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青函貨物の全面撤退断念(北海道新聞2019年8月記事社説)東京~札幌間物流を最優先に

2020-10-26 | 鉄道
北海道新聞 2019年8月20日付記事
「青函貨物の全面撤退断念 国交省 新幹線高速化に課題残す」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/336172?rct=n_jrhokkaido


国土交通省は、2030年度末の北海道新幹線札幌延伸時の高速化に向けて、
有望視していた青函トンネル前後での貨物列車の全面撤退案を断念し、
貨物列車を一定程度残す方向で検討に入った。
海上輸送など新たな輸送手段への切り替えを探ったが、
現状の貨物輸送量のすべてを置き換えるのは困難と判断した。


札幌延伸時は、時速140~160キロに減速する青函トンネルを含む
貨物列車との共用走行区間(82キロ)も残す見通しで、
運行ダイヤを調整して一定の高速化を図る。
国交省は本年度内にも方向性を示す。
共用走行問題の抜本解決で「札幌~東京4時間半」を実現し、
2031年度の経営自立化を目指すJR北海道には、逆風となりそうだ。


国交省は昨年秋から、貨物列車を共用走行区間から全面撤退させ、
海上輸送などに転換する案を本格的に検討。
しかし、農産品を本州へ移出する際、トラックで産地から港まで輸送する距離が伸びるなど
コスト高を懸念する声が農業界などに根強いほか、
運転手不足に直面する運送業界からの反対もあり、断念した。


国交省は、札幌延伸後も見据えて、一部の海上輸送化や
座席を設けない貨物専用新幹線の導入などを引き続き検討する。
(文章執筆:長谷川紳二氏)

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北海道新聞 2019年8月21日付社説
「青函」の将来像 観光と農業の両立望む
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/336503?rct=n_jrhokkaido

国土交通省が、北海道新幹線を高速化するために検討していた
青函トンネル区間の貨物列車全廃案を断念する方向になった。

北海道~本州間の貨物列車は道産タマネギなど
農畜産物の輸送に大きな役割を果たしている。
トラックと船への全面切り替えには無理があるとの判断は妥当だろう。


ただ、その代償として新幹線本来の強みである
スピードをフルに発揮できない状態が続くことは歓迎できない。


北海道新幹線は2030年度に札幌まで延伸される。
外国人観光客の増加に対応するためにも高速化は不可欠な条件である。

観光と農業は北海道経済の両輪であると同時に、日本全体の中でも重要な位置付けを占めている。
国はともにプラスとなる解決策を考えるべきだ。


青函の貨物列車を全廃した場合、人手不足が深刻なトラックへの依存度が高まり、
輸送を環境負荷の少ない鉄道に転換するモーダルシフトの流れにも逆行する。

とはいえ、新幹線と在来線貨物列車が同じ区間を走る現行方式がベストではないことも確かだ。

北海道新幹線の営業最高速度は時速260キロだが、
青函トンネルを含む共用区間では140~160キロへの減速を強いられている。

すれ違いの際の荷崩れを防ぐため、新幹線が速度の遅い貨物列車に合わせる形である。


このままではJR北海道が目指す東京~札幌間所要4時間半の実現は難しい。
札幌延伸による観光・ビジネスへの波及効果は減殺され、JR北海道の経営自立も遠のいてしまう。


解決策は、貨物列車の方を新幹線に合わせてスピードアップすることだろう。
国は貨物新幹線の実用化を急いでもらいたい。

青函トンネルの貨物列車走行の継続を国交省が決めるのならば、
JR貨物がJR北海道に支払っている「線路使用料」の在り方も見直す必要があるのではないか。


国は国鉄分割民営化の際、
採算性の低いJR貨物の経営を支援するため使用料を安く抑えるルールを導入したが、
今や経営難に苦しんでいるのはJR北海道の方だ。

82キロに及ぶ共用区間の走行本数は貨物列車の方が多いのに、
JR北海道は除雪や保守・点検の経費を十分賄えず、北海道新幹線の赤字が膨らむ要因になっている。


旧国鉄債務を返済してきたJR貨物への配慮は必要だが、
国鉄改革の制度設計のほころびは正さなければならない。

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ここでわたしの独断を。
          (2020年10月追記)


青函トンネル部分の貨物輸送全廃がなくなった事を、ますは支持したい。
東京~札幌間の「整備新幹線」が全通したところで赤字が消えることはあり得ないし、
まず優先されるべきは東京圏~札幌間の「物流」の強化・スピードアップだ。


重複するかもしれないが、再度自分のアイディアを紹介したい。

まず、現在も非電化区間の「新函館北斗~東室蘭駅」間を早急に電化すること。
負担は鉄建公団とJR貨物を中心に。
景観面・路盤面で難しそうな大沼公園ルートではなく、「砂原支線」を電化し、
東京~札幌間の機関車交換を無くしてスピードアップする。
(これを完了後に上野~札幌間に週1往復「サンライズエクスプレス」で運行すれば、
札幌市内のホテル不足に貢献するばかりでなく、「北斗星」等夜行列車ファンにも喜ばれるだろう)



「青函トンネル」など新幹線と在来線の共用区間は、
「新幹線用」と「在来線」を各専用線(単線)化して、風圧を遮るために防風壁を新規建設する。

これが完成すれば時速260キロは無理であっても、新幹線もスピードアップは可能になる。
ただし、木古内駅での上り線と下り線の列車交換は必要となる。


ここで、「新幹線」「貨物(在来)線」各単線化に慎重論もあることを記載する。
東洋経済オンライン 2020年3月9日付記事
『解決に大きな前進、新幹線「青函トンネル問題」~独自取材で判明した「貨物列車との共存策」』より転載
(執筆:大坂直樹 東洋経済記者)
https://toyokeizai.net/articles/-/335087?page=2

2019年秋ごろに関係者間で有力案とされたのが、
青函共用区間の上り線と下り線を新幹線と貨物列車がそれぞれ「単線の専用線」として活用する案だ。

これなら、新幹線が高速走行しても貨物列車に追いつく心配はない。
新幹線と貨物列車がすれ違わないダイヤを作って風圧リスクを抑えることも可能だという。

ただ、単線の新幹線規格は国内では前例がない。
長崎新幹線・新鳥栖~武雄温泉間でも単線案がアイデアの一つとして検討されているが、
JR九州の青柳俊彦社長は、
「複線と比較すると時間短縮、輸送力確保、ダイヤの安定性などで課題がある」として、
単線案に懸念を示す。
単線の場合は上り列車と下り列車が同じ線路を使うため、
上りでダイヤが乱れると、下りにも波及しかねず、
いつまでたっても遅れが解消しない心配があるからだ。 
  ↑
まず、経費削減&単線化をやってみろ、ってんだ。
9月の鉄道運輸収入(速報値)が前年同月比46.9%減(43億1200万円)だったんだろ?
2020年度の減収額が前年度比400億円なんだろ?
新幹線も聖域にしてる場合じゃねえだろ。
やりもしないで無理無理なんて駄々こねてるんじゃねえよ。



そこで、自分は妙案がある。
札幌までの開業時、運転系統を東北新幹線終点の新青森駅で「完全分断」するのだ。


現在の新函館北斗駅の定時列車の到着本数は「仙台発」が7・8・10時台の3本、
その他が「東京発」の1日10本だ。
現在、北海道新幹線は「札幌延長」を前提に所要時間を4時間30分に短縮することに
関係者が血眼(ちまなこ)になっている。

だが、忘れてはいけない事は、「新幹線 VS 航空機」のシェアだ。
サイト「時刻表の達人」に貴重な資料がある。
「新幹線vs航空、シェアが多いのはどっちだ! 2019年版全国区間別鉄道と航空のシェア比較」だ。
https://jikokuhyo.train-times.net/column/travel_share_2019

これによると、現在の東京~福岡間の「鉄道(新幹線)利用比率」はたった「9.2%」であり、
残る90.8%が「航空機」だ。

鉄道(新幹線)利用比率の目安によると、
0.0%~25.0%は「航空機がかなり優勢。航空機で旅行した方が良い。」 とある。
博多まで完成している山陽新幹線でさえこの比率である。
たとえ北海道新幹線が札幌まで延伸したとしても、首都圏から新幹線で乗車し続ける乗客比率は
「射して知るべし」だ。


また、サイト「鉄道つれづれ話」に、「4時間の壁のウソ」という題目があり、
自分もこれに賛同します。
https://blog.train-times.net/%E7%B7%A8%E9%9B%86%E5%BE%8C%E8%A8%98/20181122

九州新幹線直通列車や北海道新幹線など、
定期列車が昼間毎時1本しかないところでは、
新幹線が最速4時間では航空機に対して優位にならないように思う。

毎時1本しか直通列車がない場合は、3時間半の壁のような気がする。
(2019年2月5日付)
再検討した結果、新幹線の所要時間が3時間以内であれば航空機から需要を奪っているが、
3時間以上では航空機から鉄道へのシフトはあまり起こらないようだ。



また、新青森以北の「北海道新幹線」区間では、
2019年3月15日付で「車内販売」を廃止してしまっている。

JR北海道ホームページは、
https://www.jrhokkaido.co.jp/CM/Info/press/pdf/20190218_KO_Shinkansen%20Syahan.pdf


たとえ速くても乗車時間が4時間を過ぎるだけでなく、
食事や飲み物を買えずに乗車して、しかも車内で買えないという事態であれば
間違いなく「苦痛」だ。

ならばいっそ、すべての列車を「新青森」で分断してしまったほうが
・ダイヤ遅延のデメリットが減る。

・乗り換え時間が約30分あればトイレ・喫煙・お茶で充分な休憩が取れて、
 お土産屋、お弁当の店、カフェなど「駅ナカ商業施設」を
 広島駅コンコース並に拡充すれば飲食物の買い物にも有効だ。

 当然、青森市の雇用の場が新しく生まれる。
・昼間時で貨物列車が運行されない時間帯があれば、青森~函館間に
 乗り換えも特急料金もいらない「快速・海峡」(701系5000番車両)を2往復設定できる。


東京からの乗客ばかりを想定して、経費の無駄をこれ以上するのは「愚の骨頂」だ。


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何より、旅行代理店は北海道新幹線開業後は「札幌圏ホテルを1人で泊まれる出張パック商品」を
新規設定&充実させる事。


これがないと、東京~札幌間飛行機使用の比率は絶対に変わらないだろう。


以上。

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2019年8月24日付訪問者数:248名様
2020年10月26日付訪問者数:230名様
2022年 5月29日付訪問者数:178名様
お付き合いいただき、ありがとうございました。

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