「不条理な社会人生から自由になる方法(橘玲)」を読んでみて
感想:あくまで個人の感想です。
具体的には宜しければ「不条理な社会人生から自由になる方法」を読んでみてください。
(個人的にはオーディをブックで聴くととてもスラスラ入ってきておすすめです。)
色々な情報を知ったけど以下自分なりの要約です
1、日本は隠れた身分制度があるということ
2、日本の仕事文化はゼネラリストを作り出すが、それは世界では通用しないこと。
→なぜなら、世界はジョブ型の働き方になっているため。(なぜかというと、それが唯一公平な評価方法だから)
3、日本では非正規の扱いは正社員と比べて悪いがそれは日本の労働構造とそこから派生する既得権益を守ろうとすることが原因みたいだ。
→労働構造=正社員を守る文化。経済成長時代に取り入れた仕組みだが、現在はそれによる問題が顕在化してきている。
→既得権益=左記の労働文化を理由に各々の雇用年数などにより利害関係が生じ、実質的に能力や仕事のスキルを無視した評価が行われている。そしてそれを是正しようとした時、それを「今まで自分たちは会社のために身を粉にしてきたので、これはその権利だ」と反発される構図になる。(俗にいう『働かないおじさん』かな笑)
4、日本の労働社会にも反映されている「家」文化
→なんのことかといえば、「家」を1単位と考え、「個人」であることを認めない、評価しない文化。(「家」文化の成り立ちなど詳細は結構難しいので割愛)
→日本の会社は働き手にとって「家」と解釈され、そこにどれだけ滅私奉公できるかで評価が確定されている。(就業時間=出世となっているというデータがある※男女の性差別による出世の違いも就業時間の長さを揃えると実際には無くなるらしく、それについては「へぇー」と思わされました。)
→要約すると、昔の慣習が現在も続いていて、現代のライフスタイルで考えるとかなり非合理的になっている。
→理由:今や多くの企業が数十年も続く保証はなく、必然的に人生100年時代においては何度か転職をすることになる。その時会社の「家」文化に従っていては、1つの会社に自分の人的資産(知識・スキル・経験・人脈など)を全て依存させてしまうことになる。(これは簡単に言うと、どれだけ多くの時間をかけても日本のサラリーマンでなれるのは1つの会社のスペシャリストでしかなく、悲しいことに、それは外のフィールド(他社やフリーランスなど)ではほとんど評価されないということ。)
→まとめると、日本のサラリーマンは「家」の制度に従ってひたすら会社の中で社畜のように働きまくっても、いざ転職をしようとした時、その時点で会社に蓄積してきた人的資産を持ち出すことができずに、実際の自分の市場価値との差で将来困惑させられる可能性が極めて高いということ。
対策:
この本を読んでみて、自分も将来悲惨なことにならないようにと対策を考えましたが、私の結論は、昨今のグローバルな労働環境で取り入れられているジョブ型の働き方に合わせて、会社とは関係なく自分で自分の看板を持って働きながら専門スキルを高めていくしかないのかなと思いました。
つまり労働観としては会社に所属するということではなく、自分のスキルを提供して報酬を得ている場所がたまたま今の会社という認識で、要するにある意味自分を自営業者みたいに考えながら会社の中で働くということです。
(一応これは「不条理な社会人生から自由になる方法」の中でも取り上げられている海外での一般的な労働観になります。)