【羽生結弦、語る フリー編(1)】4回転半「ループとは比べものにならないくらい体力消耗」
2021年12月26日 23:39
【フィギュアスケート全日本選手権最終日 ( 2021年12月26日 さいたまスーパーアリーナ )】 男子フリーが行われ、14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)が211・05点をマーク。合計322・36点で2年連続6度目の優勝を飾り、22年北京五輪の代表に決まった。
【羽生結弦、語る フリー編(1)】
――フリーを振り返って
「疲れました。あの、ただ4A込みで、えー、通す練習、まあ完全な通しではないですけど、えー、昨年同様の練習がある程度まで、まあ自分の中では6割程度、60%くらいので達成度で練習はできてこられてはいたので、なんとかもったかなっていうような印象です。ただ、やっぱり、ループとは比べものにならないくらい、体力の消耗はありました」
――初めて4回転アクセルに挑戦した
「まあ今日の朝の練習で、まあ自分の中では、回せることを期待はしていなくて。とにかく、本番が一番大事なので。本番に回しきれるようにって思って練習はしていました。ただ、あまりにも跳べなさすぎて。若干、失望してて。あの、本番いくまでにかなり精神がグジャグジャになってたんですけど。まあ、そういうとこも含めて、やっぱり4回転半、まだ自分自身が成功しきれてないジャンプを本番で使用するっていうのは、うーん、そういうことも含めて難しいんだなっていうのを、改めて感じさせてもらえたなって思います」
「まあ今日の朝の練習で、まあ自分の中では、回せることを期待はしていなくて。とにかく、本番が一番大事なので。本番に回しきれるようにって思って練習はしていました。ただ、あまりにも跳べなさすぎて。若干、失望してて。あの、本番いくまでにかなり精神がグジャグジャになってたんですけど。まあ、そういうとこも含めて、やっぱり4回転半、まだ自分自身が成功しきれてないジャンプを本番で使用するっていうのは、うーん、そういうことも含めて難しいんだなっていうのを、改めて感じさせてもらえたなって思います」
――今回の4回転半の出来は
「まあ、頑張ったなって感じです。あの、初日のあのアクセルを、皆さん初日で見ていて、『あ、羽生、めちゃくちゃアクセル上手になったじゃん』って思われたと思うんですけど。あれができるようになったのが、ほんとまだ、ここ2週間くらいなんですね。それまではずっと、ぶっ飛ばして跳んでて、軸がつくれなくて、回転ももっともっと足りなくて。何回も何回も体を打ちつけて、ほんとに死ににいくようなジャンプをずっーとしてたんですけど。なんか、やっとああいうふうになり始めて。でも、それが毎日できるわけじゃないんですね。だから、みなさんが、みなさんの中で『これは跳べるんじゃないか』みたいな感じで思っていただけたと思うんですけど、正直結構まだいっぱいいっぱいです、あそこまででも。軸をつくるっていうことが、どれだけ大変なのかっていうことと、で、その軸をつくりきれる自信ができて、それからその100%で回しきるっていうことをやっていかないとダメなので。まあ、試合の中であれだけできたら、まだ今の自分にとっては、妥協できるところにいるんじゃないかなとは思います。悔しいですけどね」
「まあ、頑張ったなって感じです。あの、初日のあのアクセルを、皆さん初日で見ていて、『あ、羽生、めちゃくちゃアクセル上手になったじゃん』って思われたと思うんですけど。あれができるようになったのが、ほんとまだ、ここ2週間くらいなんですね。それまではずっと、ぶっ飛ばして跳んでて、軸がつくれなくて、回転ももっともっと足りなくて。何回も何回も体を打ちつけて、ほんとに死ににいくようなジャンプをずっーとしてたんですけど。なんか、やっとああいうふうになり始めて。でも、それが毎日できるわけじゃないんですね。だから、みなさんが、みなさんの中で『これは跳べるんじゃないか』みたいな感じで思っていただけたと思うんですけど、正直結構まだいっぱいいっぱいです、あそこまででも。軸をつくるっていうことが、どれだけ大変なのかっていうことと、で、その軸をつくりきれる自信ができて、それからその100%で回しきるっていうことをやっていかないとダメなので。まあ、試合の中であれだけできたら、まだ今の自分にとっては、妥協できるところにいるんじゃないかなとは思います。悔しいですけどね」
――五輪でも挑戦は続けるのか
「正直言っちゃうと、NHK杯前に、これよりももっと悪い出来でしたけど、やっと立てるようになったのがNHK前で。で、立てたなと思ったら次の次の日あたりに捻挫して。で、捻挫したらストレスとかいろいろ溜まって、食道炎になって熱が出てみたいなのがいろいろあって。1カ月全然、何もできなかったんですけど。その時点で、辞めちゃおうかなと思ったんですよ。ここまで来られたし。形になったし。こけなくなったしなって思って。だから、あの、この全日本に来るまでも、まあNHK杯よりもうまくなってしまってしまいましたけど、なんて言えばいいんですかね。正直、これで良いんじゃないかなと思ったんですよね、自分の中で。これで辞めても良いかなって」
「正直言っちゃうと、NHK杯前に、これよりももっと悪い出来でしたけど、やっと立てるようになったのがNHK前で。で、立てたなと思ったら次の次の日あたりに捻挫して。で、捻挫したらストレスとかいろいろ溜まって、食道炎になって熱が出てみたいなのがいろいろあって。1カ月全然、何もできなかったんですけど。その時点で、辞めちゃおうかなと思ったんですよ。ここまで来られたし。形になったし。こけなくなったしなって思って。だから、あの、この全日本に来るまでも、まあNHK杯よりもうまくなってしまってしまいましたけど、なんて言えばいいんですかね。正直、これで良いんじゃないかなと思ったんですよね、自分の中で。これで辞めても良いかなって」
「あの、すごくみなさんに『羽生さんにしかできないですよ』とか『羽生ならできるよ』と言ってもらえるのは、すごくうれしいんですけど、自分の中ですごく限界を感じたんですよね。だからもう、これでいいじゃんと思ったんですけど。すごい悩んで悩んで苦しんで。もうちょっとだけ、せっかくここまで来たんだったら、やっぱ『降りたい』って言っている自分がいるんで。まあ、めちゃくちゃみなさんに迷惑かけるかもしれないですけど、もうちょっとだけ頑張ります」
【羽生結弦、語る フリー編(2)】練習方法を確立「ちょっとずつ実になってきた」
【フィギュアスケート全日本選手権最終日 ( 2021年12月26日 さいたまスーパーアリーナ )】 男子フリーが行われ、14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)が211・05点をマーク。合計322・36点で2年連続6度目の優勝を飾り、22年北京五輪の代表に決まった。
【羽生結弦、語る フリー編(2)】
――2週間前までぶっ飛ばしていて、ここまで来るのにきっかけがあったのか
「練習方法がちょっとずつ確立されてきて、自分の中で。で、何か、このためにはこの練習するべきなんだなとか、このためにはこの練習をすべきなんだなっていうのが、いろいろできてきて。やっと、その子たちがちょっとずつ実になってきたって感じですね。やっぱり、分かったといって、ぱっとやってそれができるわけではないので。やっぱり3Aとはまったく違いますし。もっともっと積み重ねていかないといけないなって、これからも思っています」
――2週間前までぶっ飛ばしていて、ここまで来るのにきっかけがあったのか
「練習方法がちょっとずつ確立されてきて、自分の中で。で、何か、このためにはこの練習するべきなんだなとか、このためにはこの練習をすべきなんだなっていうのが、いろいろできてきて。やっと、その子たちがちょっとずつ実になってきたって感じですね。やっぱり、分かったといって、ぱっとやってそれができるわけではないので。やっぱり3Aとはまったく違いますし。もっともっと積み重ねていかないといけないなって、これからも思っています」
――辞めちゃおうと思ってから、ここまで戻ってくるきっかけは
「長くなりますけど、大丈夫ですか?短めに?まあ正直、自分の中でも結構焦っていて。早く跳ばないと体どんどん衰えていくのも分かりますし。ただ、うん、自分が設定した期限よりも明らかに遅れていっているので。何でこんなに跳べないんだろうっていう苦しさはあるんですけど。まあ、そういう意味での苦しさと、自分の中でなんか、こんなにやっているのにできないのに、やる必要あるのかなみたいな。なんか諦めみたいなものとか、だいぶ出たんですけど。やっぱり全日本に来る最後の日の練習で本気で締めて、『q』判定されるようなところで、4発くらいこけてて。で、その時にいろいろ考えた結果、この全日本では辞められないな。せっかくここまで来たんだったら、みんなの夢だから、みなさんが僕に懸けてくれている夢だから、みなさんのために、自分のためにももちろんあるんですけど、みなさんのためにも、かなえてあげたいなって思いました」
「長くなりますけど、大丈夫ですか?短めに?まあ正直、自分の中でも結構焦っていて。早く跳ばないと体どんどん衰えていくのも分かりますし。ただ、うん、自分が設定した期限よりも明らかに遅れていっているので。何でこんなに跳べないんだろうっていう苦しさはあるんですけど。まあ、そういう意味での苦しさと、自分の中でなんか、こんなにやっているのにできないのに、やる必要あるのかなみたいな。なんか諦めみたいなものとか、だいぶ出たんですけど。やっぱり全日本に来る最後の日の練習で本気で締めて、『q』判定されるようなところで、4発くらいこけてて。で、その時にいろいろ考えた結果、この全日本では辞められないな。せっかくここまで来たんだったら、みんなの夢だから、みなさんが僕に懸けてくれている夢だから、みなさんのために、自分のためにももちろんあるんですけど、みなさんのためにも、かなえてあげたいなって思いました」
――死ににいくような練習とは、今はどれくらいの本数を跳んでいるのか
「どれくらい跳んでいるんですかね。自分で考えたことないですけど。でも、1日に今、本数制限はしています。ただ、4回転半にトライするという本数制限をしているだけで、4回転半に行き着くためのトリプルアクセルだったり、シングルアクセルだったりっていう、まあ今回公式練習で何度かやってましたけど。ああいう練習をひたすら、何十本もやっています。あとはそうですね、えっと、何か、精神的にっていうことが強いですけど、誰も跳んだことないんですよ。で、誰もできる気がしないと言っているんですよ。それをできるようにするまでの過程って、ほんとにひたすら暗闇を歩いているだけなんですよ。だから、毎回、頭打って、脳しんとうで倒れて死んじゃうんじゃないかとかって思いながら練習はしていました、はい。(取材の順番を待っていた宇野に)昌磨、ごめんね」
「どれくらい跳んでいるんですかね。自分で考えたことないですけど。でも、1日に今、本数制限はしています。ただ、4回転半にトライするという本数制限をしているだけで、4回転半に行き着くためのトリプルアクセルだったり、シングルアクセルだったりっていう、まあ今回公式練習で何度かやってましたけど。ああいう練習をひたすら、何十本もやっています。あとはそうですね、えっと、何か、精神的にっていうことが強いですけど、誰も跳んだことないんですよ。で、誰もできる気がしないと言っているんですよ。それをできるようにするまでの過程って、ほんとにひたすら暗闇を歩いているだけなんですよ。だから、毎回、頭打って、脳しんとうで倒れて死んじゃうんじゃないかとかって思いながら練習はしていました、はい。(取材の順番を待っていた宇野に)昌磨、ごめんね」
4Aに挑む難しさは
そして肉体的にも精神的にも、
想像を絶するような中で、
なぜあんなにも結弦くんは美しいのだろう。
ましてや、挑戦する度に輝いている。
いつも肌が明るく、
冴え冴え生き生きしている。
一体どうして辛さや苦しさが顔に出ないのだろう?
挑戦する楽しさを見つけた結弦くんほど
キラキラと輝きを増している。
読んでいただいてありがとうございました。
*画像は感謝してお借りしました。