多くの人は「そんなのわかんなかった」と言われると思います。画家の友人も実際そうでした。例えばベラスケス「ラス・メニーナス」は3場のセレブリャコフの大演説とその後のワーニャの暴走の時の椅子の位置取りに使いました。実は徳島の大塚国際美術館に行った時にその構図に惚れ込んで使った訳ですが、実際は5人しか登場していません。でも12人の登場人物(うち一人は犬)を一枚の画面に入れ込む方法論は大いに役立つのです。普通は11個の椅子(2個分はベンチ)とブランコの配置を考えるだけで一苦労です。でもベラスケスの配置を見倣うと(あくまでパクったとは言いません)スッと並べられてしまうんですね。ランダムに見えつつも。
そしてこれを日本で人気のあるフェルメールも加えて人物画のポーズや構図をこれまた随所に借用しました。そのためにも一場と二場はスクエアの形になっています。ポーズと書きましたが英語ではむしろ“間”を表します。だから、この借用したポーズは言わば台本に書いてある動きの台詞つまりト書きにあたるのかもしれません。
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