ものすごーいセレブの生活が嫌味なくらい
描かれているのかと思いきや・・・
そうでもありません。
さすが、ビンボー人は皆無ですが(笑)
短篇集です。
だいぶ前に読んだので全体の印象としては
薄れているのですが、
ダントツのオススメは「蒼い猫」
今でもあの時のザワザワした読後感は
はっきりと思いだすことができます。
あえてジャンル分けするならば
ホラーかなあ。。
楽器関係の仕事をバリバリこなす女性が主人公。
ダンナと娘、義母と同居しているが、
家や家族のことは義母にまかせっきりで
ダンナと娘との関係もぎこちなく
家庭内では常に孤立無援状態、3対1。
そこに一匹の美しい蒼い猫がやってくる。
女性にはひどい猫アレルギーがあるので、家族に
飼うのを止めてほしいと頼むが、全く相手にされない。
そこからが面白くて、設定が犬では絶対にムリだろうと
思わせる、お猫様のわがまま気ままにふりまわされる家族。
ラストは主人公と猫ちゃんが親友に!なってしまうという
驚きの展開ですが・・・猫アレルギーはどこにいったんだろう(笑)
この<蒼い猫>というのが、とても暗示的です。
主人公の本音や願望を代弁する存在であり、
自分を認め受け入れてくれる癒しの存在。
柔らかで自由で官能的なこの「蒼い猫」が
とても魅力的で、実は彼女が主人公なのでは・・
と感じたりもする。
猫嫌いな人、猫loveな人、
人間嫌いな方もぜひ一読を~♪
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