今日の本紹介

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本紹介33「空の中」

2020-12-19 12:07:00 | 日記
自衛隊三部作の二作目!今回は、空軍が主役の物語!
人類にとって突如現れた特異点。そのとき、人類の決断やいかに。人の真価、本性が垣間見え、ぶつかり合う展開は興奮間違いなし!
人は必ず間違う。しかしその間違いを認めることで強くなれるということを、この本を読んで学んだ。
あらゆる要素が融合された、最強のエンタメ小説。

『空の中 (角川文庫)』の感想

全ての人間がなんらかの形で報われていてよかったと思った。多様性のある社会とはこうした特異点を寛容に受け入れることも含まれるのではないかと思った。誰一人完全悪にしない描き方がまたいい。

『空の中 (角川文庫)』 有川浩 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4043898010



本紹介32「掏摸」

2020-12-18 11:15:00 | 日記
中村文則氏の最高傑作!物語はタイトルの通り、人々から物を盗む摺師の悲哀、心の闇がベースとなっている。そしてこの物語の構成は、旧約聖書が元になっている。古来の神話絶対的な存在、運命の下に動く個人、という構図である。
宗教の歴史を交え、運命とは何か、支配とは何かという究極のテーマは格差社会に生きる我々にとって、最早他人事と呼べない。中村文則著書の中でも私はこの小説が大好きです。自分と正面から向き合うことができる小説。

『掏摸(スリ) (河出文庫)』の感想

「その入ってはいけない領域に伸びた指、その指の先端の皮膚に走る、違和感など消え失せる快楽をー。」
これほどかっこよく悲哀を著した文章は他に見たことがない。著者渾身の意欲作。 

『掏摸(スリ) (河出文庫)』 中村文則 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4309412106



本紹介31「塩の街」

2020-12-17 09:44:00 | 日記
有川浩の織りなす自衛隊三部作の一作目!
自衛隊三部作はそれぞれ陸軍、空軍、海軍の自衛隊が活躍するフィクションエンタメ小説である。今作は、塩害(一般的に言う塩害とは異なる、今作では、自身の身体が塩化してしまう奇病のこと)が発生し、文明が半ば崩壊した世界で陸軍が活躍する。
また、恋愛における心情描写が細かく、感情移入しやすい。「秋庭さんに会うためにこんな世界になったんだったら、それがどんなひどい世界でも許容してみせる」などというかっこいい台詞を聞いて私は痺れた。一度でもいいから言われてみたい。
あらゆる要素が詰まったマルチエンタメ小説を是非堪能いただきたく思う。

『塩の街 (角川文庫)』の感想

「塩害」というフィクションから唐突に始まるが、ディテールがしっかりとしていて内容が入ってきやすい。番外編、「塩の街その後」の心情描写が細かく胸打たれた。二人にはどうか安らかな人生を送ってほしいと心から思った。

『塩の街 (角川文庫)』 有川浩 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4043898037


本紹介30「ヴァイオレットエヴァーガーデン 下」

2020-12-16 11:53:00 | 日記
以前紹介したヴァイオレットエヴァーガーデン上の続編❗️ここから、原作オリジナルエピソードが多く収録されている。
しかし大切なことはただ一つ。「必死で生きようとする姿は美しい」ということ。
まだまだ続編は続くが、ここで一つのピリオドを迎える。ヴァイオレットの勇姿を再び見守ってほしい。

『KAエスマ文庫 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下巻』の感想

アニメ未公開エピソード、アニメとは違ったシナリオのエピソードが多数を占めるが、その差異を見つけ、感動するのが楽しくてたまらない。半神のエピソードは、意味のない伝統に縛られていては発展はないという核心とともに宗教にのめり込む人間の狂気、脆弱性を説いていて現実の宗教事件に警鐘を鳴らす意図があったように思った

『KAエスマ文庫 ヴァイオレット・エヴァーガーデン 下巻』 京都アニメーション #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4907064446

本紹介29「スピン」

2020-12-15 14:04:00 | 日記
バスジャックを通して世間に訴えかける少年たちのお話。少年たちと世の中に不満を抱く主人公の座標が交わる時、大切な何かがそこに生まれる。
ネットの功罪と少年たちの未熟な葛藤がテーマのヒューマンストーリー。

『スピン (角川文庫)』の感想

心にトラウマを抱えた少年たちが、バスジャックを起こし、世間に訴えかけるくだり、一所に同乗したキャラがそれに対し思いを馳せるくだりは一貫性があり面白かったが、最後の陰謀論オチはなんだか釈然としなかった。少年たちの幼さが助長された構図と捉えれば納得がいくが、それまでの過程に価値を見出していた私はそれが否定されたようで納得がいかなかった。

『スピン (角川文庫)』 山田悠介 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4043792093