MASQUERADE(マスカレード)

 こんな孤独なゲームをしている私たちは本当に幸せなの?

最高学府の行方

2011-04-30 00:05:17 | Weblog

指導中に酔うわ、怒鳴るわ…東大准教授、停職2カ月(朝日新聞) - goo ニュース

 ツッコミどころ満載の記事である。2001年から09年にかけて、学内のゼミや発表会で

院生の発表を怒鳴って遮ったり、いすを蹴るなどの行為を繰り返し、数人の大学院生に

威圧的な態度や飲酒した状態で指導した50代の准教授を“野放し”にしていただけでは

なくて、2009年の夏に大学に申し立てがあってからも、2011年の4月27日に付けで

停職2カ月の懲戒処分にするまで更に2年も放っておくという東京大学は、その最高学府

と謳われている知性を何に使っているのかという疑問は既に愚問なのかもしれないが、

いくらなんでもその准教授の学部や性別について公表しない理由を「被害者の特定に

つながる」とするのは“加害者の特定につながる”の間違いであって欲しいとは思う。


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『若者たち』 100点

2011-04-29 23:55:44 | goo映画レビュー

若者たち

1968年/日本

ネタバレ

矛盾に溢れる‘兄弟愛’

総合★★★★★ 100

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 冒頭の食事のシーンの粗さから不穏な空気を醸し出すこの作品は、1967年の公開当初から今日に至るまで、早くから両親を失った5人兄弟の長男である佐藤太郎が中学を卒業して直ぐに設計技師として工事現場で働くことで兄弟を養い、様々な困難を乗り越えていくという絆の強い兄弟の物語として受容されていることに文句を言うつもりはない。トラック運転手をしている次郎、授業料値上げ反対の学園闘争に関わる三郎、受験生の末吉、そして食費などに関して兄弟たちに翻弄されるオリエを通して、まだ決して豊かではなかった日本社会の中で生きることの過酷さ、特に‘ピカ’と呼ばれて差別される被爆者の戸坂とオリエの関係など、もともとテレビドラマとして制作していたフジテレビが映画化の際に手を引いてしまったほど難しい問題を扱っており、その問題提起は十分に評価されるべきだとしても、この作品の価値をその程度に留めてしまうことは惜しいような気がする。
 クライマックスは5人の兄弟が食事中に末吉が大学進学を諦めて働くと太郎に言い出したことから始まる大喧嘩である。その前に学歴の無いことで勤務先の上司の娘である桜井淑子に結婚を断られていた太郎は末吉の決心に納得がいかない。自分のような惨めな思いをさせないためにも太郎は末吉に大学へ行くように説得するのであるが、そんな末吉の肩を持つのが選りによって大学生の三郎であったから大喧嘩になるのだが、更に太郎を止めるのがトラック運転手の次郎で、それまで兄弟たちのために必死で働いてきたのに孤立無援の太郎は完全に袋小路に追い込まれる。太郎は兄弟の絆を大切にしようとするが、そんな太郎に三郎は「兄弟だから他人なんだ」と喝破する。兄弟なのだから助け合うことは当然のこととしても、いずれはそれぞれ家族を持って独立しなければならないのであり、太郎の理想は皮肉にも太郎の期待通りに優秀に育ってくれた三郎によって壊されてしまう。確かに兄弟愛が描かれているのではあるが、そこに潜む矛盾こそこの作品の真骨頂なのである。
 1967年に公開された『若者たち』の辛辣なメッセージがどれほど多くの人たちに認識されたのか定かではないが、残念ながらその辛辣なメッセージ受け損ない、‘兄弟愛’を大切にし過ぎた若者たちによって5年後に起こされた惨劇の様子は『実録・連合赤軍 あさま山荘への道程』(若松孝二監督 2008年)で見ることができる。
 小川隆音の葬儀後、息子の小川隆を演じる江守徹と佐藤三郎を演じる山本圭が子供たちが持ってきたバナナを一緒に食べるシーンは『青春残酷物語』(大島渚監督 1960年)において主人公の藤井清を演じる川津祐介がリンゴをかじるシーンのパロディだと思う。


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「普通の女の子に戻りたい!」真意

2011-04-29 07:06:20 | 邦楽

スーちゃん、別れ告げる録音「天国で役立つことが務め」(朝日新聞) - goo ニュース
ランさん、ミキさん大好きでした 田中好子さん録音全文(朝日新聞) - goo ニュース
「私たち永遠にキャンディーズ」美樹・蘭さんが弔辞(朝日新聞) - goo ニュース

4月28日にTBSで「田中好子さん追悼番組 ありがとうスーちゃん 永遠のキャンディーズ」

という番組が放映されていた。全くキャンディーズ世代ではないので興味深く見たのだが、

伊藤蘭が「普通の女の子の戻りたい!」と叫んだ1977年7月17日の日比谷野外音楽堂

のコンサートの模様を見ることができた。田中好子が「デビューから3年間がむしゃらに

やって来て、説得されてもう1年頑張った」と発言し、藤村美樹が「それぞれに旅立って

いきたい」と発言し、伊藤蘭が「誰の目にも触れないように孤独に耐えていきたい」と

発言していた。1978年4月4日の後楽園球場におけるお別れコンサートにおいても

伊藤蘭は「大人たちは私たちのことをバカだと言う。こんなにバカ騒ぎしてまで解散する

なんてバカだと言うが、私たちはバカではありません」と語っていた。もちろんここでいう

“大人たち”とは所属事務所の人間を指し、3人はバカではなく寧ろ賢過ぎたのである。

驚くのはステージの背後に掲げられていた文字が「For Freedom (自由のために)」

だったことで、これではまるで1969年のウッドストック・フェスティバルではないのか

これらを鑑みれば、自分たちが個々で活動したいと考えていたキャンディーズの3人と、

キャンディーズのネームヴァリューで更に儲けたいと考えていた所属事務所の確執が

あったことは間違いない。明言しないまでも伊藤蘭の「普通の女の子の戻りたい!」や

「誰の目にも触れないように孤独に耐えていきたい」という発言には事務所に対する皮肉と

彼女たちの精一杯の抵抗が込められていると思うのだが、3人は別としてもいまだに誰も

そのことを明確にしない理由はキャンディーズの所属事務所が、いまだに業界で絶大な

影響力を持つ渡辺プロダクションだからであろう。


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またも想定外と甘い認識

2011-04-28 00:26:25 | Weblog

プレステ・オンライン、会員情報流出か 侵入され改ざん(朝日新聞) - goo ニュース
PlayStation Networkから個人情報流出、告知の遅れに批判も(マイコミジャーナル) - goo ニュース

 4月27日の毎日新聞夕刊の記事によると、今回の「プレイステーションネットワーク」の

個人情報が流出した経緯は、「セキュリティーの根幹の情報がハッカーのブログで公開

され、ソニーは1月、国外でハッカーを提訴。提訴という行為に反発を抱いたハッカー集団

が『情報は自由だ』とソニーへのネット攻撃を宣言し、欧州のプレイステーション公式サイト

などソニー傘下の複数のサイトが攻撃を受け、閲覧できない状態になっていたという。」

ハッカーを提訴する以上はそれなりの覚悟が必要なはずで、ソニーはハッカーの予想

される不正アクセスに対処できると甘く見ていたのかもしれないが、“セキュリティーの根幹

の情報がハッカーのブログで公開され”ている時点で既にソニーにはなす術が無いの

だから、事実上、全く意味の無い提訴が却って問題をこじらせてしまったようだ。


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『イリュージョニスト』 50点

2011-04-27 22:25:57 | goo映画レビュー

イリュージョニスト

2010年/イギリス=フランス

ネタバレ

‘所作’の甘い認識

総合★★☆☆☆ 50

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 独特の質感で味わい深い映像は一見の価値はあるように思われるが、顔の表情に拘っていた『塔の上のラプンツェル』を観た後に観賞したためなのか、全く顔のアップが無い『イリュージョニスト』に感情移入することは難しかった。
 もちろんアップが無い理由はジャック・タチが娘に遺した幻の脚本を使用しており、タチの作風を尊重したためだと想像できるのではあるが、主人公の老手品師のタチシェフが『ぼくの伯父さん』(ジャック・タチ監督 1958年)が上映されている映画館の中の、スクリーンのジャック・タチ本人が演じているユロ氏とタチシェフの邂逅のシーンではっきり分かるように、アニメのタチシェフよりもジャック・タチの動きのほうが素晴らしく、監督のシルバン・ショメが手を抜いたとは言わないまでも、俳優としてのジャック・タチを甘く見ているようにしか思えなかったし、そもそも少女アリスが可愛くないからアップにできないのではないのかと勘ぐってしまう。


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東京に原発を!

2011-04-27 00:07:51 | Weblog

石原知事「できっこない」 脱原発を批判(産経新聞) - goo ニュース

 「脱原発」を掲げた元社民党衆院議員の保坂展人が世田谷区長選で当選したことに

ついて石原慎太郎が「原子力に関する日本人の独特のセンチメントがある。風車とか

太陽光とか言うのはやさしいが、今の日本経済を支える電力の供給はできっこない」と

批判している。ここで言う“センチメント”というのは感情と訳して間違いないと思うが、

石原が言うように日本人が原子力の関して独特の感情があるとは思えない。あると

するならばアメリカによって2回も原爆を落とされたという“遺恨”という感情のみで、

原子力に関する好意的な感情などは思い出せない。それはともかく、少なくとも

石原には原子力に関して独特のセンチメントがあるらしいから、これでようやく

広瀬隆やビートたけしが言ってきたように東京湾岸に原子力発電所が建設されることが

現実味を帯びてきた。私が“支持”している石原慎太郎なら間違いなく今後4年の間に

原発の誘致に成功するだろう。他に手を挙げる自治体は存在しないのだから不戦勝だが。


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アドバイスを聞かない体質

2011-04-26 00:05:50 | Weblog

原発1・3号機周辺、高汚染 水素爆発で飛散か(朝日新聞) - goo ニュース
東電賠償、国負担も 政府検討(産経新聞) - goo ニュース

 チェルノブイリ原発事故当時に旧ソ連の原子力発電所に勤務していたウラジーミル・

アスモロフが2011年4月25日の毎日新聞朝刊のインタビューに答えている。

「原発事故は戦争のようなもので、確固たる権限を与えられた専門家が現場近くに

陣取って指揮すべきだ。首相官邸から指示を出すことは無理で、政府は専門家を支援

する役回りに専念すべきだった。/福島で最初の1週間に起きた出来事は原発事故の

『教科書』に書かれているもので、予測がついた。我々は訪日して日本側へアドバイス

したが、彼らは数日たつまで聞き入れようとしなかった。これはソ連時代の体験を

思い出させる。私はチェルノブイリ事故前の84年、当時のエネルギー相に原発の

重大事故を想定した研究が必要であると進言したが、『ソ連の原発は安全だ』と言われ

取り上げられなかった。日本政府や東京電力が『我々の原発は安全だ』と言い続けた

ことに似ている。」この証言からも分かるように日本政府は事故当初はアメリカの支援も

断り、ロシアのアドバイスも聞くことがなかった。このような明らかな失政に対しては

増税の話をする以前に政党交付金や国会議員定数の削減を経る必要があるだろう。


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『塔の上のラプンツェル』 80点

2011-04-25 23:58:34 | goo映画レビュー

塔の上のラプンツェル

2010年/アメリカ

ネタバレ

顔の表情の真意について

総合★★★★☆ 80

ストーリー ☆☆☆☆☆0点

キャスト ☆☆☆☆☆0点

演出 ☆☆☆☆☆0点

ビジュアル ☆☆☆☆☆0点

音楽 ☆☆☆☆☆0点

 一応‘ディズニーアニメ’という様相を整えているように見えるのではあるが、どことなく怪しさを感じる理由はポスターにある。それは勿論日本版のポスターではなくて、ラプンツェルとフリン・ライダーとマキシマスが睨みながら身構えているアメリカのオリジナルのポスターである。例えば、監督であるバイロン・ハワードの前作『ボルト(Bolt)』(2008年)の主人公である犬のボルトの顔と馬のマキシマスの顔を比較してみるならば、明らかにマキシマスの顔の方がキツいのだから、顔のキツさは監督の作風ではなくて意図されたものであろう。オリジナル(輸入盤)のサウンドトラックに映し出されているラプンツェルとフリン・ライダーも睨んでいるところを見ると、どうやらこの2人は性格に問題があるようなのである。
 そもそもラプンツェルの育ての親であるマザー・ゴーテルは‘悪者’だったのだろうか? マザー・ゴーテルが長い間大切に育てていた魔法の花のおかげで王妃もラプンツェルも助かったはずであり、その魔法の花を勝手に摘んでいったのは国王の方である。自分の若返りのためとはいえラプンツェルを18年間も大切に育てたのはマザー・ゴーテルであり、彼女はラプンツェルに正確な誕生日を教えてあげるほど優しい。塔の上に閉じ込められていた割にはラプンツェルは大泥棒のフリン・ライダーとフライパンで渡り合えるほどたくましい。
 ラストは城からラプンツェルを‘盗んだ’マザー・ゴーテルと、城から王妃のティアラを盗んだフリン・ライダーとの‘盗人’同士の争いの末にとりあえずの決着をみるのであるが、ラプンツェルとフリン・ライダーが向かう城にいるのは魔法の花を‘盗んだ’国王と王妃ということで、『Tangled』という原題を持つ『塔の上のラプンツェル』はまさに‘混乱した(Tangled)’物語なのである。
 ‘泥棒’たちに囲まれた環境で過ごすプリンセスの本性が顔のキツさに現れており、本来ディズニー作品ではありえない決してハッピーエンドにならないような雰囲気がクエンティン・タランティーノが本作を高評価した理由だと思う。


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“危険水域”について

2011-04-25 18:53:14 | Weblog

オセロ、2人揃って体調不良…生放送欠席(サンケイスポーツ) - goo ニュース
オセロの中島知子さん、体調不良で休養(読売新聞) - goo ニュース

 何においても危険水域というものがあって、例えばある程度太ってしまったとしても、

適度の食事制限と普段より多めの運動を心がければ苦労しなくても痩せて元に戻れる

範囲が“危険水域”だとするならば、その区域を遥かに逸脱してしまった場合は簡単に

元に戻ることは難しくなる。最近の中島知子を見ていると明らかに“危険水域”をオーバー

しているように見える。もちろん本来の女芸人というスタンスに立ち返って笑わせるために

敢えて太っているのであるならば問題ないのであるが、突然の番組降板や、体調不良で

復帰時期未定であるということなどを鑑みるならば更年期障害の可能性がある。


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選んだけれども選ばれない人

2011-04-24 00:01:19 | Weblog

南相馬市長と志津川病院の医師、「世界の100人」に(朝日新聞) - goo ニュース
「もう帰るんですか!」被災者軽視に怒り 菅首相平謝り「反省」連発(産経新聞) - goo ニュース

 菅直人が話した福島県大熊町の7人は、首相に好意的で大人しそうな“良民”として

あらかじめ選ばれていた人たちだったということは誰が見ても明らかだったのであるが、

当然のことながら“不良民”たちが黙って首相を帰すわけがないということが分かって

いなかったという事実こそが、菅直人の“危機管理能力”の欠如を証明してしまっている。

ところで米タイム誌が21日の特別号で発表した今年の「世界で最も影響力のある100人」

の中に、福島県南相馬市の桜井勝延市長が選ばれているのに、何故もっと頑張っている

はずの日本の首相の菅直人が選ばれていないのか本人は考えたことがあるのだろうか?

ここは世界で最も影響力のある100人の一人である桜井勝延市長に政権を託してみては

どうだろうか、マジで。


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