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再生・続金融腐食列島~高杉良

2007-04-23 23:29:52 | 

 前作では30代後半から40代前半の、副支店長・本部次長クラスだった竹中は、本部の不良債権対応部である「プロジェクト推進部」の副部長という重職にあります。やがて彼は「住宅債権管理機構」との交渉を頭取からの特命で命じられ、心ならずも大物フィクサーと再び接触を深めることとなります。

 時を同じくして、検察による大蔵省過剰接待問題に関するMOF担の取調べや、時期頭取ポストを巡る権力闘争が勃発・・・平成9年から11年ころという金融激動の時代を背景に、名前は変えているもののほぼ実際にあった事件をちりばめながら描きます。

 こう書きますと、何だかお堅いばかりの経済小説みたいに聞こえますが、今回は前2作と異なり、主人公の家庭や恋愛についてもかなり紙面をさいています。「ホンマカイナ」と思うぐらいイイ女にもてて不倫をしてしまったり、奥さんがテニスコーチと浮気したり、長男が大学受験を前に停学をくらったり・・・と色々あって大変です!

 心に残ったのは中盤、主人公が大阪の梅田駅前支店長に転出して、いわゆる「貸し渋り・貸しはがし」に直面する場面です。

 当時、同じく営業現場にいた私も同じような事態に遭遇したわけですが、ホントに銀行が銀行になっていない、世紀末の時代だったな、と思うわけです。こんなことは決して繰り返してはいけない異常なことだったと思います。

 さて漂流する「協立銀行」そして日本の大手銀行はこの後どうなったか?

ご存知の通り、いくつかの銀行が消滅し、または合併しいわゆる「メガバンク」時代に突入していくわけですが、その姿は、金融腐食列島4「混沌」に描かれているらしいです。今から、読むのが楽しみです 



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