画期的な方法です。手のひらに黒点を付ける事で、家庭内暴力に気付いてもらう。
介護施設でも利用者さんに対して、虐めや虐待を繰り返す事件が後を絶たないですが、虐め・虐待の現場を押さえる為に、利用者さんの身内がビデオを設置し、その動画が元で事件が発覚した報道を見ましたが、社会の膿が、弱い立場の人にくるような社会は、健全ではありません。社会が不安定化する事によって、人の気持ちも荒み、人を傷つけてもあまり痛みを感じず、自分本位の秩序が乱れた社会になります。人を幸せにするのが政治です。政治がシッカリしていれば、精神的に満たされた社会が構築出来、マイナス要因の少ない社会生活が営めます。
手のひらに黒の点をつけることで家庭内暴力に気が付いてもらう。「ブラックドットキャンペーン」
これまでは恐怖から助けを求めることすらできなかった被害者たちを支援するべく静かなる運動が始まっている。「ブラックドットキャンペーン」と呼ばれるこの静かな運動は、ドメスティック・バイオレンスの被害者が、あえて声をあげなくても助けを求めることができるものだ。
被害者自身が、手のひらに簡単な黒い点をつけるだけ。助けてくれるかもしれない人に無言で被害にあっていることを訴えることができる。
この運動はもっとも攻撃を受けやすい弱い立場にあるDV被害者を助けるものだ。手のひらにただ黒い点を描くことによって、この人は、助けを必要としているのに声をあげられない犠牲者だと、DV専門機関、家族、友人、地域のコミュニティセンター、医者、病院が気づくことが可能になる。
この運動は、肉体的、精神的、性的虐待を受けた、自らがDV体験者のダニエル・トレジェットが立ち上げた。彼女は、この運動が、助けを求めたくても声をあげられずに苦しんでいる多くの人たちを助ける力になったらという。
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「相談できる人が誰もいなくて、私自身とても孤独を感じた。幸いなことに、私は抜け出すことができたけれど、多くの人は違う」
トレジェットと同じ体験をした人たちは、この運動を歓迎しているが、安全性についていくつか問題も浮上している。特に、暴力をふるっている側がこのブラックドットの意味に気づいてしまったら、どうなるのかということだ。
ゾーイ・ハモンドはこうコメントした。「これがどういう助けになるのだろうか? 暴力をふるっている張本人もこのドットの意味を知っていたら、そして、犠牲者の手のひらにこのドットを見つけてしまったら、事態はますます悪くならないだろうか?」
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その意見に対して、トレジェットはこう返信している。「こうした状況で、"助ける"という考えは、どれも危険をはらんでいるもの。だから、支えるための新たな方法をいくつも考え続けなくてはならない。ブラックドットは支援の唯一の方法ではないが、誰かひとりでも助けられるかもしれない。DVはケースによってそれぞれ違うので、暴力を振るう側の行動もそれぞれ違う。ただひとつ、"相手を意のままにする"ということだけは共通している」
トレジェットは、確かに犠牲者を危険に陥れてしまう可能性はあると、理解を示しながらも続ける。「犠牲者は暴力をふるう者のことを知っていて、暴力の引き金がなにか、なにが安全で、なにが安全でないのかを知っている」
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「恐怖に苛まれ、恥だと感じ、子どもが巻き込まれた場合、どうなるのかわからないという不安から、多くは声に出して助けを求めることができない。DV被害が現在のことでも、過去のことであっても、あなたが愚かだとか、間違った選択をしたということではない。この運動はすでにたくさんの人を救っているし、継続的に支えてくれているすべての人に感謝している」
ウーマンズ・エイドの理事長ポリー・ニートは、虐待を訴えたい犠牲者が使える選択肢がいくつもあることは有益だと語る。
「DV被害者が声をあげることはとても難しいことだし、危険でもある。暴力をふるってくる相手がなにをするかわからない恐怖、他人に信じてもらえない恐怖があるからだ。しかし、DVの認知度が上がり、取り巻く環境は劇的に変わっているので、ブラックドットのような運動は、被害者が虐待を通報するための選択肢のひとつになり、助けになる」
しかし、同時にこれは被害者を危うくする危険性もあることを認めざるをえない。もし、暴力をふるっている張本人が、ブラックドットの意味に気づいたら、とてもまずい。
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暴力者の多くはすぐそばで被害者をこと細かに観察しているものだ。少しでもパートナーに恐怖を感じるようなことがあったら、すぐにでも公共機関に連絡することが妥当なのだが・・・
DVが女性ばかりとは限らない。男性も受けている場合がある。特に女性から男性への暴力は気が付きにくいものだ。
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創始者のトレジェットは、ブラックドットの運動がDVをめぐる議論を活発化させていることは喜ばしいことだと言っている。人々がDVについて話し、ネットで投稿をシェアしたりするほど、世間の目をこの問題に向けることができるからだ。2日間で150万人の人がこの問題に目を留めたという。支援機関に通報する勇気のない人を助け、DVに対する世間の意識を高めることがこの運動の目的なのだ。