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12月27日に東京オペラシティで行われたオペラ歌手のベー・チェチョルさんのコンサートに行って来ました。
アジアのオペラ史上最高のテノールと称されたベー・チェチョルさん。2005年秋に甲状腺がんにおそわれ声帯と横隔膜の神経を切断。歌声と右側の肺の機能を失いました。その後、京都大学一色信彦名誉教授による声帯機能回復手術を受け2008年には奇跡の復帰をされました。
今年10月にベー・チェチョルさんをモデルにした『ザ・テノール 真実の物語』を観てぜひ生の歌声を聴いてみたくなりチケットを取りました。
席は2階の上手サイドの前方。斜めから見える感じでした。
まだ完璧ではないものの、再起不能と思われた歌声がこうして聴けたことに感動しました。さすが他のオペラ歌手の方のような声量はありませんでしたが、最初は声に負担のないような曲から始まり、徐々に声をならしていくといった感じでした。知ってる曲も多かったのも良かったです。
映画の物語の続きのようで、これまでの苦悩を知っているからこその感動です。この回復力は改めて人間てすごいなと思いました。あるドラマで、“奇跡は努力の別名”という言葉がありましたがまさにそれだと思います。右の肺の機能も2割だったところ今では8割ほどに回復してるというのもすごいですね。
始まる前にヴォイス・ファクトリイ代表取締役・輪嶋東太郎さん(伊勢谷さんが演じたモデルとなった人)から、ベー・チェチョルさんの病気や手術の説明があり、そして手術をされた一色信彦名誉教授も京都から駆けつけ手術やリハーサルの様子を語られました。現在84歳。
映画のモデルとなった方々が同じ会場にいらっしゃるというのも感慨深いものがあります。
そして、最後には聖路加国際病院名誉院長である日野原重明先生もいらしており舞台に上がられ、先生が作詞作曲されたという「愛のうた」もアカペラで歌われました。その横で立たれたまま聴いていた先生は100歳を過ぎたと思えないほどお元気で、帰り際には杖をぶんぶん振り回しておりましたよ 笑
アンコールでは4曲?ほど歌われましたが、その中でも♪アメイジング・グレイスは心に残りました。
今年最後のコンサート、とてもいい締めくくりになりました。
【曲目】
ヘンデル:オンブラ・マイ・フ、涙の流れるままに
カッチーニ:アヴェ・マリア
山田耕筰:からたちの花
キム・リュンジュン:あの青い山に住まおう
プッチーニ「トスカ」より:“星は輝き”
シューベルト:鱒、セレナーデ、アヴェ・マリア
トスティ:かわいい口元、理想の人、四月
アンコール曲....
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輝く日を仰ぐとき - ベー・チェチョル |
Na Woon Yang,シューベルト,カッチーニ,ベー・チェチョル(テノール),松崎充代(ピアノ) | |
Voice Factory |
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映画 ザ・テノール~真実の物語 オリジナル・サウンドトラック |
キム・ジュンソン,コ・イェジン,チョン・キオム,サルヴァドーレ・カッマラーノ,ナ・イェン・シク | |
ユニバーサル ミュージック |
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