IS、石油収入減少=5月の急襲転機―米高官
時事通信 12月16日(水)9時34分配信
【ワシントン時事】米政府高官は15日、過激派組織「イスラム国」(IS)の石油密売収入について、空爆の結果、1日150万ドル(約1億8000万円)という従来の推計より減少したとの見方を示した。
高官によれば、IS幹部を狙った5月の急襲作戦で「膨大な情報」を入手し、効果的な空爆が可能になった。
高官は記者団に、米軍は当初、移動式の製油施設や油井の坑口に取り付ける装置を空爆したが、一時的な効果しか得られなかったと説明。米特殊部隊が5月にシリアでISの石油密売を統括するアブ・サヤフ幹部を急襲したことが転機となり、重要な目標を見極められるようになったという。
原油価格 一部の銘柄は1バレル20ドル近くまで値下がりか
© AFP 2015/ Sergey Bobok
2015年12月15日 18:55短縮 URL
今のところ、WTIやBrent,といった硫黄分が少なくガソリンを多く取り出せる高品質な原油銘柄は、1バレル35–37ドルで下げ止まりしているが、メキシコやカナダ、イラク産の原油など安価な銘柄は、すでに大分以前から1バレル30ドルを割り込み、20ドルに近づいている。専門家の指摘では「そうなると、原油の採掘は採算が合わなくなる」との事だ。
ブルームバーグ通信によれば、現在メキシコ原油(Mexican mix)は、ここ11年間で最低の1バレル=28ドル以下となり、イラク原油(Iraq Basrah Heavy)は25ドル程度、カナダ原油(Western Canada Select)に至っては22ドルを下回った。
コンサルティング会社KBC Advanced Technologiesの主任コンサルタント、エサン・ウル-ハク氏がブルームバーグ通信記者に述べたところでは「現在、世界の原油採掘の三分の一以上が、利益の無い状態で、カナダの生産者などは、運営コストをカバーするのに四苦八苦の状態だ」。