えません、むしろ増税の一途、徴収の強化など悪い方向性しか見えません。
それは今までの経過を見ても明らかです。
だとすると今回の判決を踏まえて、まずは今まであった固定概念、「相続税を路線価で計算する」という考え方を変える必要があるでしょう。
相続税の節税を考えるのであれば、まずは自分の所有している「簿価、固定資産税評価額、路線価、時価」この4つの価格がどうなっているのか把握しておくと良いと思います。
そしてその時その時で最適な計算方法がどれなのか?考えておく必要があるのだと思います。