ザウルスの法則

真実は、受け容れられる者にはすがすがしい。
しかし、受け容れられない者には不快である。
ザウルスの法則

超音波で自閉症?(12) 超音波と自閉症の平行増加現象

2022-08-18 15:01:28 | 電磁波

超音波で自閉症?(12) 超音波と自閉症の平行増加現象

以下の記事は、ULTRASOUND AND AUTISM の第一章を元にしている。

 

胎児超音波が自閉症スペクトラム障害(以下、自閉症 ASD と表記)の原因ではないかと、研究者の間では長らく疑われていた。自閉症 ASD は遺伝的要因だけでは説明がつかないので、やはり胎児や母体に対する外部からの環境的影響があるはずだった。

米国では1970年代末期から 自閉症 ASD が急増し、社会問題になった。

しかし、これにやや先立つかたちで1975年から「出生前超音波検査」が全米で広く実施されるようになっていた。

自閉症 ASD は、出生前における脳の機能障害に原因があると考えられており、研究者たちは、この不穏な流行病の原因を突き止めるために、当時から遡ること30年間における胎児をとりまく環境中の変化をシラミ潰しに調査した。

 

超音波のエネルギーが、哺乳類の胎児の脳の発達を阻害したり、傷害を与えることが一部の研究者によって証明された。人間の胎児での実験は倫理に反するという理由で動物の胎児を使った実験であるため、超音波が自閉症 ASD の直接の原因であると決定的に証明したことにはならない。

「動物実験じゃ、証明したことにはならない」とはいえ、だからと言って、これが米国の政府機関によって集計された統計的な証拠を無視する理由には全然ならない。

 

その統計によれば、妊娠中の超音波の使用の増加と自閉症 ASD の増加との間の強い相関関係は明白であり、とても偶然としては片づけられない。これはもう因果関係と言ってもいい関係である。

 

しかし、毎日仕事で「超音波を使う産科医」と、セールスに余念のない「超音波機器メーカー」が、「既得権益上の超音波無害論者」として立ちはだかる。「既得権益上の」と言うのは、既得権益としての超音波機器に自分たちの職業、収入、社会的地位が懸かっているからである。今日の産科医はその仕事をほぼ全面的に超音波機器に依存している。昔ながらの、妊婦の腹の触診で胎児を診断できる産科医は21世紀にはとうに絶滅しているだろう。

超音波と自閉症 ASD の因果関係が証明されてしまったら、今まで通りに超音波機器は使えなくなり、そして超音波機器も売れなくなるだけでなく、製造物責任を問われるリスクもある。彼らにとっては一大事だ。

そのため、とにかく「超音波はX線ではないので、無害で安全です」という「空疎なプロパガンダ」を繰り返すことになる。しかし、客観的・科学的な証拠に基づいて、超音波の安全性が証明されたことはただの一度もない。彼らがすべきことは、この「超音波の安全性の証明」である。立証責任は、本来、潜在的加害者である既得権益勢力の側にある。

これを一切せず、「超音波の有害性は証明されたことがない」という根拠薄弱な論を繰り返すのは、実は、すでに「逃げ」のモード に入っているのだ。

つまり、「超音波の有害性を100% 証明してみろ!」というのは、科学的追及によって追いつめられている者の、時間稼ぎの「逃げ口上」なのだ。

「Catch me if you can! :捕まえられるものなら、捕まえてみろ!」という、「詐欺師の捨て台詞」なのである。

あわよくば逃げ切るつもりの 既得権益勢力 は、

「動物実験は人間じゃないから、話にならない」

「超音波が有害であることはまだ100%証明されていない」

「超音波と自閉症との平行増加現象は、単なる見かけ上の偶然かもしれない」

「自閉症の原因が遺伝である可能性を完全に排除することはできない」

等々、「往生際の悪い逃げ口上」をボソボソと繰り返すのだ。

 

 

自閉症 ASD と超音波の平行増加現象について、2012年に J.S. Abramowicz 博士 は、「超音波と自閉症:関係、繋がり、それとも偶然?」と題する論文で論じた。

同博士は、産科婦人科医であり、「WFUMB:医学と生物学における超音波のための世界連合」の下部組織の「生体効果と安全性委員会」の代表でもある。彼はこの「平行増加現象」について、以下のように言う。

「現在、自閉症 ASD が世界における大きな健康問題になっていることは論を待たない。過去20年の、自閉症有病率と出生前超音波の使用の平行増加現象は誰の目にも明白である。しかし、ここでわれわれは次のように問う必要がある。この2つの現象の間には因果関係があるのか、それともこれは単なる偶然なのか?と。

統計データは疫学研究の根幹である。上のグラフが示すように、米国における自閉症 ASD の人間の数は1991年以降着実に増加している。この現象は遺伝的要因によっては説明できない という点で、専門家たちの意見は一致している。そして、一つか複数の何らかの環境的要因に起因している はずだという点でも彼らは同意見である。

2014年の「CDC:米国疾病予防管理センター」の報告書によれば、自閉症 ASD の世界的有病率は、1960~70年代に実施された最初期の疫学的調査の結果から20~30倍の増加を見せている。この報告書では、特に米国での急激な増加に言及している。この2014年の報告書の一部を整理してみると、自閉症有病率は、以下のような推移を見せる。

 

2008年 → 2010年:  2年で  29%増

2006年 → 2010年:  4年で  64%増

2002年 → 2010年:  8年で 123%増

 

これほどの増加率からすると、自閉症 ASD の爆発的流行の原因を遺伝的要因に求めるのは、まったくのお門違いである。統計学的研究者のほとんどは、以下の2点において意見を同じくしている。

1) 自閉症 ASD の有病率は、勢いを止めることなく上昇している。 

2) 遺伝的要因も、診断基準の変化も、見落としの減少も、どれも、この着実な上昇を説明できない。

 

では、「出生前超音波原因説」はどうなのか?

超音波物理学者である William D. O’Brien Jr. 博士によると、超音波のリスク評価には、患者が受ける超音波の被曝量を算定する必要があるが、これは、以下の理由で、意外に難しい。

1)患者が受ける超音波検査の回数は、一般的にはっきりしない。 

2)1回の検査で異なるタイプの超音波機器を使用するケースがある。同一の超音波機器でも、グレーのBモード、3D画像、4D動画、ドップラーモードと切り替えられる。 

3)患者に照射される超音波のエネルギーは、検査のタイプによって異なるし、検査するオペレーターによっても異なる。

 

このように、そもそも検査ごとの照射量の正確な計測と記録ができていないことが、超音波照射の統計的な実態把握を困難にしている。これはこれで問題である。とはいえ、1971年から現在までに超音波の使用が劇的に増大していること自体を裏付ける証拠はある。米国 FDA による、1971年と1974年に米国の医療施設で実施された調査によれば、両年のあいだの3年間に、超音波の使用は、ほぼ200%(つまり、3倍に)増加した。1971年では、超音波診断を実施している病院は、全体の12%に過ぎなかった。それが、3年後の1974年では、35%に跳ね上がった。同年の1974年に超音波診断が行われている産科医療施設は16%に及び、同年の全米の妊婦のうち、およそ3分の1はそうした病院において出産している。

上記の O’Brien 博士は、超音波診断機器の販売数の増加と、超音波診断件数の増加のデータをもとに、以下のような予測を1984年に立てた。

「現在、米国のすべての妊婦のおよそ半数が超音波診断を受けているとするならば、そして、その受診が年に10~25%のペースで増加するならば、2,3年のうちには実質的にすべての胎児が超音波で検査されることになるだろう」

O’Brien博士の予測は正しかった。2008年に Douglas L. Miller 博士はこう書いている。「今や先進国でも新興国でも、産科ではほとんどすべての妊婦と胎児は超音波を照射されている」

1回の妊娠期間中に受ける超音波検査の回数も増えている。2013年の調査によれば、米国では妊婦は妊娠期間中に4~5回の超音波検査を受ける。イギリスとオーストラリアは2回であるが、日本は14回で、40年以上不名誉な独走を続けている。日本の産科医がやっていることは、まさに「国家的人体実験」である。

 

出生前超音波は、胎児に大きな異常が疑われる場合に診断を助ける医療的診断ツールである。しかし、上記の O’Brien 博士はこう指摘する。「妊婦と胎児への超音波照射は、これといった特別な医療的必要性があってではなく、定期的な妊婦健診における単なるルーティンワークとして実施されている」

1990年初頭に「NHI:米国国立衛生研究所」が資金援助した大規模な調査がある。低リスクの妊娠にもルーティンワークとなっている超音波検査が胎児にとって果たして利益になるものかどうかを確かめるものだ。37,505人の妊婦を対象にした「RADIUS:ルーティン出生前超音波画像診断調査」と呼ばれるこの調査の結果は、「ルーティンの超音波検査によって、新生児の誕生の際の有害事象もしくは、母子の健康状態に起こり得る有害事象が低減するようには思えない」 というものであった。つまり、低リスク妊娠の場合、ルーティンの超音波検査のメリットは疑わしいという結論 であった。超音波検査には当然費用がかかっているわけだが、メリットのあまりない検査に費用と時間と手間をかけることの意味が疑問視されたのである。

この 費用対効果の視点 は、日本の医療には大きく欠落している。「検査」によって情報が増えれば増えるほど、より良い医療が可能になるはずだという思い込みにもとづく、検査至上主義 が日本の医療を支配している。そして、これは必然的に 検査に伴うリスクの軽視・無視につながる。

この根底には、日本人の「危機管理意識の欠如(平和ボケ)」がある。「危険なギャンブル」をしている意識が、病的に欠落しているのだ。

 

米国の産科医療に、この過剰で、ルーティン化した、不必要な、出生前超音波はいったいどのようにして根を張ってしまったのか? Filly 医師と Crane 医師はこう語る。

「米国の多くの産科医はこの頃には自分たちなりの価値判断にもとづいて、超音波検査を妊婦健診に次々に組み込んでいた。妊娠中の1回の超音波検査が “good” ならば、2回は “better” だし、3回、4回、5回は “best” だろう、と思う産科医がいたとしても何ら不思議はない。それでも、米国では妊婦健診の度ではなく、妊娠期間中にせいぜい4,5回止まりだった。

しかし、日本では超音波検査は妊婦健診の度になり、目いっぱい全開の、最大限の14回がそのまま標準となった。これは、有り金全部を賭けているに等しい。これはとんでもないギャンブルなのだ。日本に生まれる子供の精神的な健康状態を丸ごと賭けているのだ。そして、どうだ、現に「自閉症 ASD の爆発的増加」という、莫大な損害が累積しているのではないか?

 

 

超音波検査の意味を疑問視する、米国政府機関である NIH の調査結果が出た頃には、米国の産科医にとって、超音波の普及と回数の増加は、「多大な収入源」に結びついてしまい、超音波検査のルーティン化と回数の増加の流れは、もはや押しとどめることができなくなっていた。

ある意味で、超音波機器の登場は、産科医にとって「空前のタナボタ」だったのだ。産科医はこの「職業上の最大の宝」にしがみつき、どんなに超音波の危険性を指摘されても、耳を貸さないのだ。そして、そこに医療機器メーカーの「利権」がからみ、医者とメーカーの「癒着が構造化」してくる。こうした流れは日本もまったく同じである。

 

米国では、超音波の潜在的な危険性を憂慮する科学者や医師が各方面から声を上げている。しかも、政府までもが超音波の有効性を疑問視して大規模な調査を実施している。一方、日本では戦後、何と厚生省が産科医療への超音波導入を後押しし、産科医は喜んでおかみ(日本政府)の敷いたレールを走るという歴史があった。超音波の潜在的危険性を研究し、指摘し、警告する医師も研究者もほとんどいなかった。建前としての「超音波の安全性」を論じる医師や研究者はいたが、現状を根底から問うような論は皆無であった。

母子の安全と健康を謳いながら、その実、産科医にとって超音波機器は、自分たちが楽して儲かる「打ち出の小づち」だったのだ。

実際、超音波による胎児の視覚化、画像化よって、さまざまな医療分野の中でも、産科医の仕事は特権的に「楽」になった。こうして、超音波による胎児へのリスクを度外視した非倫理的な産科医療は、日本という国で最悪のかたちで展開した。ちょうど監視カメラと顔認識の技術の利用が、中国という全体主義的監視国家において最悪のかたちで展開したように。

 

2002年、Tariq A. Siddiqi 医師は、妊娠初期の頻回の超音波曝露について警鐘を鳴らした。「毎年米国に生まれる400万人の子供のほとんど全員が子宮内で出生前超音波を照射されている。生殖補助医療(妊娠を成立させるためにヒト卵子と精子、あるいは胚を取り扱うことを含むすべての治療あるいは方法)が適用される場合、ヒトの胚は妊娠初期に超音波を4回~6回照射されることがある。これだけの曝露は、胎児に対して潜在的な生体作用を及ぼし、それは何十年も表面化しない可能性がある。」

 

2007年、J.S. Abramowicz 博士は、超音波機器の進歩に伴う、出力の危険な増大を、以下のように見積もっている。「米国のみならず、多くの国々で妊婦は超音波を照射されている。そのほとんどはBモードというグレーの画像の超音波である。しかし、しばしば カラー画像や、スペクトラルドップラーモード も使用され、それらははるかに大きな超音波エネルギーを照射し、その出力はBモードのおそらく100倍もしくは1000倍である。」

グレーの画像がBモードで、胎児の断面を画像化している。

以下は、ドップラーモードの画像:血流が方向によって色分けされてリアルタイムでわかる。ちなみに、カラーの3D画像も、ドップラーモードも、開発して世界で最初に実用化したのは日本のメーカーである。

さらに、妊婦の膣に挿入する経腟プローブの世界初の開発・実用化も、情けないことに、やはり日本人なのである。(-_-;) このプローブは海外では「診断的レイプ」と呼ばれることがある。

胎児への危険性を顧みず、ひたすら、より鮮明で、よりすぐれた画像化を追求する日本人ならではの恥ずべき業績の数々である。

 

米国等での胎児の記念画像・動画を提供する、街の エコースタジオ の人気ぶりは、超音波の過剰な使用のどぎつい典型例である。「WFUMB:医学と生物学における超音波のための世界連合」 の2010年のシンポジウム後に同団体の方針として以下の声明を公表している。

「安全性を裏付ける証拠がない現在、胎児に対する超音波の照射を最小限にするために注意が払われるべきである。超音波検査の安全性が保証できないいじょう、医療的なメリットのない超音波の使用は避けられるべきである。」

 

「ISUOG:産婦人科超音波国際協会」 は2010年に、そうしたエコースタジオでは顧客を喜ばせるために特に 胎児の顔 を集中的に、しかも長時間照射する傾向があり、それが結果的には傷つきやすい胎児の脳を一層危険にさらすことになると警告している。

再三指摘しているが、日本ではこの海外のエコースタジオがやっていることを、もう何十年も産科病院がやっているという異常な現実がある。海外での超音波についての警告 は、日本の厚生労働省にも、日本の産科医の耳にもまったく届いていないのである。特に日本の超音波のトップクラスの研究者たちには 馬耳東風 である。彼らは超音波についての海外の科学常識に頑迷に背を向け、耳を閉ざし、ひたすら既得権益温存と自己保身に汲々としているのである。

超音波の危険性をここまで無視して突っ走っている国は、恥ずかしながら世界でも日本だけである。そして、その事実を知らされない妊婦が繰り返し繰り返しエコーを受け、スマホにダウンロードしたり、 SNS にアップロードしている。

 

多くの妊婦は健診ごとのエコーを楽しみにすらしている。「超音波安全幻想」はもう半世紀以上、日本をすっぽり覆っているのだ。

 

 

「胎児超音波」と「自閉症ASD」との因果関係 は、米国における両者の歴史を辿って裏付けることができる。

 

1950年代:  産科超音波は、誕生したばかりであった。

1954-1950年代末:  米国における自閉症とみなされる事例は、1万人に3人であった。

1970年代初頭まで、米国では産科超音波は、ごく限られた数の医療センターにあるだけであった。

1975-1995年:  リアルタイムスキャニングの登場によって、超音波検査機は有望な商品となった。次の20年間爆発的に売り上げ台数を伸ばし、世界市場を拡大する。

1980年代:  自閉症ASDは増加を見せ、1990年代には1万人に30人になる。1950年代からの30年で10倍になったことになる。

1981年:  米国だけで、この年に4000台の超音波機器が購入された。「市場は次の20年間も爆発的に拡大し続けた。」

1988-1989年:  米国環境保護局は、この年を自閉症ASDの上昇曲線におけるスパイクと規定した。この年は、「自閉症ブーム」 の年とみなされている。

1992年:  FDAは産科超音波の出力の上限を、それまでの8倍に引き上げた。超音波機器メーカーにとって、より鮮明な画像が得られるデバイスの製造によって更に売り上げを伸ばすためには、FDAのそれまでの制限がネックだったのだ。この「FDAの出力8倍」は、胎児の安全性についての多方面の懸念を深めることとなった。

1992-2007年:  この期間に、米国では自閉症児の数の、ほとんど爆発的なほどの増加があった。

1995-2006年:  この期間に、米国の出生前超音波の平均検査回数は80%増加した。

 

 

「自閉症ASDの有病率の増加」は、「妊娠期の超音波検査の回数の増加 と 超音波機器の出力増大」に同期している。

超音波の加熱作用や他の物理的ストレスに胎児の脳がさらされると、神経発達のすじ道が攪乱される。これがのちに子供の異常行動として発現する。超音波の照射ビームの強度や、照射を強く受ける脳の部位や、照射時間の長さや、照射時の妊娠の段階といったさまざまな要因の組合せによって、結果として発現する症状も実に多様となる。実際、自閉症 ASD の患者の症状はみな同じようでいて、一人一人、他の患者と微妙に違うのだが、これは、超音波の照射条件の組み合わせパターンがほとんど無限であることによる。

良心的な超音波研究者と産科医は、人間の胎児への超音波の影響の調査研究の必要性を繰り返し訴えてきている。2008年に、J.S. Abramowicz 博士は 「診断超音波による有害事象を評価する、厳格に実施された疫学的研究が乏しい」 と嘆いている。そして、理想的な実験を提案している。「被験者集団の半数が胎児超音波を受け、残りの半分は受けない、という大規模な疫学的調査研究を実施すれば、超音波に有害な影響があるかどうかがはっきりするはずだ」 と。米国では、そのような比較調査は実際上実行不可能である。なぜならば、出生前超音波検査は、今日、すべての妊婦にとって標準化されているからだ。

しかし、幸運なことに、このような2つの集団はすでに存在する。一方は全員が超音波検査を受けている集団、そして他方はもちろん、超音波に一切さらされていない集団である。人類が誕生して以来、20世紀半ばになるまで、母親の胎内の赤ちゃんは超音波にさらされることはなかった。自閉症は1946-1964年のベビーブーム以前の世代には稀であった。超音波機器が世界的にふつうの医療機器としてまかり通るようになる1980年までは、自閉症は1万人に3人以下の珍しい病気だった。しかし、今日では自閉症は米国のほとんどどの家庭の一部になっている。

2015年では、米国の68人の子供のうち、1人以上が自閉症 ASD と診断されている。2021年では、45人に1人となっている。超音波にさらされた集団と、さらされていない集団との明白で劇的なコントラストはずっと無視されてきた。超音波にさらされた胎児のその後の自閉症の莫大な増加に対して、7千800万人のベビーブーマーのうちの自閉症のケースはほぼゼロという事実は、胎児の脳に対する超音波照射が、年々増え続ける自閉症 ASD の原因である ことを示す統計学的に観察される揺るぎない証拠である。

自閉症 ASD は、遺伝的な病気などではない。これは明らかに 人為的な流行病 である。

 

「推定無罪」?

しかし、これだけ有害性が疑われている超音波に対して、何らの規制も歯止めもないというのはいったいどういうことか?

ここにはどうやら「推定無罪」の原則が背景にあるように思われる。「疑わしきは罰せず」である。

「超音波が有害であることが証明されない限り、超音波は無害である」という倒錯した論理によって、「既得権益勢力」が保護されているという構図が透けて見える。ここで「既得権益勢力」とは以下の3者である。

1)産科医集団:超音波機器無しにはもはやほとんど仕事ができない。

2)医療機器メーカー:莫大な投資、世界市場での好況

3)厚労省(政府):胎児超音波を推進し、海外の警告を無視し放置していた責任

 

「立証責任は、常に被害を訴える側にある」という発想じたいがおかしいのではないか?

まず、「推定無罪」の原則 は、個人の人権を守る上では妥当である。しかし、個人ではなく、企業、団体、組織、自治体、政府といった「法人」にそのまま適用できるものであろうか?しかも、公衆の生命・健康に関わる深刻な問題の場合にも、「推定無罪」の原則だけでいいものだろうか?

法人は、公衆に多大な被害を与える加害者になりうる。例を挙げよう。ある化学工場が廃液を川に流し、それによって住民に被害を与えたとしよう。被害者側の住民は、その廃液が被害の原因であることを100%証明しなければ、毎日の廃液の放出を止めることができないのであろうか?化学工場は、自社からの廃液が住民が主張する被害の原因であることが完全に証明されるまでは、いくらでも好きなだけ垂れ流し続けることができるのであろうか?

実際、タバコ会社がそうであった。覚えているだろうか?タバコ会社は潤沢な資金で科学者や弁護士を動員し、何年にもわたって、「時間稼ぎ」をしたものだ。同じことを、今、「超音波機器」の既得権器勢力がやっているのである。

 

公衆の生命・健康に関わる問題の場合、「個人」に適用される「推定無罪」の原則を、「法人」にも同じように適用することには、根源的な誤りがある。法人にもいろいろあるが、公衆に対する加害者となった場合、その被害の規模は大きく、社会的な影響も大きい。特に環境汚染の場合、被害が途方もない規模に広がるリスクがある。

そのため、法人からの潜在的な被害をできるだけ防ぐために、予防的な原則を立てる必要があるのではないか?

「予防原則(Precautionary Principle)」については、Wikipedia に以下の説明がある。 

国民の健康よりも、経済発展や技術革新を優先する日本や米国のような国では、簡単には受け入れられないだろう。しかし、自閉症ASD がここまで増え続けている今日、「推定無罪」の原則でほっかむりしている 産科医集団 と 医療機器メーカー と 厚労省 を放置していて、いいものだろうか?

「疑わしいものはすべて禁止」という極端なアプローチではなく、「疫学的調査によって、因果関係が合理的に推定され得る場合」という条件を付けてもいいだろう。

 

潜在的加害者の側の立証責任

「疫学的調査による推定」という、この条件をクリアしたら、立証責任は、潜在的加害者である法人の側にも発生することになる。公衆への被害の原因と疑われるものについて、「100%安全」であることが証明されるまでは、その原因の公衆への曝露を制限もしくは禁止することになるだろう。当然だろう。

そういったかたちで予防原則を適用し、何らかの規制をする必要がある。

 

しかし、第一にすべきことは、おそらく以下のことである。

 

インフォームドコンセント

妊婦に対する「インフォームドコンセント」を、産科医に義務づけること。

産科医は、超音波検査の潜在的リスクを、検査前に妊婦に「超音波検査のリスクについて」と題した書面で伝えること。以下はその一例。

その上で、以下のアンケートに、個々の妊婦患者に書面で回答を求める。

1) 超音波検査を受けるか、受けないか?

2) 「受ける」場合、妊娠期間中に受ける超音波検査の希望回数は何回か?

3) 「受ける」場合、経腹検査、経腟検査、ドップラー検査のうち、希望するのはどれか?

4) 「受ける」場合、医療的意味の乏しい、娯楽の3D、4Dの超音波検査を希望するか、しないか?

 

以上のアンケートへの書面の回答にもとづき、妊婦の意向を尊重しつつ、産科医は妊婦健診を開始する。

 

要するに、産科医に「インフォームドコンセント」を義務づけるということだ。いきなり超音波検査を禁止するというのではない。

「妊婦の選択権」を尊重するということだ。不合理なことだろうか? 無理な注文だろうか?

とにかく、できることから始めるべきである。

他にもいろいろな方法があるだろう。ぜひお寄せいただきたい。

 

コメント (17)    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 超音波で自閉症?(11) ... | トップ | 超音波で自閉症?(13) ... »

17 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
Unknown (海)
2022-08-18 16:54:48
発達障害という言葉は、もう耳に慣れすぎて気軽に言葉にできるようになってますね。

正面から「自閉症」と言うのは差別的で言いにくいけど、発達障害というとセーフみたいな感じ?
自閉症にも軽度から重度があるだけのことを、軽度のものに幾つも名前をつけて、それらを自閉症という疾患から何とか離そう離そうとする感じ?

そう、因果関係を明瞭にしないで逃げる作戦プラス、もう一つやってるのは「発達障害は病気じゃなくて個性です」的な、差別はいけませんの方への誘導です。

健常者はどうしても(他人は特に)、そういう子やその家族に対して、腫れ物に触るような対応をしてしまうので、この「病気じゃなくて個性です」は有難く、受け入れやすいのです。
明らかに病気なのに、そう言ってはタブーの方がラクで摩擦がない。

原因究明や犯人捜しは、これは明らかに疾患でしょ?健常じゃないでしょ?と認めることが大前提なのに、まずもってこの前提をうやむやにする大作戦がとられてます。
何から何まで、したたかに動いている気がしてなりません。
海 さま (ザウルス)
2022-08-18 20:18:09
当ブログでは、自閉症スペクトラム障害 に関するすべての問題を扱うわけではありません。

当ブログでは、自閉症スペクトラム障害 の患者の治療や日々の問題についての解決案等については一切触れません。

当ブログでは、自閉症スペクトラム障害 については、その原因解明と、発生予防だけを論じます。
発信する場と相手を考慮せよ (哀れな素人)
2022-08-19 10:43:36
ものすごく重要な問題なのだから、こんなブログで発信しても意味がない。
医療関係のジャーナリストに訴えるとか、youtubeに動画を上げて訴えるべきだ。

それと記事が長文過ぎる。こんな長文記事は一般大衆は読まない。こんな長文は一般大衆への啓蒙にはならない。

ブログ主がインテリであることは分る。
しかしインテリ向けに語ってはならない。
一般大衆に向けて語るべきである。
哀れな素人 さま (ザウルス)
2022-08-19 12:19:50
貴重なご意見をありがとうございます。

この記事は12本目です。わかりやすい1本の記事だけで人々を啓蒙できるとは思えません。
さまざまな切り口で真相を解明する必要があると思っています。動画もすでに2本公開しています。YouTube はアカウントを剥奪されていますので、ODYSEE、ニコニコ動画ですが。

「ものすごく重要な問題なのだから」というフレーズが頂けて、報われる思いです。ありがとうございます。
この問題は特に女性にとって非常に切実なことだと思います。その意味で、女性週刊誌で取り上げられるのが突破口かと思っています。
とはいえ、わたしには何のコネもないので、こうやって、記事を書き続けることしかできません。 
Unknown (帝國臣民)
2022-08-19 15:11:37
ザウルス様の啓蒙毎度ながら鮮やかです。 胎児を電子レンジに放り込み、電熱照射で食材調理さながらの環境に曝す鬼畜どもの精神が私には理解不能の領域です。 幸い私は1971年産まれで、並の家庭で生まれ育ち、超音波診断とは無縁で居られました。 此処数十年知恵遅れ、精神薄弱児を多数見掛ける様に成り、親の因果かな?等とぼんやり考えて居ましたが、どうやら自閉症児
に関しては、ザウルス様の推測が当て嵌まる様です。 
帝國臣民 さま (ザウルス)
2022-08-19 21:20:04
ご指摘のように、電磁波への日常的な曝露も重大な環境被害です。超音波は主に胎児ですが、電磁波は胎児も含めて家族全員がかぶっています。この電磁波によるバックグラウンド被曝が、胎児、新生児、児童の成長・発達を大きく阻害していると考えられます。教室のWi-Fi、タブレット授業、スマホを使う小学生等々、トランスヒューマン化が進んでいますが、超音波による曝露では、トランスヒューマンにもなれません。
Unknown (シン)
2022-08-19 23:39:41
大人の超音波検査は問題がないのですか?
子供の事は、わかりますよ。
大人のエコーの害はほとんど害なしでしょうか?
大人のエコーが害があるなら大変な事になりますね。
直接的に肌に当てるのたから、器械を。
シン さま (ザウルス)
2022-08-20 00:01:47
大人には無害というわけではありません。
胎児を優先的に問題視するのは以下の理由です。
1)胎児の場合は、子宮の中で発達段階にあり、しかも脳はまだ柔らかい頭蓋骨の中で細胞分裂のさ中にあります。この無防備で脆弱な脳が超音波の照射を受けると、不可逆的な損傷につながり、それが自閉症等の発達障害として発現する可能性があります。
2)大人の場合、成長のプロセスは完了しています。
3)大人の場合、特に超音波が原因と考えられるような目立った障害の疫学的な報告は、胎児ほどはないと思われます。
Unknown (疑心暗鬼)
2022-08-21 13:36:40
お久しぶりです


もう既知かもしれませんが、、


確か、noteの中村篤史医師も、ブログ内の過去記事で胎児の超音波使用による影響の懸念、危惧を訴えてましたよね〜


胎児の発育段階の脳って、器の頭蓋骨と比較して密着しているわけではなく、当初は小さく、脳髄液の中に、プカプカ浮かぶ状態で段々と頭蓋骨と共に大きく成長しそして頭蓋骨に密着するような形になるんじゃなかったでしたっけ、、


もし、プカプカと髄液の液体の中を浮かぶ状態ならば、外部からの超音波の経験した事のない振動波で所謂、撹拌、シェイクされ、発達段階の脳神経、シナプス回路やら皮質が、グチャグチャにされたり、異なる組織同士が衝突し合い、組織の破壊を招いてしまうのでは⁇と考えてしまいます


唯物の価値観のハイテク産物に浸される事のない大自然の恩恵を享受する生命の神秘の誕生の姿は、もう望む事は不可能なのでしょうかね〜


人間は愚かです
Unknown (kyo)
2022-08-21 19:11:15
ザウルス様

>当ブログでは、自閉症スペクトラム障害 については、その原因解明と、発生予防だけを論じます。

産婦人科医にとっての"金の卵"的存在のエコー検査器を今さら否定する事などする医者が居るのでしょうか?

大変重要な問題ですが、アメリカの論文で危険性については(恐らく)知っていながら14回ものエコー検査を実施していた同じ医者が今更インフォームドコンセント など法規制がない限りすることは無いでしょう?

原因解明と発生予防に不可欠なのは自閉症児を持つお母さん達の協力です。

以前の記事に自閉症児を持つお母さん達のコメントを沢山スクショされていましたね。
お子さんが叫ぶ、とか、赤ちゃんがぎゃん泣きをする、自分も時々叫びたくなる。。

世間から隔絶されているような孤独と将来への絶望の中で壮絶な生活を送って居られる方が沢山いらっしゃるのですよね。

自閉症の原因がエコー検査に依るということを証明するのに、
母子共に催眠療法を受けてもらったらどうかと思いました。
エコー検査が虐待(胎)行為だとしたら自閉症児が泣き叫ぶということが符に落ちると思いました。
彼らは愛情たっぷりに虐待されていたのですね?
人生が始まる前から。。。
大人でも、そんな仕打ちを受けて、死ななかったらストックフォルムシンドロームになるしかなく、その洗脳を解くのは大変なのに、胎児の時の、脳を含む全てが発達している時に愛情たっぷりにエコー検査を受けている母親に虐待を受けていたら、叫ぶしかないというのは解ります
また嬉々としてエコー検査を受けていた、知らずしらずにサイコパスのようなことをしていたかもしれない母親も、叫びたくなるような気持ちになるでしょう。。

もし自閉症の原因がエコー検査にあったのなら、催眠療法で妊娠中に戻って知らずに与えてしまった虐待について心から謝ることで何らかの改善が見えるかも知れません。

何が言いたいかというと、
原因解明と、発生予防の為には
現在自閉症で苦しんでいる方とその母親の声以外は期待出来ないと思うのです。

巨大な利権集団の医者や医療機器メーカーと敢えて戦えるのは被害者グループだけなので、被害者にとって有益な方法でエコー検査イコール虐待を証明出来れば、世間も注目するのではないかと思いました。

コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。

電磁波」カテゴリの最新記事