今日の本紹介

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本紹介38「クララ殺し」

2020-12-27 17:24:00 | 日記
以前紹介した「アリス殺し」の正統続編。今回は童話「アルプスの少女ハイジ」がモチーフとなっている。
現実では決して起こり得ない事象やトリックがここでは当たり前に起きる。それが読者の頭を捻らせる。これを読めば、多少の人間不信に陥るかもしれない。
童話×ミステリーの織りなす世界観を体験できるのはここだけ!是非読んで見てください。

『クララ殺し (創元推理文庫)』 小林泰三 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/448842015X

本紹介37「ブラック」

2020-12-26 13:35:00 | 日記
事故で未来を奪われた野球少年に、勇気を与えようと奮起する老プロ野球選手。不治の病で隔離された少年たちが、長年寄付を続ける謎の男に託す想い。そして、迫害されていた自分たちに、唯一手を差し伸べてくれた少女への恩返し。追い詰められた彼らは、最期の想いを遂げられるのか!絶望の中で生きる意味を問う、命と絆の感動ストーリー!

時代や生物に関係無く、生きる意味を懸命に探すお話。生物はいつか必ず死ぬ。だからこそ、生きている我々は、今この時を大事に生きなければならない。それを改めて教えてくれた作品。
また、人は何気ない言動で救われたり、逆に傷ついたりする。ならば少しでも他者に思いやりを持って生活したいものである。

『【文庫】 ブラック (文芸社文庫)』 山田悠介 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4286161072

本紹介36「今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います」

2020-12-22 13:47:00 | 日記
労働組合法制定記念日にちなんでの本紹介。パワハラ、セクハラ、マタハラなど、上司からの様々な嫌がらせに耐える子羊に向けて放たれた一縷の光とも言える小説。
世の中には他者を好き勝手に食い物にして横暴をはたらいている輩が少なからず存在する。そういった現実を教えてくれる社会の入門書でもある。
日当たりを歩んできた理想論者には少々酷かもしれないが。
「世の中は、お前が思っている以上によっぽど残酷なんだ」
テレビドラマ「家族ゲーム」の主人公.吉本荒野の名言。それを如実に表していると言えるだろう。
だからこそ自分自身が強くなり、立ち向かうしかない。人の姿をした悪魔に搾取されないためにも。

『今日は天気がいいので上司を撲殺しようと思います (集英社オレンジ文庫)』の感想

勧善懲悪がベースとなっている。オチはなんとなく想像できるが、早く懲悪されてほしいがために、痛感さを求めるがためにストレス無く読み進められる。
しかし、世の中にはこのような悪党がいるのかと疑ってしまうくらいのクズっぷりを発揮する豚野郎共。天気が悪くても〇〇したくなるかもしれない。

#ブクログ

https://booklog.jp/users/c97ff94f00be121e/archives/1/4086802341

僕紹介35「闇に香る嘘」

2020-12-21 15:51:00 | 日記
12月21日は冬至の日。つまり日照時間が一年で一番短い日。それにちなんで真っ暗な話を紹介。
全盲の老人が主人公。あらすじはこちらを参照
『闇に香る嘘 (講談社文庫)』 下村敦史 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/4062934825

この物語のタイトルは、全盲という文字通り真っ暗な状態と過酷な人生と家族を疑う悲しみを真っ暗闇と表しかけている。
そしてこれは、過去と対峙し、決別する儀式の物語である。
真っ暗な闇が続くが、リアルタイムの恐怖体験は読んでいる手が止まらなくなること間違いなし。
是非最後まで読んでほしい。




『闇に香る嘘 (講談社文庫)』の感想

じわじわと襲ってくる恐怖感がリアルだった。自分が全盲になって生きている気にさせる文体であった。悲しみの連鎖の果てに救いがあったことで闇に香る嘘の中にも光はあることを教えてくれたような気がした。

#ブクログ
https://booklog.jp/users/c97ff94f00be121e/archives/1/4062934825

本紹介34「自殺予定日」

2020-12-20 13:47:00 | 日記
イヤミス界にて一二を争う言葉の魔術師、秋吉理香子さんの名作!
父を殺した継母を追求するミステリーだが、とにかく伏線が豊富で惑わされっぱなし。また、ただの謎解きだけではなく、主人公の人間的成長という過程も今作の大きなテーマである。
私はこれを読み、世界の見え方は自分次第でいくらでも変わるという素晴らしい教訓を学んだ。
是非読んで頂きたいです!



『自殺予定日 (創元推理文庫)』の感想

伏線が豊富で飽きずに読めた。風水が好きなど、主人公や登場人物を立体化する術がたくさんある方なのだと思った。幽霊として騙す展開は嫌いではないが無理があるかもと感じた。しかし総じて面白かった。

『自殺予定日 (創元推理文庫)』 秋吉理香子 #ブクログ
https://booklog.jp/item/1/448841821X