fm797「山村有佳里のミュージック+プラス」第92回放送は
スウェーデン大使館にお勤めの速水望(ハヤミ ナガメ)さんと電話を繋いでお届けしました。
速水望さんは幼少期をスウェーデンで過ごされ、スウェーデンがずっと大好きで、大学でスウェーデン語を専攻し、後に5年間スウェーデンのヨーテボリに留学されたそうです。ヨーテボリはオーケストラのレベルも高く、
海を渡ったところがもうイギリスで、私にとっても思い出深い場所です。
速水さんは2021年に出版された、
カーリ・ロースヴァル「私はカーリ、64歳で生まれた」の翻訳者で、知り合った当初、お互いの著書を読み合った事がきっかけで今では仲良く接してくださっています。
もちろんベースには私もスウェーデンで勉強していた事があるのですが。
この翻訳されたノンフィクションは
ナチスの「レーベンスボルン(生命の泉)」計画によって、生まれた女性が孤児だと思っていたのに就職を機に自分の出自を知ることとなり、恐ろしい歴史との関わりを知る事が出来る作品。
こういう本ってなかなか自分で手に取りにくいとは思うのですが、悲劇の中にもカーリの幸せな人生のパートも描かれています。
内容を踏まえて、速水さんが「戦争で犠牲になるのはいつも女性と子供」と翻訳しながら痛感された事を番組で話していただきました。
この本はまずスウェーデン、スロバキア、スペイン、日本、もちろん英語圏でも出版されていますが、やはり内容がセンシティブなのでノルウェーでは出版されていません。確かにノルウェーにとっては喜ばしくない事実で。
一方で、冒頭、幼少期にスウェーデンで過ごされた時の事を嬉しそうに話される様子が可愛いらしく私も明るい気持ちになりました。
楽曲は本の大事な舞台の一つとなった、ノルウェーの作曲家、エドヴァルド・グリーグ「ソルヴェイグの歌」
ペール・ギュントの中の楽曲のひとつで有名です。
クラシック好きな人はご存知だと思いますが、ソルヴェイグって、たった一回結婚式で
出会ったペール ギュントがいきなり放浪の旅に出て、ずっと待っている、ていう…
しかもまあまあ長い間放置したペールがふらっと帰って来たら、優しく歌ってあげると…
ラジオカフェの若い女子2人に話したら、
「ええ〜!? 待たなくて良いよ、そんな男」「ありえない」
と口々に言っていて、
ペール、現代の日本人女子には君はだいぶ人気ないよ…
再放送は23時から
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http://listenradio.jp/sp/
podcastでもお楽しみいただけます。
ゲストさんご紹介
速水 望(ハヤミ ナガメ)
速水望(はやみ ながめ)
ヨテボリ大学文学部北欧言語学科スウェーデン語専攻修士号取得。
東海大学北欧学科非常勤講師、都内の語学スクールでスウェーデン語講師やスウェーデン語通訳・翻訳者を務めた後、2002年~2016年3月までスウェーデン社会研究所にて主任スウェーデン語講師に就く。
2010年よりSWEDEX(スウェーデン政府認定スウェーデン語能力検定試験)担当官。
2005年からスウェーデン大使館勤務
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