
凛とした孤高の人…

https://t.co/ynFPg1ZRzT 小津安二郎監督の「東京物語」など名作映画で知られ、神秘的な美しさと気高さで女優として活躍した原節子(はら・せつこ)さんが9月5日、肺炎のため95歳で亡くなっていたことが分かりました。 pic.twitter.com/vsp0G8HfSH
— 毎日新聞写真部 (@mainichiphoto) 2015, 11月 25
英陸は特に好きな女優さんではなかったです。
映画史的には、戦後の新しい歩みを始めた女性を体現する役割を演じた…と位置付けられるそうですが…
『青い山脈』の女性教師役などがその代表なのでしょうが、
英陸の印象としては、『東京物語』の貞淑なお嫁さんとか…
『晩春』の父親思いで婚期が遅れた娘とか…(お父さん役の笠智衆さんは熊本出身!大好き

自分を抑えて、主張を控える、昔ながらの女性像をイメージしてしまう…
演技は「やってるの?」と思うくらいセリフが淡々として、感情表現もほとんどなし。
ビジュアルは、大柄で、いわゆる「バタ臭い」洋風のお顔立ち。
なのに小さな日本家屋の狭い畳の上で、着物を着て座ってて…どこかちぐはぐな感じさえしていた…


男性に対する辛辣な言葉を残している。「男性は女を見るときには愛玩物ではないけれど、可愛いタイプの人が好きなんですね」。自分は大柄だし、優しい目つきをしているつもりでも相手には怒られているように思われてしまう、と
生涯独身で通された理由は何なのだろう…
冒頭の対談の最後、突拍子もないことを言って自分で笑っている。「私ね、男の子は男の人に産んでもらいたいと思うの」。そこまでいかないと女の人は解放されないから、と。痛快な人柄だったのだろう。
明らかに「男性不信」の意識が見て取れる…
女性であるために、一人の人間として扱われないことに、きっと忸怩たる思いを持ち続けた人なのだろう…
「一ぺんキューッと思い切り泣きますと、顔までキレイになるんですよ。いえ、ほんと」。
悔しいことも、寂しい気持ちも、胸の奥に深く閉って、神秘的なまでに美しさを極めた

演じた役もいろいろあったみたい…
食わず嫌いというけれど、原節子さんについては見らず嫌いだったかもしれない…
もったいないことしちゃったな…
その心に秘めたものを慮りながら、原節子さんの作品を観なおしてみたい…
遅まきながら、そう思う次第であります


— 横尾忠則 (@tadanoriyokoo) 2015, 11月 27
さて、そのような女神扱い…原節子さんは望まれただろうか…
英陸は、その生き方に倣わなければなりませぬ…

「好きな俳優は三船敏郎と原節子」と言います。
先週は「原節子さんも亡くなって、もうがっかり」と電話をかけてきました。
リアルタイムで、その活躍を見ていた人たちには、思い入れが違うのでしょうね。
小津監督と恋愛関係にあったとか、小津監督の死に殉じて映画界を去ったとか・・・噂は色々ありますが、
すっぱり銀幕から姿を消すことで、神話にしてしまいましたね。
ちなみに、中学生の時に教育テレビで「晩春」が放映されてて、それが彼女の映像を見た最初ですが、映画館で見たのでは、大学時代、たしか「電気館」で「小津安二郎特集」が組まれ、「東京物語」とか「麦秋」とか数本見に行ったのが思い出されます。
私たちが山口百恵さんを語るのと似た感覚なのでしょうね…
彼女も引退して早や34年?!
若い人は山口百恵を知らなくて当たり前…
ただ、原節子さんの引退が、一般的な(?)「結婚」という理由ではないことが、神秘性を高めていますよね。
きれいさっぱり映画界から身を引いて…
その潔さを尊いと思いますが、もう少し、考えてらっしゃたことを話してほしかったかな…
と、今思います。