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ある日、超能力に目覚めた件 448P

2024-05-15 00:04:53 | 日記
「あ、あの! 皆さんはこの事態をどうにかしたいとおもってるんですか?」
 
 野々野小頭の声はその場にいた同年代くらいの人たちにそんな質問をぶつける。まったくもって関わりがない人たちの会話に割り込む……それは野々野小頭にとってはかなり勇気が必要な行動だっだ。けど頑張ったのだ。奮い立たせた。
 どっちかというと野々野小頭も内向的なほうで、友達だって普通にいるけど、一体その中の何人が自分から話しかけたのかわからない。どっちかというと受け身の人間なんだ。
 でも今はなぜかできた。同じクラスの毎日顔を合わせてる人たちでもない、今日であったばかりの人たち……そんな他人も同然の人たちの会話に割り込んで話をする。
 それはとんでもないことだ。けどしてしまった野々野小頭である。ここでもしかたら「はあ? 今俺たち相談中なんだけど?」――とか言われたらどうしようとか思う。でもそれは杞憂だった。
 
「それはもちろんだ。この事態は見過ごしてなんておけない」
「やけにリーダーこの事態にこだわってるよね?」
「なんか心当たりとかある感じ?」
「それは……」
 
 リーダーと呼ばれてる大きな人が少し考えてる。もしかしてこの人は解決方法をしってるんじゃないのか? と野々野小頭は思った。
 
「あ、あの! この事態をどうにかする方法、わかってるんですか? 今友達が大変なんです。私も手伝いますから、教えてください!」
 
 そんな風にいって野々野小頭は頭を下げた。実際野々野小頭のようなただの女子中学生がなんの役にたてるかなんてわかんない。そんな事は全くないのかもしれない。ただ「邪魔、帰れ」とか言われても全然おかしくない。
 いやむしろそっちの方が当然だろう。野々野小頭は自分がなんの役にも立てないって自覚してる。けど……もう飛び出してきた手前、何もせずに帰ることもできない心境だった。
 
「り、リーダー?」
 
 なにやら目の前に圧を野々野小頭は感じた。頭を下げた野々野小頭にはその大きな……とても大きな靴が見えた。野々野小頭の足がミニチュアにも見えそうなほどの大きさ。
 リーダーと呼ばれてる彼が野々野小頭の前に立ってる。それだけで圧を感じてた。
 
「君も、友達を助けたいのか?」
「は、はい! 今、配信してるんですけど、危ないんです!!」
「配信? けど今配信がまともに出来てるのって『ジパング魔法学園』くらいしか……」
 
 野々野小頭の言葉にはリーダーじゃないまた別の人が反応した。確かにこのセンセーションな状況をチャンスととらえた人たちが一斉に動いたことで、沢山のチャンネルが今のこの状況を伝えようとしてた。
 でも今やそんなチャンネルのほとんどが配信できない状況になってる。それはその人がおかしくなったり、逃げだしたり……そんなことで配信は途切れてしまって今やもうその『ジパング魔法学園』というチャンネルしかないという状況だ。
 
「えっとそれです。私、知り合いで……」
「え? まってよ。さっきまでそこに草陰草案がいたわよね。彼女って確か第二中で……貴方は?」
「えっと……私も……です。友達は草案で」
「「「えええええええええええええええええ!!!!!????」」」」
 
 驚愕に染まる声が空に響く。


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