https://www.amazon.co.jp/dp/B00HECPNG8/ref%3Dcm_sw_r_tw_dp_x_oW7XFbWH847G2
読了しました。
釣り好きならぐっとくる本だと思います。
子どもの頃のルアー釣り。そして川マスとの出会い。故郷を離れた生活の中での故郷の川の再発見。その故郷で進む長良川河口堰の建設。長良川の川マスを追う釣行は河口堰の完成で終わる。読んでいてすごく切なくなりました。
筆者の抱いていた(あるいは抱いている)長良川の川マスへの思いは、同じように長良川の川マスを追っている他の釣り人が抱いている思いと、どれくらい違うのだろうか(あるいはどれくらい同じなのだろうか)? 自分には、長良川の川マスを追っている釣り人の知り合いはいない。だからわからない。
この著作を読んで想像するしかできないのだけども、著者が長良川の川マスに対して抱いていた(あるいは抱いている)思いは、他の釣り人とは少し違うように思えた。少なくとも、思いを同じくするような釣り人は、この著作の中には登場しない。自分には、長良川の川マスを追う著者が、孤独に感じられた。
長良川の川マスを追うことで、著者は著者なりに長良川河口堰の問題にかかわっているように見えた。そしてそれは、前述した理由から、孤独な作業に見えた。その孤独が、著者の長良川の川マスに対する思いを、より一層強いものとして印象付ける。
その思いも届かず、いや届くことなど目指していなかったのかも知れないが、やがて河口堰は完成し、ゲートは閉ざされる。そして著者の、長良川の川マスを追い求める釣行も終わりを迎える。孤独、強い思い、そして無力感。それらが合わさってやり切れない思いを感じる作品でした。ぐっときました。
※この記事は2020年7月11日に Twitter に投稿したつぶやきに加筆修正して再構成したものです。
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