長らく積ん読だった本を8月を前に読みました。史実に基づいたフィクション。戦場の「地獄」に比べたら、今の世はおおむね「天国」というほかありますまい。もちろん例外も少なからず存在します。碩学山崎正和は「不幸の総量は変わらない」と言いましたが、日本国民が、戦場の「地獄」という「不幸」に直面させられなくなった代わりに引き受けさせられた「不幸」とは?
恥ずかしながら以下のタイトルが石川啄木の短歌の一節であることも知りませんでした。「ゆゑもなく海が見たくて/海に来ぬ/こころ傷みてたへがたき日に」という短歌の。
「こころ傷んでたえがたき日に」(著:上原隆、刊:幻冬舎) #gooblog https://blog.goo.ne.jp/ys19631023/e/db9af4bbe5cfe401b581ba1ec0731501
文月(ふみづき)のふみ(手紙)の日に録画しておいたNHK「火野正平『こころ旅』」を視聴。視聴者が手紙にしたためた「こころの風景」を自転車で訪ねるところがミソで、そこが凡百の旅番組とちがいます。
2018年発行の本書を手にとったのは久しぶり。付箋がはってあった「アイメイト」(10頁)と「先生」(11頁)を再読しました。「慈しみ慈しまれる」ことがあれば人は生きていけるーー。読後感です。
時間と労力がモッタイナイ気がしたからです。「君子」じゃなくても「豹変」すること日常の「迂生」ゆえ、保証のかぎりではありませんが。