私の勤めているクリニックは、様々な患者様が来院されます。
それこそ、頭痛、眩暈、痺れ、意識消失などなど。
患者様やご家族からしてみれば、藁にもすがる思いでいらっしゃる事も重々承知の上で。
後から振り返ると、スタッフみんなが、
「大変だったよね〜」「でも憎めないよね〜」と話すようなそんなエピソードもたくさんあります。
そんな中で、最近のエピソードを一つ。
『お願い、救急車に乗ってください〜』
叫びたくなるような出来事がありました。
てんかんか、認知か?
明らかに指示の入らない高齢の男性。
🧑⚕️「ここに座ってください💦」
👴「……」
無言で立ち上がって、ソワソワと歩き出す。
🧑⚕️「歩きたいんですね〜、ではちょっと歩きましょうか?」
👴「……」
無言で座る。
こんな風に、こちらの指示の真逆をいかれる。
その後も自由に動き回り、まともに検査もできない。
うちはクリニックなので、滅多に鎮静もかけません。
院長指示で総合病院への救急車移送を依頼。
🧑⚕️「さぁ!担架に乗りましょうか?」
👴「……」
無言で別方向へ歩き出す。
しかし看護師の誘導で救急車へ直接乗り込む形に。
🧑⚕️(よし!このまま救急車に乗ってくれれば…)
祈るような気持ちで誘導します。
しかし、何を思ったか、先に乗った看護師をものすごい力で引きずりおろす。
救急車を掴んでグラグラ揺らす
結局、男性救急隊3人がかりで、患者様を救急車の中へ。
大声を上げたり、手を出されることはなかったのが救いでした。
救急車を見送った後は、その場にいたクリニックスタッフ全員で安堵のため息がこぼれました。
総合病院で精査を受けて、落ち着かれたらいいなぁ…。
そんな風に思いながらその日は終業しましたが、後から思い出すと、可愛いおじいちゃんだったなぁ…。
穏やかな状態のお姿を拝見したいと思ったYUKOでした。