ゆらぎつつゆく

添島揺之歌集。ツイッター感覚で毎日つぶやきます。色調主義とコラボ。

もののけの町を滅ぼす一ひらの銀のナイフをわれははなたむ    揺之

2017-11-30 08:36:02 | 

もののけの町を滅ぼす一ひらの銀のナイフをわれははなたむ    揺之







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晩秋のきぬはかすみて人の世のなげきも黙す冬がまた来る

2017-11-30 03:05:53 | 

晩秋のきぬはかすみて人の世のなげきも黙す冬がまた来る    揺之







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文明が

2017-11-29 03:05:48 | 添削

文明がひとつ滅びる物語しつつおまえの翅脱がせゆく    谷岡亜紀


これはいやだ。
素直に感覚が拒否する。
詠み手は何もわかってはいない。非常に低い。
文明が滅びるということがどういうことか、恐ろしくものを知らなすぎる。
その上でこういうものを軽く詠み、高いものとする心は、下衆めいている。


いにしへの小島を海に空目して滅びし夏の夢をぞおもふ    揺之






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広畑の蓮のうてなに露は凝り嘆きのみづに浸る世を見る

2017-11-28 03:06:25 | 

広畑の蓮のうてなに露は凝り嘆きのみづに浸る世を見る






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あやまちの苦きみづにも浸りゐてこれでよきともいへずただよふ

2017-11-27 19:41:54 | 

あやまちの苦きみづにも浸りゐてこれでよきともいへずただよふ    揺之









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いざ行かむ

2017-11-27 03:05:45 | 添削

いざ行かむ行きてまだ見ぬ山を見むこのさびしさに君は耐ふるや    若山牧水


これは嘘だ。
本人の作かもしれないが、本人はこういうことを思っていない。
自分の心とは違うことを言っている。
形だけをつくり、自分をいい感じに見せようとしているのである。
こういうのは、歌への冒涜である。


旅ゆきて知らぬ山河をながむればおもひいづるはふるさとの山    揺之






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死に近き

2017-11-26 03:05:57 | 添削

死に近き母に添寝のしんしんと遠田のかはづ天に聞ゆる    斎藤茂吉


本人の作のようだ。悪くないが、下手だ。
意趣はわかるが、訴えてくるものが弱い。
息子が死んでゆく母に添寝をするとき、本当は何を思うものか。
切ない心が伝わってこない。
どこかつきはなして見ている心を感じる。


夜深きとほきかはづの音の満ちて死にゆく母の床の辺の夢    揺之






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力など

2017-11-25 03:06:52 | 添削

このカテゴリは結構好評らしいので、続けてやってみる。


力など望まで弱く美しく生れしまゝの男にてあれ    岡本かの子


少し時代はさかのぼるが、これはあからさまに間違ったことを詠った例なのであげてみた。
ご存じの通り、作者は岡本太郎の母である。
生れたままで弱いままの男ばかりがいれば、世間はめちゃくちゃになる。
たとえあらゆる難がふりかかってくるとわかっていても、男に生まれた限りは自分に力をつけねばならないというのが本当だ。
何もわかっていない女に育てられた子供が不幸だ。


神の手に男とされしおのれをぞ立てて自らへその緒を切る    揺之






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花筐目並ぶ人のかほは透き見えぬひとやの鬼となりゆく

2017-11-24 20:40:09 | 

花筐目並ぶ人のかほは透き見えぬひとやの鬼となりゆく    揺之






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一房の

2017-11-24 03:05:51 | 添削


一ふさの葡萄手握り冷たさに今朝の心の救はれてある    佐々木治綱


本人の作のようだが、ヘタだ。

詩情はわかるが、もう少し凝ったほうがよい。


一房の葡萄の重さ手に包み指にも触るる冷たき救ひ    揺之






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