ヤコブは旅を続けて、東の人々の国へ行った。
ヤコブがまだ彼らと話しているとき、ラケルが父の羊の群れを連れてやって来た。彼女は羊を飼っていたのである。
ヤコブは、母の兄ラバンの娘ラケルと、母の兄ラバンの羊の群れを見ると、すぐ近寄って行って、井戸の口の上の石を転がし、母の兄ラバンの羊の群れに水を飲ませた。
そしてヤコブはラケルに口づけし、声をあげて泣いた。(1・.9~11)
ヤコブの心細さが現れているように思う。いつでも側で指図してくれた母を離れた心細さであろう。
ヤコブはラケルに、自分は彼女の父の甥であり、リベカの子であることを告げた。彼女は走って行って、父にそのことを告げた。
ラバンは妹の子ヤコブのことを聞くとすぐ、彼を迎えに走って行って、彼を抱きしめて口づけした。そして彼を自分の家に連れて帰った。ヤコブはラバンに事の次第をすべて話した。(12~13)
ヤコブは「すべて話した」とある。それは、兄を出し抜いたことや、母とともに父を騙したことなどの懺悔であろうか・・。
罪在る者が赦されて価なく神の祝福を受けた後に、被害者でもない人に向かって、懺悔することを神は喜ばれない。
それは、日々のお交わりの中で神への深い感謝となり、あがない主をほめたたえ続ける賛美の捧げものとなるのだ。
神の摂理の中にあって、ヤコブを訓練するのは神ご自身であり、ヤコブはたまわった約束に信頼し、導かれる所で安息するならラバンにも平和な時となるのである。