木村翔龍 川柳のかけら

気の向くままに5.7.5
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(H25.5.5 ブログタイトル変更)

梅崎流青 句集「飯茶碗」より

2016-05-04 08:54:25 | 17音字の詩(川柳)
打楽器と呼応している春の月
人形の首がスポンと抜ける秋
溺愛の子の草笛の豊かなる
虫を食う虫を育てている街だ

失ったものを教えて牛啼けり
赤子泣く夜店の奥のものがたり
飯茶碗人に貧しい手が二本
身のうちに寄せては返す海がある

土くれの中のいのちと対座する
人間の奥でちろちろ火が燃える
蛍火や会えば傷つく人といる
人の世のからくり石は水に浮く

一つぶの米の重さを手に乗せる
下車をする水の匂いのする街で
釘を打つ今日がどこにも行かぬよう
死化粧の紅は師走の紅葉より

飯茶碗

2016-05-02 10:04:22 | 入選句
まっ白になるまで狂う失意の日  「雑詠」梅崎流青 選
      H28.4.17 第38回 吉野ヶ里川柳大会

身の丈を越えぬ定めの火を燃やす  「火」木本朱夏 選
ふっくらと炊けた 男の独り飯  「飯」森中恵美子 選
飯のある暮らし 光りのある暮らし  「光る」古谷龍太郎 選
ブランコを漕いで地球を裏返す  「漕ぐ」渡辺圭太 選
わたくしのコンチクショウを軒に干す  「干す」柴田美都 選
口ぬぐう度に増えます薔薇の刺  「雑詠」梅崎流青 選
H28.4.24  葦群10周年ならびに梅崎流青第二句集「飯茶碗」発刊記念川柳大会

二つの大会で二つのうれしいことがありました。
吉野ヶ里大会では一句のみの入選でしたが「人」賞をいただいたこと。
葦群大会では、あの野沢省悟さんが青森から私のために「句集60」をお持ちくださり、プレゼントしてくださったこと。
野沢省悟さん、ならびにわたしのこのブログを見てくださったお知り合いの方(ごめんなさい名前をお聞きしましたが、メモを失くしました)ありがとうございました。