打楽器と呼応している春の月
人形の首がスポンと抜ける秋
溺愛の子の草笛の豊かなる
虫を食う虫を育てている街だ
失ったものを教えて牛啼けり
赤子泣く夜店の奥のものがたり
飯茶碗人に貧しい手が二本
身のうちに寄せては返す海がある
土くれの中のいのちと対座する
人間の奥でちろちろ火が燃える
蛍火や会えば傷つく人といる
人の世のからくり石は水に浮く
一つぶの米の重さを手に乗せる
下車をする水の匂いのする街で
釘を打つ今日がどこにも行かぬよう
死化粧の紅は師走の紅葉より
人形の首がスポンと抜ける秋
溺愛の子の草笛の豊かなる
虫を食う虫を育てている街だ
失ったものを教えて牛啼けり
赤子泣く夜店の奥のものがたり
飯茶碗人に貧しい手が二本
身のうちに寄せては返す海がある
土くれの中のいのちと対座する
人間の奥でちろちろ火が燃える
蛍火や会えば傷つく人といる
人の世のからくり石は水に浮く
一つぶの米の重さを手に乗せる
下車をする水の匂いのする街で
釘を打つ今日がどこにも行かぬよう
死化粧の紅は師走の紅葉より