UENOUTAのお絵描きとかブログ

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ある日、超能力が目覚めた件 352P

2023-12-31 19:34:03 | 日記
(吹っ飛ぶでも駄目だし、風をまとっても結局は鳥とか虫とかのようには飛べないし、いったいどうすれば……)
 
 実際この短い時間でその解決方法が出てくるのなら、これまでできっと解決してると思う。でもそれは結局は想像と実践でどうにかこうにかしようとしてたわけで、なので行き詰って結局のところただ浮いてる状態で上下左右に移動できる――ってことで妥協してた。
 いつもと違うのは参考に出来る存在がいるという事。
 
(こうなったらもう羽を生やしたりした方が早いのでは?)
 
 ってちょっと野々野足軽は思った。なにせ別にできないわけじゃないと思うんだ。力をもっと具現化させれば羽位なら作れそうではある。でも実際風の子には羽とかないから、これだと風の子を参考にしてる……といえるかはわかんない。
 それに実際何かを具現化するってことはまだしてない野々野足軽だ。なにせ別にそんなのが必要なことはなかった。炎を出すとか水をだすとか? そんなことが初歩的な事……みたいな印象があるが、でも現代でそんなのを出す場面がない。夜だって明るいし、水だって蛇口を回せばいくらだって出てくる。
 それに実際そういう事は野々野足軽の中では分類として『魔法』だった。でも野々野足軽は自身の力を『超能力』の方だと認識してた。なのでやってなかった……というよりも、超能力的な使い方ばっかりしてたって感じである。
 やっぱりそれは最初が浮いたからだろう。何かを浮かせるってことが野々野足軽的には超能力側の力だったのだ。もしも一番最初が手から炎とかでた――とかだと、きっともっと魔法的な使い方を追求したと思う。大きな炎にしたり、別の水やら風やら電気やら出せるかとか……そんなのをやっただろう。
 でもそっちにはまだ野々野足軽はいってない。記憶を読んだりするのも野々野足軽的には超能力である。
 
(まてよ)
 
 野々野足軽はハッとした。そして眼下に見える町を見下ろして何かを引っ張り上げた。それは小石だ。そして力をまとわせて空中を移動させる。最初はそれこそいつものようにやってた。まっすぐに打ち出すみたいな? そしてスピードと精度を今までは磨いてた。だって小さいから、そこそこ操れるのだ。だからそこまで困ってなかったし……と思うのが野々野足軽だ。けど今はそこに風の子の力の感じを乗せていく。
 そしてドンドンとスピードを上げていく――すると――突如としてなんか小石が砕け散ってなんか暴風がふきあれた。
 
「今の……」
 
 びっくりした野々野足軽だけど、今のに何かを感じた野々野足軽。だからたくさんの小石を同じようにして、砕け散る小石とともに吹き荒れる暴風、それをただ拡散させるんじゃなく力でつかんで野々野足軽は自分自身に集める。
 すると野々野足軽に全能感って奴が襲ってきた。
 
追記――明日は正月特別編を上げます。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 990

2023-12-31 19:29:17 | 日記
「おい! どこ言った!?」
 
 そんな風に俺は叫ぶ。この暗闇ですぐ前にいるバズだし、聞こえないはずがない。でも、何も反応はなかった。それよりも……何かがポワッと浮かび上がる。それは火の玉の様な……それだった。そしてそれが向かってきた。
 
「なんだこれ?」
 
 とりあえずそんなことを言いながらも避ける。火の玉はそれこそ拳ほどの大きさしか無い。それに、そんなに早いわけでもなかった。だから避けるのはそんなに苦じゃない。
 でも……
 
(どういうことだ?)
 
 俺たちは細くて入り組んでる路地を行ってたはずだ。なのに……この暗闇は相当に広いらしい。暗闇だから広いとかなんとかわかんないはずだが、火の玉は色んな所から飛んできてる。
 路地なら、それこそ二人が横になるだけで壁にぶつかりそうな……そんなところだってあった。一人しか通れないような路地だってあった。
 路地とはそういうものだろう。なのに……だ。なのにこの火の玉は障害物なんて全く無いかのように飛んでくる。俺も最初はここらへんに壁が……とか思って注意してた。なにせ思いっきり動いて、壁にぶつかったりしたら大変だからだ。
 でもどうやら……壁なんてのは無いらしい。避けるなかで左右やら何やらに走ってるんだが、壁にぶつかるってことがない。どうやらこの暗闇はやっぱり広い。
 この異常な事態……考えられることは一つしか無い。
 
「魔法……」
 
 そうなんだろう。つまりこれは、教会側の攻撃。きっと俺たちに気づいたやつが居たんだ。そいつらが俺たちをはめた……そう考えるのが一番自然だ。
 俺は周囲を見る。術者を探してるんだ。けど周囲は闇。光は火の玉だけ。そしてその光も周囲を照らす……とかはしてない。せいぜい火の玉のほんの数センチくらいしか照らせないみたいだ。術者は必ずいるだろうが……これでは……それにこの空間は相当に広い。
 そして魔法を使う術者は敵に近づく必要なんてない。確かにこの火の玉は遅い。でも……
 
「どんどんと多くなってきてるな……」
 
 少しずつだけど、火の玉は多くなってる。このままだと避けるだけの余裕さえなるかも知れない。剣で切り裂けるかどうかを試したら、一応切れた。
 でも……それよりも増える方が早い。一体どうすれば……

ある日、超能力が目覚めた件 351P

2023-12-30 18:37:11 | 日記
(ただ初心に戻っただけだな)
『大切なことでしょう?』
 
 確かに……と野々野足軽は思った。初心は大切だ。それを思い出させるためにアースのやつは声を掛けてきたのか? ありがたいが、おせっかいともいうか……とりあえず気合を入れ直した野々野足軽は踊るように空を舞ってる風の子をみる。でも見るだけじゃ駄目だ。
 しっかり見るだけで、その風の動き、制御の仕方……なんかを図れるが、もっと詳細に、それこそ風の子の力の循環。いや世界に漂う風の把握をしないと……
 
(いや流石に世界の風をすべて把握するなんて今の俺じゃ無理だ。範囲が広すぎる。なんでも抱え過ぎはよくない。出来ることを一つずつ……だ)
 
 そうだ。初心……と野々野足軽は唱える。なにせ力が発現した時、野々野足軽は自分のしたいことをとりあえず試そうとしてみた。けど当然だけど、ほぼできなかった。もちろんそれは最初で力が本当に微々たるものしかなかったから……というのもあるが、ただのイメージでだけで力任せにやろうとしてたことも大きい。
 でも今はそれなりに力の使い方ってやつをわかってきてる野々野足軽だ。ただ闇雲に力を使ってもいいということはない。まあだからってすべてを理解してるわけでもない。曖昧な部分はたくさんある。なんで病気を治せてるのか? とかよくわかってないからだ。一応骨折とかは繋げればいいからわかりやすい。
 でも病気はそうじゃない。体内で病原菌とかをどうやってるのはなぞなのだ。そこら辺は力が勝手に作用してると考えるしか無い。でもある程度は力の方向性ってやつを示してるし、これは怪我なのか病気なのかって判断はしてる。
 
 ただ闇雲に身体の調子が悪いという人を治すことと、どこどこが痛むとか、悪いとか言う人の方が直しやすいのは検証済みである。だからこそ、この風の子の行動を無駄にしないためにももっと狭く深くする必要がある。
 全部を理解して力を使う必要性なんてない。ある程度でいい。まあその下限は難しいけど……と野々野足軽は思う。
 
(風で押すとか、力の放出で移動する方法は考えたんだよな……)
 
 なにせ自分で推進力を生み出せるのなら、それを考えることは当然だろう。野々野足軽はもちろんそれをやってる。けど、それではやっぱり自由自在……とは行かなかった。なにせ放つ推進力は一方向でしか出せない。無理矢理に色んな方向に出せばそれこそ急旋回ってやつも出来たが、それは曲がってるというか、マガラされてる……というか? だった。
 それにもっというとそんな風に推進力として、風……いや大気を集めて圧出して放つ……となったらそれは飛んでるというよりも――吹っ飛んでる――だった。
 だからそれは野々野足軽的には受け入れられることではなかった。

転生したらロボットの中でした(ただし、出ることはできません)運命という世界線を壊せ 989

2023-12-30 18:31:51 | 日記
 殺した教会のやつを放置して俺たちは動き出した。どうやら事前にこの女にはある程度の情報ってやつがあるらしい。だから女の歩みに迷いはない。
 それに付き従いながら、俺は不満を漏らす。
 
「殺せたんだからいいだろ? それに……ただ見張るだけなら、俺なんていらないだろ?」
 
 そうだ。アンタだけでいい。何もやらないんなら、俺なんて必要ないんだ。それともそれだけでかなり危険とか? でもアイツ等は俺の存在にだってその直前まで気づいてなんかなかったぞ。
 それにもう教会とは敵対が表明されてるんだ。王様とかに媚を売るにも、沢山の教会のやつを狩るのがいいと思うんだが? なにせ俺は軍から逃げ出してる。
 それも武器をもって……ここで下手に俺なんかに反抗されたらうざいとは思っても厄介とは思わないだろう。ただ何人かの人を送り込んで始末させればいいだけ。
 でもそんな俺がここの体制ではなくて、教会を狩ってるとなれば、見逃される可能性は高くなる。親父だってそれを臨んでるんだと思うんだが? それでどうにか上の方にかけあうとか……そんなのかもしれない。
 そうなるといくら教会のやつを殺したか――が重要になると思う。だから殺したい……今の俺は最初の一回が上手くいったから血に飢えてるのだ。
 
「戦うのは最後の手段だ。それにこうやって二人でやるのは万が一のためだ。どっちが死んでも、必ず情報を届ける為の保険だよ。まあ私はやられる気はないが」
 
 それはこっちだって……と思った。俺だってやられる気は無い。大体教会のやつなんてのは鍛えてもない奴らが多い。ヒョロガリか、太っていつだって汗をごまかすための香水臭い奴らばかり。
 この剣が届けば確実にやれるだろう。
 
「いっただろう? さっきのはたまたまだ。奴らには魔法がある。魔法を使う相手と戦った事があるか?」
「それは……ないけど……」
 
 ある訳がない。なにせこの世界で魔法を使えるのは教会の奴らだけだ。そしてこれまでは教会には出来得る限り媚びを売る――というのが常識だったんだから。戦うなんてきっと想定してない。でも今はもうそんなことは言ってられない。
 教会と戦うということは魔法を相手にすると同義。でもそういうことか……俺たちにはその魔法の知識とかいうのが全くない。『魔法』という言葉を知ってるだけで、その中身はふわふわで曖昧なもの。
 でも必要以上に怯えるのは違うだろう。
 
「魔法なんかよりも早く動いてしまえばいい。近づいて切る……それでなんとかなっただろ?」
「さっきはな……だか私達は魔法を知らなさすぎる。だから何が起きるかわからない。こっちには準備してるようには見えなくても、魔法で迎撃するすべはあるかも知れない」
「それは――ん?」
 
 なんかいきなりさっきまで前にいた女が見えなくなった。いやそれだけじゃない。なんか暗い。真っ暗だ。まるで目を閉じたのかのような暗さ。そして喧騒も聞こえない。
 これは一体?

ある日、超能力が目覚めた件 350P

2023-12-27 23:24:58 | 日記
『全く、貴方は愚か者ですか?』
「おまっ!? いや、学ぶってことだろ?」
『そういうことです』
 
 いきなりの暴言に野々野足軽はその血気を一気に上げてしまった。なにせ今は野々野足軽が憧れる自由自在に空を飛ぶ――ということが出来るかどうかってことの瀬戸際。
 簡単に熱くなってしまうのは仕方ない。なにせ野々野足軽は力がある存在だと言っても、まだまだただの高校生なのだ。大人にもなってない年齢。
 だから感情が高ぶってしまうのは仕方ない。けど元来おとなしい性格の野々野足軽は普段から怒るってことをしないから、とりあえず平常心を心がける。それに、これまでの力を使うための修行で、力を使うためにも心には余裕が必要だとわかってる。やっぱり心が乱れてると、力も乱れてしまうんだ。
 やっぱり形が無いものを支えるのは心……みたいな感じがあると野々野足軽は感じてる。魂というのは肉体が支えてるのかも知れない。その中に入ってるのだから心も肉体が支えてると言ってもおかしくないだろう。
 じゃあ更にそこに内包されて細分化されてそうな『力』は何が支えてるのか? それが心ではないかと野々野足軽は思ってる。
 
 だから下手に激高するのは力によくない。それにアースのこういう所は今に始まったことじゃない。そもそもが最初からなんでもできたアースだ。
 実際それが最初からなのか、それとも地球が歩んできた時間の研鑽の賜物なのかは野々野足軽にはわかんない。でも実際、アースにはできないことはないだろう。
 そんなアースの感覚は特殊だけど……実際他に誰に相談すれば良いのかなんて言われても、野々野足軽にはそんな相手は他にいないのだ。
 だから参考にするのはアースしか無いわけで、それにアースはただなんとなくで言ったりはしない。煽ってきたけど、それはきっと野々野足軽が早々に諦めていたからだろう。もっとよく観察してみろってことなのかも知れない。
 
(ヒントくらいはほしい)
 
 激高するのはやめたが、それでもまだフーフーしてる野々野足軽である。なにせ怒りはいきなりなくなりはしない。だからこうやって沈めてもちょっと続く。だからって怒りという感情も長く続くわけじゃないが。
 それにちょっとは野々野足軽だって反省してる。すぐに風の子の好意を無下にしたことだ。風の子は純粋な気持ちだっただろうに、野々野足軽は冷めてた。諦めてた。
 それは今まで何回も挑戦してた『飛ぶ』という行為に未だいたってない慟哭があったんだろう。こんなので……という思いだ。それにちょっとした嫉妬……相手は風だ。だから自由自在がデフォルト。簡単に自然なままに空を飛んでる。それが羨ましかったんだろう。この怒りにはそんな嫉妬もあると野々野足軽は認める。
 野々野足軽がなんとか怒りを沈めてすがってるってわかったのか、アースが僅かなヒントをくれる。
 
『そうですね。風に成れないと言うのは常識です。普通の常識。普通の存在が普通であるからこその常識ということです。それに対して今空を曲がりなりにも飛んでる貴方は『常識』の内側にいるのですか?』
 
 曲りなり……とか言う言葉にぴくっと来たが、たしかに野々野足軽は自分が言ってた事が常識だとは思った。常識だからこそ、言い訳に使ってた。
 常識なら、誰もが納得しやすいからだ。けど、これまでその常識を野々野足軽は自身の『力』でことごとく破壊してきた。それを一番わかってるのはそれこそ野々野足軽自身。
 なのに常識を言い訳にするなんて……野々野足軽は自身の頬を両の手でパァァァァン!! と叩きつけた。どうやら気合を入れたみたいだ