公式練習ドキュメント *スポニチさんより*
羽生結弦、4回転半成功へ「今日やるべきことはやれた」着氷間近の好ジャンプ披露
【フィギュアスケート全日本選手権第1日 ( 2021年12月23日 さいたまスーパーアリーナ )】 男子で14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)が公式練習で調整。練習終盤にクワッドアクセル(4回転半ジャンプ)に挑み、惜しいジャンプを見せた。
【羽生結弦 2021年12月23日公式練習ドキュメント】
▽13:05 白のANAジャージーを着てリンクサイドに姿を見せる。左足からリンクイン。関係者がプーさんのティッシュカバーをフェンスに設置する。
▽13:06 滑り始める。手袋を装着。会場を見渡し、指さす。
▽13:07 軽くジャンプ。3回転ループを跳ぶ。1回転ルッツ―オイラー―3回転サルコー。
▽13:08 4回転トーループを決める。観客から拍手。
▽13:09 4回転トーループ―オイラー―3回転サルコーを決める。その後もジャンプ動作を確認する。
▽13:10 両手を腰に当てて、うなずく。サルコーは2回転に。
▽13:11 ドリンクを口に含む。フリー曲「天と地と」が流れる。冒頭、トリプルアクセルを決める。
▽13:12 4回転サルコー、トリプルアクセル―2回転トーループ、3回転ループを跳ぶ。
▽13:13 トーループの4―3回転を決める。
▽13:14 手袋を外す。
▽13:15 リンクサイドへ。曲が終わる。
▽13:16 ドリンクを口に含む
▽13:17 再び滑り始める。
▽13:18 リンク内を指さし確認。両手を腰に当てて、何やら思案にふける。
▽13:19 トリプルアクセルを決める。
▽13:20 4回転サルコーを跳ぶ。振り付けを確認する。トーループの4―3回転は後ろのジャンプでよろけて、ゆっくりと転倒。
▽13:21 踏み切り動作を確認してうなずく。
▽13:22 リンクを漂う。
▽13:23 リンクサイドへ。ドリンクを口に含む。動きながら下を見て、氷の感触を確かめる。
▽13:24 再び滑り始める。3回転ループを跳び、その後にまた3回転ループ。
▽13:25 トリプルアクセル―オイラー―オイラー―3回転ループを跳ぶ。
▽13:26 トリプルアクセル―3回転ループのループで転倒。
▽13:27 トリプルアクセル―3回転ループを決める。ドリンクを飲む。
▽13:28 トリプルアクセル―3回転ループでループが両足着氷。
▽13:30 踏み切り動作を確認してうなずく。
▽13:31 アクセルの回転が抜ける。地上で脇を締めて、軸を確認。
▽13:32 アクセルの確認。その後、ゆっくり滑る。
▽13:33 トリプルアクセルは転倒。
▽13:34 アクセルを確認。
▽13:35 4回転半は両足着氷。
▽13:36 4回転半は両足着氷。片足で立ったイメージでアピールし、ぴょんぴょんはねる。観客は拍手を送る。
▽13:38 アクセルの回転が抜ける。
▽13:39 4回転半は惜しいジャンプ。
▽13:40 公式練習が終了。
▽13:41 リンクを離れる。
▽13:57 オンライン取材が始まる。
▽14:08 「ありがとうございました~、また本番お願いします」と話し、取材が終了。
結弦くんのインタビューより
【羽生結弦、語る 公式練習編(1)】4回転半成功へ「望みを捨てずに、諦めずに」
【フィギュアスケート全日本選手権第1日 ( 2021年12月23日 さいたまスーパーアリーナ )】 男子で14年ソチ、18年平昌と五輪連覇の羽生結弦(ANA)が、午後1時5分からの公式練習で調整し、オンラインで取材に応じた。ショートプログラム(SP)は24日、フリーは26日に行われる。
【羽生結弦、語る(1)】
――4回転半に着氷(後で本人が回転不足、両足着氷と説明)していたが、手応えは
「いやあ、ほんと、まあ、今日は自分の中で軸作りが一番大事だと思ってたんで。あの、回転はそんなかけてないです。なので、まあ、あの、今日やるべきことは、やれたかなっていう。まあ、なんかいつも言ってますけど、今日やるべきことを、やってたなっていうくらいの感触です。まだ、自分の中では回転を、あの10割でかけている状態ではないので。あの、とにかく、今日は氷の感触を確かめながら、とりあえず、この氷でしっかり軸をつくるってことを試していました」
――これまでの練習では4回転半はどうだったか
「えっとー、まあ、あんな感じの着氷になる場合と、あれは軸がうまくいったパターンで。あともう一個は、あの、回転を10割で、まあ10割っていうか、11割というか。そんなぐらいの力で回して、まあ、アンダー、ぎり1/4足んないかな、『q』がつくかなっていうくらいのアクセルでこけるみたいなことはあります。やっぱり、ちょっとまだ、練習の段階では両方とも両立したものはちょっと、やっぱ難しいです、はい」
――練習ではクリーンな成功は
「そうですね、ないですね、はい」
――北京五輪への思いは
「うれしそう、ふふふふふっ。えっと、まあ、正直言って、一昨日の段階で、えー、アクセルが決められなかったら、もうオリンピックまで、頑張るしかないのかなとかって思いながらやってました。あの、ほんとは、自分の中で、これくらいのアクセルでもいいんじゃないかっていう思いもありますし。まあ、形として、あの、まあ、なんですかね。まあ、クリーンな判定ではないと思いますし、GOEもプラスつかないかもしれないですけど、でも形として4Aにはなってるんで。だから、『まあ、よく頑張ったんじゃない?』って。もう、4Aに向かって3年、まあ特にここの2年間ですかね、かなり練習をして、向き合ってきた中で、このくらいなので。だから、『もういいんじゃない?』っていうふうに思う気持ちもあるんですけど。でも、最後の練習の時になんか、ぎりぎりまで踏ん張って1時間半くらいずっとアクセルを跳んだ上で、跳べなかった時に、ああせっかくここまで来たのになっていう思いと、疲れたなって思いと、いろいろぐちゃぐちゃになりながら、いや、でも、やっぱり、うーん。なんか、僕だけのジャンプじゃないなっていう。まあ、僕、跳ぶのは僕なんですけど。結局、言い出したのも僕なんですけど。でも、皆さんが、僕にしかできないって言ってくださるのであれば、それを全うするのが、なんか僕の使命なのかなって思いました」
――目指すでいいのか
「うんとー、まあ、わかんないっすよ。ここで、ここで降りちゃったら、満足するのかもしれないですし。それは諦めてはないんです。ここで降りることを自体を。だから、今日も、今日、今日できること、今日やるべきことを積み重ねたと思ってますし。また、明日、明日はショートなんで、アクセルの練習をする気はないですけど。また、あの、ショートの後の日の練習だとか、フリーの当日だとか、本番で降りるかもしれないですし。望みを捨てずに、諦めずに、しっかりやっていきたいなとは思います。ただ、延長線上に北京はあるかもしれないなっていうことを腹をくくって、ここまで来ました。はい」
【羽生結弦、語る 公式練習編(2)】状態に不安なし「右足の捻挫に関しては知り尽くしている」
【羽生結弦、語る(2)】
――最後の4回転半は両足で、回転も若干足りなかったという解釈でいいのか。4回転半はフリーでやるのか
「はい。えっと、両方とも、えっと、答えは『はい』です。えー、そうですね、回転も自分の中で感触的に足りないですし。あの、まあ両足でしっかり軸を作りながら降りてきてるっていうような感じはあります。あの、ただ、まあ先ほども、えー、先ほどの質問にもあったように、やっぱり、今日は回転をかける日ではなかったので。自分の中では。だから、あれでOKだなっていうふうに思ってます。あの、あとは、えっとフリーでまあ、あの入り方、今日ちょっと曲が違って、提出した音源がちょっと違ってて後半途中でやめちゃったんですけど。なんですけど、まあでも、あの、まあ前半あの入り方で、アクセル入れてっていうような形にしたいと思っています」
――今日、アクセルに入る時、スピードを若干落として入っていたか。つかんだコツなどはあるか
「まあ、結局、軸取れないと回転も早くならないので。あの、まあ、もちろん、いろんな戦略はあるんですけど。あの、ただガムシャラにぶん回して跳べるんであれば、もう、たぶん、去年のうちに降りてると思うので。いろんなことを考えて、まあ、なんですかね、詳しく話しても、たぶん伝わりきらないんで、どうしようもないんですけど。でも、あの、意図としてはまず、ちゃんと軸を作る。で、軸がちゃんと早く作れれば、回転も早く回れるっていうような意味で、あの、前よりは落としてます。はい」
――右足首に不安はない?
「そうですね。はい」
――SPは何にするのか、選んだ理由は。怪我した状況や経過は
「えっと、えっと~、何から話せばいいのかな。あ、ショートからですね。ショートの選曲の理由は、まずかなり悩んで。えっと、自分でも言ったことを覚えてなかったんですけど、あの、前回、前々回ですかね、四大陸選手権で優勝させていただいた時に、バラードに戻した時にも言っていたみたいなんですけど、ピアノ曲をすごく探してきて。で、自分の中で羽生結弦っぽい表現、羽生結弦でしかできない表現のあるショートプログラムがどんなものがあるのかなと思ってずっと探していました。で、なかなかやっぱり見つけられなくて。これだなって気持ちが踊るようなものがなかなか見つからずに、そのうちに自分が昔からやりたいなと思っていた『ロンド・カプリチオーソ』って曲がちょっと出てきて。で、その中で『これ滑りたいな』と思うのであれば、ピアノのバージョンで滑ったら、より自分らしくなるかなって思って。で、また、その、ただピアノの普通の既存のバージョンでやるのではなくて、えー、僕がその、先シーズン、すごい心が折れてつらかった時期に、えー、滑らせていただいて、ほんとに生きる活力と滑る活力をいただいた清塚さんのピアノにしたら、もっと自分も気持ち良く滑れるのではないか、もっと気持ち良く、気持ちを込めて滑ることができるんじゃないかなっていうふうに思ったので、清塚さんに頼んで、作曲してもらって。作曲っていうか、編曲してもらって。で、オリジナルのバージョンを作っていただきました」
「で、足首は、えっと、フリーのえー、通し練習かな。フリーの頭からやった通し練習の時にアクセル、4回転半のアクセルをやって、で、そのまま次のサルコーにいった時に、あの、エッジが氷に絡まってってしまって。ちょうど、エッジを研磨してもらったばっかだったんですよ。で、感覚違うなって思いながらやってたんですけど。あの、まあしょうがないと思ってやってて、あの、ほんとにエッジが氷にとられてしまって、本当だったら抜けるはずだったんだけど抜けなくて、バキッっていきました。だから、直接的な要因はサルコーなんですけど、ただ、あの、単純に単発のサルコーを跳ぶんだったら問題はなくて。やっぱり、4Aっていうものをやったっていうことと、プラスアルファ、エッジのメンテナンスをちゃんとしきれなかったっていうか。あの、そんな感じで。結果的に捻挫になってしまいました」
「まあ、あの、経過はなんて言えばいいのかな。まあ、捻挫をすごいもう、右足の捻挫に関しては知り尽くしているので、どうやったら早く治せるかっていうことをひたすら考えつつ、加圧のトレーニングというか、加圧で、まあ治療促進したりとか、あとは超音波使ったりとか。低周波使ったりとか、いろいろやりながら、まあ、仙台でできることは自分の中では限られてはいるので、そうやって治していきました。はい。ありがとうございます。すみません、長くなっちゃって」
「ありがとうございました~、また本番お願いします」
※その後の代表者による確認作業で
――北京は目指す明言でいいのか
「腹くくった。覚悟はしたよって感じですかね、自分の中で。目指す明言で。うん」
読んでいただいてありがとうございました。
*画像は感謝してお借りしました。