山田洋次監督「男はつらいよ」の話でした。
第1作を見直して、妹を持つ兄として普遍的な物語を感じました。
ですが普通と異なる部分もあります。
この第一作からおよそ20年ぶりに、寅さんは、おいちゃんおばちゃん、妹のところに毎年長期滞在するようになります。
ここが故郷になります。
本来、普通の人にとっては日常のはずの葛飾柴又が、寅さんにとっては非日常なのです。
彼にとっては旅が日常なので。
そしてこれも少し分かるところがあるのです。
それは、年に1回は作りたくなる演劇です。
常に違うことを毎日していたいのですが、演劇を作る時だけは長期に渡ってその作品のことを考え、ある種のルーティン、勉強→稽古→勉強→稽古という形に入ります。
本当に私にとって旅が日常であるなら,演劇は非日常であり、普通の人にとっての日常というか故郷・・・、になるのかな、と。
作らずにはおれない、帰らずにはいられない、そういう場所が稽古場なんでしょうねえ。
と、いうことで「なぜ旅に出るのか」というに対する答え。
「旅が日常だから」というエッセイを、これで終わりにしたい、と思います。
次回から多分、今までの旅の日誌を振り返っていきたい,と思っています。