母のハッピーバースデーを祝いに病院へ行って来ました
勿論イチゴの乗ったデコレーションケーキを持ってね
・・・・でも 母は
浮かぬ顔の寝たきりさんでした
テーブルの上には
「お誕生日おめでとうございます!!」と書かれた
バースデーカードが静かに置かれていました。
それもただ静かに置かれていただけのものか
ケーキのきれっぱしでも食べさせていただけたものか
本人の記憶にはさっぱり残っていない様子ですから
結局は カードの意味などないのです。
私が意地悪く言うには理由があります。
去年からずっと同じパジャマのままなんですけど~
よほど着替えさせてくださいと言おうと思ったけれど
これが初めてではない事ですから
それに いらぬことを言ったばかりに
あとで 母ちゃんのお尻に痣が出来たのでは可愛そうですし
ほんま つまらんことですわ
呆けて寝たきりになってしまったら
何をされるか解りません
家族が行っていてこうなんですから
一辺で肩が凍りつきましたわい
もう嫌じゃと思うけれど
連れても帰れない状態だし
変に騒げばなお自分で首を絞める事になりそうだし
同室の最近入ったばかしの
少々気のしっかりした婆ちゃんは
勝手にベッドから立ち上がろうとして
叱られていました
「おばあちゃん止めて下さいよ
怪我したらどうするのですか
私一人では充分には戻せませんからね
あなた 重いですからねぇ
じっとしていてくださ~い」
『わたしゃ 皆様にご迷惑をおかけしたくないと思うて
自分でできる事をしたかっただけよ』
「そんなことできやしません
動こうと思っても動ける状態じゃないですからね
絶対動かないで下さいよ」
どっちもどっち
けんけんごうごうなのでした
窓際のもう一人のお婆ちゃん
再々お見舞いに来ている様子のお爺ちゃんが
「わしが呼んでも返事せぇへんのじゃ・・
なんぼよんでもうごきもせぇへんのじゃ」と
ひとりごとのように言うので
つながれている機械には
綺麗な山が上がったり下がったりして動いていますから
大丈夫みたいだけれど看護士さんに聞いてみましょうか
そう私が言いました。
ちょうど入ってきた看護士さんに声を掛けますと
「おばあちゃん おばあちゃん」
・・・返事も動きも無し・・・
「あら 寝ているようですから 大丈夫ですよ」
あっさりと一言言って出て行きました。
病院って 嫌なものですよ~~~~人間が機械じみてきています。
それならそれで
きちっとパジャマくらい着替えさせてやってよ
入浴する準備をしている美しさ、Konstantin Makovsky