テアテラにある教会の御使いに書き送れ。燃える炎のような目を持ち、その足は光り輝くしんちゅうのような、神の子が言われる。
「わたしは、あなたの行いとあなたの愛と信仰と奉仕と忍耐を知っており、また、あなたの近ごろの行いが初めの行いにまさっていることも知っている。」（18～19）
申し分のない理想の教会ではないか。しかし、此処に主は炎のような目をもってご覧になっている。
イエス・キリストの御目で忘れることができないのは、イエスを三度否定したペテロを、振り向いてご覧になった目である。
主が振り向いてペテロを見つめられた。ペテロは、「きょう、鶏が鳴くまでに、あなたは、三度わたしを知らないと言う」と言われた主のおことばを思い出した。
彼は、外に出て、激しく泣いた。（ルカ22：61～62）
弱さゆえに、大切な人を否定してしまったペテロに注がれた主の御目は、その後のペテロを信仰に留まらせる、赦しのための祈りと慈しみにあふれていたのだ。それは罪さだめの炎のような目ではなく、深い泉のような涙を含む眼差しであろう。私も感じた眼差し・・。
しかし、あなたには非難すべきことがある。あなたは、イゼベルという女をなすがままにさせている。この女は、預言者だと自称しているが、わたしのしもべたちを教えて誤りに導き、不品行を行わせ、偶像の神にささげた物を食べさせている。
わたしは悔い改める機会を与えたが、この女は不品行を悔い改めようとしない。
見よ。わたしは、この女を病の床に投げ込もう。また、この女と姦淫を行う者たちも、この女の行いを離れて悔い改めなければ、大きな患難の中に投げ込もう。（20～22）
心を見抜かれるキリストは侮られるようなお方ではない。それにしても、イゼベルの正体を見分けて取り除くことが出来ず、不品行に引き込まれて行くほどの、教会にあるこの霊的な飢えこの貧しさは何だろう・・。
これほどに行動力のある教会が、イゼベルをなすがままにさせてしまったものは何だったのだろう。
また、わたしは、この女の子どもたちをも死病によって殺す。こうして全教会は、わたしが人の思いと心を探る者であることを知るようになる。また、わたしは、あなたがたの行いに応じてひとりひとりに報いよう。（23）
愛と信仰と奉仕という行いの教会。しかし、中身が腐っていても見えるところで良い行いをすることはできる。主が見られるのは心であり、それによって個々に判別して報いられる。
恐ろしいことは、主の宮に在りながら主を知ろうとせず、イゼベルの子どもと呼ばれることである。彼らの死病は滅びに至るのは、キリストを知らなかったからである。
しかし、テアテラにいる人たちの中で、この教えを受け入れておらず、彼らの言うサタンの深いところをまだ知っていないあなたがたに言う。わたしはあなたがたに、ほかの重荷を負わせない。
ただ、あなたがたの持っているものを、わたしが行くまで、しっかりと持っていなさい。（24～25）
迫害の中でも体に受ける分かりやすい迫害もあるが、霊的な迫害は人の言葉では表せず、じわじわと絞め殺すように、みことばを語る自由を奪い、内なるキリストが嘲けられるような苦痛である。その内容は主だけが知っていて下さることである。
そんな時、主は逃れの場を備えてくださるからそこに身を避ける。「あなたの持っているものをしっかりと持っていなさい。ほかの重荷を負わせない」と匿ってくださる時があるのだ。
人はあれもこれもは出来ない。たまわったタラント分しか働けない。サタンの深いところを知りたくない者に、どうしても必要な一つだけを守ることを許される。
勝利を得る者、また最後までわたしのわざを守る者には、諸国の民を支配する権威を与えよう。（26）
わたし（キリスト）のわざとは、キリストから発した計画であり、聖霊によって導かれたみことばに従順して成すもので、人の考えた良い行いとは別のものである。
彼は、鉄の杖をもって土の器を打ち砕くようにして彼らを治める。わたし自身が父から支配の権威を受けているのと同じである。
また、彼に明けの明星を与えよう。
耳のある者は御霊が諸教会に言われることを聞きなさい。（27～29）
彼は主のご計画に従って地を治めるようになる。キリストが御父からたまわったすべての支配の権威を、使徒はキリストからたまわり、私たちもまたキリストにあって権威を行使するのである。
それができるのは明けの明星、イエス・キリストをたまわったことに拠ることであり、それは世の命と引き換えても身に余る光栄である。
「わたし、イエスは御使いを遣わして、諸教会について、これらのことをあなたがたにあかしした。わたしはダビデの根、また子孫、輝く明けの明星である。」（黙示録22：16）
