これは したり ~笹木 砂希~

ユニークであることが、ワタシのステイタス

481円しかない!

2021年02月21日 20時37分28秒 | エッセイ
 自転車通勤で弁当派だと、平日はほとんどお金をつかわない。休日にスーパーで買い物をしても、支払いはクレジットカードだ。手持ちの現金が少なくても不便はない。
「3万か。まあ大丈夫でしょ」
 先月も、その前の月も、そのぐらいの現金が手元にあれば足りたのだが、今月は違った。
「あっ、18金のチェーンだって。ベネチアンガラスのペンダントヘッドに合いそう」
 某通販のカタログで見つけたチェーンに一目ぼれした。お値段は23,800円。パソコンからカード番号を入力すると、不正使用のリスクがありそうで怖い。現金やコンビニ払いにしようかな。



「残高が6000円ちょっとになっちゃったけど、いいじゃん、これ」
 このチェーン、長さの調節もできて気に入った。週に2~3回はつけている。
「そうそう、パスモのチャージもしなくちゃ」
 財布と相談し、5000円では厳しいから3000円にした。
「ゆうパックを送らなくちゃ」
 お世話になった方に、バレンタインのチョコレートを買っていた。あとは郵便局に持っていけばオーケーだ。
 郵便局に行くと、63円切手を切らしていることを思い出した。財布を見たら、ゆうパックの支払いをしても1000円以上残る。ついでだから買ってしまおう。
「切手ですか? どれにしましょう」
「じゃあ、この国宝シリーズってヤツを」
「630円です」



 何だか、貼るのがもったいない切手だ。きっと、受け取る側も喜んでくれるだろうと、得をした気分になる。
 それにしても、財布が軽い。いったい、いくら残っているのか。
 家で確認してみると、たったの481円であった。



「うわ~、これしかないんだ!」
 手持ちの現金が少ないときの気持ちは、糸の弱ったブレザーのボタンを見つけたときに似ている。
「やだなあ、ブラブラしていて、取れちゃったらどうしよう」と思って慎重に行動しているのに、いつの間にやら忘れてしまい、気づいたらボタンがない、なんてことがあった。同様に、「お金が少ないから余計なものは買わないようにしよう」と思っていたのに、レジかごに入れたのは財布の中身を上回る商品で、レジで青ざめた記憶もある。
「よし、481円で語呂合わせしてみよう」
 何の脈絡もなく、意味のないことをしたくなった。でも、ろくなワードが浮かばない。
「よわい」
「しっぱい」
 しっくりこない。もう一声。
「しょぼい」
 おおっ、一番ピッタリかもしれない。
 バカやってないで、さっさとお金を下ろして来るか~。


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 「いとをかし~笹木砂希~」(エッセイ)
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コメント (6)
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