UENOUTAのお絵描きとかブログ

 お絵描きや小説、YouTubeとかの報告とかしていきます。

ある日、超能力が目覚めた件 285P

2023-09-30 19:35:59 | 日記

「うーん」

 なんか差し出した手のひらを野々野小頭にぷにぷにと触られてる草陰草案。そしてさらにそこから袖をめくられて腕の方も触られる。

「あははは、くすぐったい」

 さらには腕を上げさせて両脇から腰の方までポンポンとする野々野小頭。

「ふっふふふ」

 なんかもじもじしてる草陰草案。さらには背中を向けさせて、背中をさわる。それでようやく納得したらしい野々野小頭。

「なにもないね」

「当たり前でしょ」

「でも……『力』とか言われても……」

 どうやら野々野小頭は草陰草案が素早く枯れた花を新鮮な花に入れ替えるような手品をしたと思って、それならどこかに枯れた花が草陰草案の体のどこかにある――と仮定して探ってたらしい。けど結果はこの通りどこにもそれらしきものはない。

 つまりは手品ではなかったということだ。それには一応納得した野々野小頭。でも……流石にこれが『力』なんていう事は一概には納得なんてできなかった。

「うーんそれじゃあ……小頭ちゃん怪我とかしてない? この力で治してあげる」

「ええー、てかしてないし」

「てかそっちがしてたじゃん……ってもしかして?」

 そこで野々野小頭は気づいた。確かに草陰草案は奇跡的に瓦礫の山に覆われたが軽傷だった。軽傷だったといっても、傷はおってる。だから病院ではそこそこガーゼとかしてた。でも……だ。でも、今やどこにも絆創膏一枚してない。

 誰もがきっと軽傷だったからもう治ったんだ……くらいにしか思ってなかっただろう。でも……と野々野小頭考えた。

(流石に軽傷でも早すぎるんじゃ?)

 ――ってね。なにせまだあれから三日である。軽傷でもガーゼをするほどの擦り傷である。かさぶたくらいは出来るだろう。けど……どこにもそれもみえない。どこも綺麗な肌だ。確か顔にも傷があった筈……もちろん傷が残るほどの傷ではなかった。でも……三日程度ならまだ跡があってもおかしくないと野々野小頭は思う。

 でもないのだ。草陰草案の体はとてもきれいになってる。

「ふふ……そうだよ。私がこの力に気づいたのは、自分自身の傷を治しちゃったから……なんだよね」

 そんなとんでもない発言を草陰草案はしてきた。そして草陰草案は自分がこの『力』って奴に気づいたときの事を話し出す。


転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 922

2023-09-30 19:31:52 | 日記

「「「「おおおおおおおおーーーー!!」」」

 むさい男たちが砂漠に集まってた。そして木霊する野太い声。熱い中、俺たちは上半身裸でアズバインバカラの外の場所にいる。今の声はこの砂漠に木々が生えてきたからだ。何もないところから突然と、ニョキニョキと植物が生えてきた。

 それをやったのはなんとまあ、ちっこい少女である。10いってるのかいってないのか……そんな小さな子供がこれをやってのけた。こんなことができるなんて……やっぱりここアズバインバカラは何かが違う。

 中央の王様がここを選んで逃げてきたというのも納得だ。なにせここではいくらでも食えるし、いくらでも働ける。皆が笑いあって助け合う。

 俺たちだって、ここ以外のどこだって、助け合ってたのは一緒だろう。むしろ、助け合わないと、この世界は生き残れない。それを誰もがわかってるから、助け合うのは当然だ。けど……それでうまく回ってるところがどれだけあったか……少なくとも俺が知ってる……俺がいた町はそんなことはなかった。

 誰もが助け合って、誰もが前を向きたかった。けど……どんどんと追い詰められていってた。どうしようもなかった。どれだけ頑張っても、どうしようもない明日しか見えなくて……希望なんて言葉を忘れてた。

 でもここでは違う。明日が見える。笑いあえる明日が……だ。

「ようし行くぞ!」

「「「おおおおおおお!!」」」

 俺たちは手に持った斧を握りしめて走り出す。さっき生えてきた木々はすでに見上げるほどにデカくなってる。幹は筋骨隆々な俺たちよりも太い。

 

 俺たちは斧でその木を伐りだす。力を合わせて幹を削り、太い幹が傾きだす。

「倒れるぞーーーー!!」

 そんな声が響く。それを聞いて皆が倒れだした木を見て倒れる場所からのいた。木が倒れたと同時に、砂に伝わる振動。一緒に舞い上がった砂が俺たちの頭上へと降り注ぐ。

「ぺっぺっ、うへぇぇ」

 砂が汗で肌に張り付いたりして気持ち悪い。でもこんなので嫌になってたら、やっていけるわけはない。大丈夫。仕事が終われば、みたこともないような大浴場で仕事の疲れをとることができる。それを思えば、暑くて気持ち悪くても、仕事終わりのスパイスになるのだと思える。

 倒れた木を縛って何十人かで運び出す。さらにまた別の木が倒れて、そして待機してたやつらがまたその木を運ぶ。そんなことを今日は繰り返した。


ある日、超能力に目覚めた件 284P

2023-09-27 23:58:52 | 日記

「え? 目覚めたってなに? 私は嫌だからね!!」

「ええー小頭ちゃんも嫉妬? 嫉妬しちゃう?」

「は?」

「ん?」

 なんか二人は自分たちの会話がかみ合ってない――という事に気づいた。野々野小頭は草陰草案がもしかしたら百合に目覚めたんじゃないか? と思ったんだ。けどそれに対して拒否反応を示したら、草陰草案はなんか「嫉妬」とかいう言葉をいった。それは単純になんか違うな――って野々野小頭は思った。

 だって嫉妬って百合に目覚めた奴に対する拒否反応をみていう言葉としてはおかしいだろう。まだ「なんで?」とか「どうして?」とかならわかる。

 受け入れてもらえないからそんな言葉が出るかもしれない。それか「そうだよね」とかやっぱり百合なんて気持ち悪いという事を内心でもわかってて、けど気持ちを抑えられなくて告白しての玉砕とかのシチュエーションならありえるだろう。

 でも草陰草案はその野々野小頭の想定とは違った言葉を返した。それは「嫉妬」。もしも百合に目覚めた告白で草陰草案が目覚めた事への嫉妬? 野々野小頭が? それはおかしい。おかしいから、二人は互いの言葉がかみ合ってないと気づいた。

「えっと……私を恋人にしたいとかじゃない?」

「まあ私は小頭ちゃんが彼女になりたいなら受け入れるよ。付き合う?」

「付き合わないよ!」

 そういって野々野小頭は草陰草案を押し放した。それで壁ドンだった状況から抜け出す。でもそんな野々野小頭はちょっと顔が赤かった。なにせまさかあんな返しをされるとは思ってなかったからだ。勿論だけど、野々野小頭は普通に男子が好きだ。好きな男子だっていた。いやまだ気になる段階かもしれない。そこら辺の微妙な感情はまだよくわかってない野々野小頭だった。

 でもだからって行き成り告白されたら一人の少女としてドキドキして仕方ない……仕方ないと言える。

「それで……じゃあ何なの? 目覚めたって?」

「ふっふっふ、私はただの傍観者だった。でもね……これからは私自身が観測者になれるんだよ」

「どういう事?」

 意味の分からないことを言い出すのは草陰草案の日常である。だからそんなに動じない野々野小頭だ。でもそのあとに草陰草案はぽっけからシナシナの花を出してきた。

「なにそれ? そんなのポッケに入れない。汚いでしょ」

「ふふ、見てて」

 お母さんみたいな事をいう野々野小頭の事を無視して、草陰草案はそれを見るように指示する。すると……だ。なんか草陰草案の手に乗ってた小さなしおれた花が、なんかその元気を取り戻して、茎はピンと伸びて、葉は緑が濃ゆく……そして花びらはその鮮やかさを取り戻していった。

 それはまるで時間を戻してるような……それかその花を回復させてるような……そんな光景だっだ。けど一番可能性の高い事を野々野小頭はいった。

「手品?」

「違うよ! これが私の力なんだよ!!」

 必死にそう訴ったえる草陰草案。その姿に野々野小頭は頭を押さえた。その顔はまだ手品だってことを諦めてないって感じの顔してた。


転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 921

2023-09-27 23:29:06 | 日記

 朝、目覚めるといい匂いがした。その匂いだけで、同室の同年代の奴らは飛び起きて食堂へと走り出す。自分も眠気はすぐになくなった。腹がなって、エネルギーを体が求めてる。

(それもそうか……)

 ――と思う。なぜなら昨日もたくさん働いたからだ。アーチ状の窓から差し込む日差し……その先からは喧噪が聞こえて来てる。けどまだ皆が目覚めたばかりのはず。わずかな誤差はあるとしても、皆がこの明の時間に目を覚ます。

 だからこれからもっと、周囲から音がしだす。窓の向こうを見てもまだ慣れない。なにせここにきてまだ三日くらいだからだ。けど不満に思ったことはない。なにせ……

「今日もいっぱい食って働くか」

 ――そう、ここでは食うことに困ることがないからだ。六人部屋の部屋からでて廊下に出ると、同じように三日前くらいからここに住んでる奴らが大量に別棟の食堂へと向かってる。

 ここにいる奴らは皆世代はばらばらだ。けど女性はいない。女性は別の棟いるらしい。そして別の仕事をしてる。それに……だ。それにここアズバインバカラへと避難してきた人たちはこの建物だけではない。これ以上の人たちがいるらしい。

 でも……だ。でも……

「飯だ飯だ!!」

 そんな風にテンション高く食堂へと走っていく奴らがいる。でも実際誰もが駆けだしたって不思議じゃない。実際、三日たったからまだ落ち着いてるが、それこそここに来た当初はこれほどの人数がいるんだ。ゆったりとなんてしてられなくて、皆が走ってた。そして我先に……と食べ物を求めてた。

 その日は皆が腹いっぱいに……それこそ腹に入らなくても、詰め込んで仕事にならなかったくらいだった。でも責められることも、次の日は食料が無くなるなんてこともなかった。

 ここに避難してきた皆にはそれが衝撃だった。いくらでも食べてもいいし、いくらでも水もつかえる。それだけでもう夢のようだと皆は思った筈だ。

 なにせここに避難してきた皆は少し話を聞くだけで同じような境遇だったということが分かった。今日食べることもできなくて……明日に希望を見ることもできない日々が続いてた。水を口にすることもできずに、ただただ明が終わるのを待つしかなかった。

 宵がくれば何もかんじなくなる。そして明がまた来たら、体力が戻ってる。だから生きることはできてた。ぎりぎりだけど。でも満腹感とかが満たされるわけはない。何も食べてないし飲んでもないが、体力だけはもどる。そうなると、あとは動けるうちに奪うという方向性にいくしかない。

 だから悲惨な状況だっだ。けどここはどうやらそんなのとは無縁なようだ。

 トレーを持って列に並ぶとそのトレーに食料を載せてくれる。そしてそれをもって近くの長テーブルへといく。各々勝手に座って、夢中で食べる。それこそ最初は食べることしかしてなかったが、今は食べながらしゃべる……ということもできるようになってて、そこかしこで笑顔が見えて陽気な話が聞こえてくる。

「よっ、こっちこいよ」

 そんな風に自分も声をかけられた。体をよけてわずかなスペースをあけるそいつ。そこに体を滑り込ませた。この場所で新たに出会った友達。けどきっとここでなら、もっともっとたくさんの出会いがあるんだろうって……そしてそれはきっと充実したものだろうって確信がある。

 そう思って食料を口に運ぶ。ああ、今日も生きてられる。


転生したらロボットのなかだった(ただし出ることはできません)運命という世界線を壊せ 920

2023-09-27 04:02:52 | 日記

なんとか全ての任務は完了した。ザンサンシャカレの都市核は回収できたが、目標の全てを回収できたか? といえばそうでもない。なにせ教会も本腰を入れてきたからだ。

 こっちが回収できた都市核は実際はザンサンシャカレともう一つだっだ。つまりは二個。残りは教会に取られてしまった。まあ仕方ない。一応民衆には興味がなかったのか、最低限の被害でアズバインバカラへとなんとか各地の民衆を連れてくることができた。

 空の扉の都市核の部分は白く光ってる。既に赤くなってる部分はない。けどそれでもあの扉は開いてない。それはつまり都市核は全て人間側にあるが、それだけじゃあの扉……教会曰くあの『楽園へ続く扉』はどうやら人側が都市核を全部確保するだけじゃだめらしい。けど考えてみたらそれはそうだろう。だって最初……それこそ最初期は都市核を要した街はもっともっとたくさんあったのだ。

 その時には全ての都市核を使ってた筈。でも切り取られた。それで現状程まで追い詰められたんだ。都市核が人側にあるだけであの空の扉が開いて楽園への道が開かれるのなら最初の最初に楽園に行くことができたってことになってしまう。

 でもそれは出来てない。つまりは人の手に全ての都市核があるとしてもあの扉は開かないのだ。けど……だ。けど、すでに教会は動き出してる。扉を出現させて、そして都市核を再び集めてる。それってつまりは……

「きっと教会はあの扉の開け方にたどり着いた……」

 そう考えるのが妥当だろう。きっと昔は都市核が全部そろってて、あの扉もそこにあったのかもしれない。けど、開け方まではわからなかった。そんな中、砂獣という脅威が現れて、次々に街は滅び、そして都市核も一緒に消えていった。そうこうしてる内に、環境は厳しくなっていき、人の領域はどんどんと少なくなっていく。人類は後手に回るしかなくなり、現状の滅びる一歩前……くらいまでになったんだろう。

 けどそんな中、きっと教会だけは権力を守り続けて、そしてその裏でずっとあの扉の開け方を調べてたはずだ。なにせそれがあの教会の悲願なんだから。

 そしてそれが分かったからこそ、今動き出したはず。奴らは全ての都市核を欲してる。なら、ぶつかるのは必至。近々必ず起こるであろう教会との全面戦争。それに備えつつ、アズバインバカラへとやってきた人たちの為に、新たな生活基盤も作らないといけないということで、とても皆があわただしい。

 まあ私はゆっくりとそれを眺めてるだけなんだけどね。