今日は「ステイ・ホーム」の日です。 そこで、こんな記事を。
北海道新聞 2020年5月18日付記事 「ニセコのキセキ 第3部上」
「帰国できない『ニセコ難民』 解雇され困窮、支援を切望」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/421795?fbclid=IwAR3mTh146NbxhAGkiyGlupoRI0_RtB5qjEFHJB3t2UOz2hrrpGvpOgKoAIc
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、海外からの新規渡航は厳しく制限されている。
札幌では外国人旅行者の姿をすっかり見かけなくなったが、
ニセコ地域には、シーズンオフになった今もなお多くの外国人がいる。
■高騰する航空券に手届かず
英国人のスチュアート・バックランドさん(30)はニセコ地域に残る外国人の一人だ。
昨年11月に来日し後志管内倶知安町の旅行代理店で働いていたが、
コロナ禍で予定より1カ月ほど早い3月中旬に解雇された。
その後は、東京五輪スタッフとして働くはずだったが、延期で仕事が消えた。
母国に帰ろうにも減便された航空券の価格は高騰し、片道数十万円のチケットにはとても手が届かない。
ワーキングホリデーで来日した外国人は雇用保険の対象外のため、失業給付もない。
収入が途絶える中、1週間の出費を2千円にまで切り詰めたが、月3万円の家賃が重くのしかかる。
「新たな仕事が見つからない。今のままなら持ってあと2カ月」と不安げだ。
倶知安、同管内ニセコ両町によると、4月末時点の両町の外国籍住民数は前年同月より3割多い1551人。
リゾートを支えた外国人スタッフの一部が今、帰るに帰れず困窮する「ニセコ難民」になっていた。
世界各地から人を引き寄せ、成長を続けてきたニセコ。
コロナ禍はその様子を一変させている。
■「140人超が足止め」
「ニセコ地域では140人を超える外国人が職を失ったまま、今も足止めされている」。
後志管内ニセコ町で治療院を営むオーストラリア出身のブレント・バーコさん(40)は、
新型コロナウイルスの影響でニセコ地域に残った外国人の多くが窮乏していると訴える。
地域にとどまる外国人にインターネットを介して連絡すると、職を失った外国人の多くは帰国も困難な状況にあった。
約140人のうち50人以上が食費も底をつきかけているという。
■知事に窮状訴える手紙
バーコさんは外国人の窮状をまとめ、4月下旬に鈴木直道知事に手紙で支援を求めた。
「農家の手伝いや奉仕活動と引き換えに、社会保障の権利を与えてほしい」。
地元産業や行政も協力し、残った外国人を救えないかと声を上げる。
もっとも今、外国人が別の仕事を見つけるハードルは高い。
日本語ができないと採用の対象にならないものが多いうえ、ビザの制約も大きいためだ。
英国人のベイヤー・ジェラルディンさん(32)は
幼児向け教育の特殊技術を生かして働く「技術・人文知識・国際業務」のビザで来日した。
だが、勤めていた幼稚園を離職すると、ビザの制約から他の仕事に就けず、
手作り布マスクの個人販売で、糊口(ここう)をしのぐしかないという。
■あえて母国に帰らず
一方、感染収束後の観光復興をにらみ、あえて母国に帰らない選択をした外国人もいる。
4月下旬、後志管内倶知安町のアウトドア体験会社ニセコアドベンチャーセンター(NAC)では、
日本人と英国人の新入社員3人が、ゴムボートで川を下るラフティングガイドの訓練を受けていた。
指導するのはネパール人のビマル・イタニさん(25)。
日本語と英語を使い分け、救助用ロープの扱いなどを教えている。
ヒマラヤ山脈の急流でラフティングの経験を積んだ。
語学も堪能なイタニさんは顧客と従業員、外国人と日本人をつなぐ必要不可欠な人材だ。
NACは大型連休後も休業を続けているが、再開の日を見据え、新たなガイドの養成を続ける。
イタニさんは「お客さんはいつかきっと戻って来る。それまでは技術を高めるとき」と前を向いた。
■「冬に1年分稼ぐ」転換探る
ニセコ地域の中心地、倶知安町ひらふ坂の商業ビル「オーディンプレイス」では、4人のフランス人が残り、
営業する高級レストランの来シーズンの営業方針を議論している。
マネジャーのジェレミー・ボークーさん(34)は
「変化する状況の中でどんな戦略が必要か。考えるのが僕らの責任だ」と話す。
新型コロナの収束時期が見通せない中、冬の4カ月でほぼ1年分の稼ぎを生んだ例年のような営業は難しいとみる。
異国に残り、なお奮闘を続ける多くの外国人たち。
コロナ禍は、世界中からあらゆる人が集まることで発展する国際リゾートの姿を浮き彫りにしている。
国内の感染拡大が収束に向かっても、国境をまたいだ自由な人の移動が制限され続ける限り、
ニセコ地域の日常は戻らない。
(文章執筆:高橋祐二 氏)
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「ニセコのキセキ 第3部下」より 抜粋
■貸別荘、ターゲット絞り込み
新型コロナの影響の長期化を見越して、新たな動きを始めた事業者もある。
倶知安町の不動産業、北海道トラックスは今夏向けから、
日本国内に残っている外国人に対象を絞り込んで、貸別荘の利用を売り込み始める。
「外国人の多くは日本人より長く休暇を取る。 母国に帰るのが困難な今こそ、新たな市場を開拓したい」
(岡田英雄マネージャー)。
バブル経済崩壊、リーマン・ショック、東日本大震災…。
これまでにもニセコ地域は大幅な顧客減少に度々見舞われたが、
担い手の変更や新規顧客層の開拓で、次の発展につないできた。
パウダースノーの季節までに、多くの外国人富裕層が来られる環境に戻るのか、
それとも―。
ウイルスとの闘いの行方は、ポストコロナのニセコ像も左右する。
(文章執筆:宇野沢晋一郎氏)
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前回地元の知人とともにニセコを訪ねた時の、あまりの「バブル」な風景に呆気にとられた。
日本語よりも英語が主流。
外国人スキー客が、整備されていない「山」に入り込んで、遭難が続く。
ラーメン一杯の価格が3000円。
リゾートマンション(コンドミニアム)の購入価格が約20億円。 (誰が買うんじゃ!)
あまりにも正気を逸してた風景。
今思えば、それはやはり「異常」だったのだろう。
「クールダウン」の手段というには、あまりにも残酷なコロナウィルス・パニック。
だが、あの”富の偏在”のままでは、いずれ倶知安・ニセコエリア全体の産業が立ち行かなくなるのは目に見えていた。
まず地元の人が普通に暮らせる価格に戻すべきなのだろう。
従来通りアスペン(アメリカ合衆国) や サンモリッツ(スイス) のような高級リゾート地を目指すには、
インフラなど周囲の環境がつりあっていない。
北海道新幹線の札幌延伸は、コロナウィルス・パニックで2030年度はもう望んではいけない。
JR北海道は現状の環境で、新千歳空港~札幌~倶知安~ニセコ間に、
「週末リゾート特急」を運行する計画だってしなかったじゃないか。
ならば、上記の外国リゾート地並でなく、白馬(長野県)クラスで庶民が手に届く街づくりへの転換が求められる、と思う。
リゾートホテル&マンション(コンドミニアム)よりも、1泊1万円くらいの“ロッジ”中心の観光地へ。
英語だけで成り立つ町から、日英バイリンガルの町へ。
もちろん、今帰国せずに(できずに)ニセコにとどまる外国の人にも快適な環境は必要だろう。
そこを、バイリンガルに対応できる日本人スタッフの活躍をお願いすると良いのではないでしょうか。
道はまだ途中だ。 負けるなニセコ。
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そして、北海道内の桜も終盤を迎えております。
(本州じゃすでに真夏日を迎えており、「何のこっちゃ」とお思いの方もあるかと思いますが)
道庁赤れんが庁舎前で桜吹雪 (道新 NEWS )
このゴールデンウィークは帰りそこなったなあ……(涙)
来年こそは。
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2020年5月19日付訪問者数:325名様
お付き合いいただきありがとうございました。
(・・・・・・コワイ数字や)
北海道新聞 2020年5月18日付記事 「ニセコのキセキ 第3部上」
「帰国できない『ニセコ難民』 解雇され困窮、支援を切望」
https://www.hokkaido-np.co.jp/article/421795?fbclid=IwAR3mTh146NbxhAGkiyGlupoRI0_RtB5qjEFHJB3t2UOz2hrrpGvpOgKoAIc
新型コロナウイルスの感染拡大が続く中、海外からの新規渡航は厳しく制限されている。
札幌では外国人旅行者の姿をすっかり見かけなくなったが、
ニセコ地域には、シーズンオフになった今もなお多くの外国人がいる。
■高騰する航空券に手届かず
英国人のスチュアート・バックランドさん(30)はニセコ地域に残る外国人の一人だ。
昨年11月に来日し後志管内倶知安町の旅行代理店で働いていたが、
コロナ禍で予定より1カ月ほど早い3月中旬に解雇された。
その後は、東京五輪スタッフとして働くはずだったが、延期で仕事が消えた。
母国に帰ろうにも減便された航空券の価格は高騰し、片道数十万円のチケットにはとても手が届かない。
ワーキングホリデーで来日した外国人は雇用保険の対象外のため、失業給付もない。
収入が途絶える中、1週間の出費を2千円にまで切り詰めたが、月3万円の家賃が重くのしかかる。
「新たな仕事が見つからない。今のままなら持ってあと2カ月」と不安げだ。
倶知安、同管内ニセコ両町によると、4月末時点の両町の外国籍住民数は前年同月より3割多い1551人。
リゾートを支えた外国人スタッフの一部が今、帰るに帰れず困窮する「ニセコ難民」になっていた。
世界各地から人を引き寄せ、成長を続けてきたニセコ。
コロナ禍はその様子を一変させている。
■「140人超が足止め」
「ニセコ地域では140人を超える外国人が職を失ったまま、今も足止めされている」。
後志管内ニセコ町で治療院を営むオーストラリア出身のブレント・バーコさん(40)は、
新型コロナウイルスの影響でニセコ地域に残った外国人の多くが窮乏していると訴える。
地域にとどまる外国人にインターネットを介して連絡すると、職を失った外国人の多くは帰国も困難な状況にあった。
約140人のうち50人以上が食費も底をつきかけているという。
■知事に窮状訴える手紙
バーコさんは外国人の窮状をまとめ、4月下旬に鈴木直道知事に手紙で支援を求めた。
「農家の手伝いや奉仕活動と引き換えに、社会保障の権利を与えてほしい」。
地元産業や行政も協力し、残った外国人を救えないかと声を上げる。
もっとも今、外国人が別の仕事を見つけるハードルは高い。
日本語ができないと採用の対象にならないものが多いうえ、ビザの制約も大きいためだ。
英国人のベイヤー・ジェラルディンさん(32)は
幼児向け教育の特殊技術を生かして働く「技術・人文知識・国際業務」のビザで来日した。
だが、勤めていた幼稚園を離職すると、ビザの制約から他の仕事に就けず、
手作り布マスクの個人販売で、糊口(ここう)をしのぐしかないという。
■あえて母国に帰らず
一方、感染収束後の観光復興をにらみ、あえて母国に帰らない選択をした外国人もいる。
4月下旬、後志管内倶知安町のアウトドア体験会社ニセコアドベンチャーセンター(NAC)では、
日本人と英国人の新入社員3人が、ゴムボートで川を下るラフティングガイドの訓練を受けていた。
指導するのはネパール人のビマル・イタニさん(25)。
日本語と英語を使い分け、救助用ロープの扱いなどを教えている。
ヒマラヤ山脈の急流でラフティングの経験を積んだ。
語学も堪能なイタニさんは顧客と従業員、外国人と日本人をつなぐ必要不可欠な人材だ。
NACは大型連休後も休業を続けているが、再開の日を見据え、新たなガイドの養成を続ける。
イタニさんは「お客さんはいつかきっと戻って来る。それまでは技術を高めるとき」と前を向いた。
■「冬に1年分稼ぐ」転換探る
ニセコ地域の中心地、倶知安町ひらふ坂の商業ビル「オーディンプレイス」では、4人のフランス人が残り、
営業する高級レストランの来シーズンの営業方針を議論している。
マネジャーのジェレミー・ボークーさん(34)は
「変化する状況の中でどんな戦略が必要か。考えるのが僕らの責任だ」と話す。
新型コロナの収束時期が見通せない中、冬の4カ月でほぼ1年分の稼ぎを生んだ例年のような営業は難しいとみる。
異国に残り、なお奮闘を続ける多くの外国人たち。
コロナ禍は、世界中からあらゆる人が集まることで発展する国際リゾートの姿を浮き彫りにしている。
国内の感染拡大が収束に向かっても、国境をまたいだ自由な人の移動が制限され続ける限り、
ニセコ地域の日常は戻らない。
(文章執筆:高橋祐二 氏)
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「ニセコのキセキ 第3部下」より 抜粋
■貸別荘、ターゲット絞り込み
新型コロナの影響の長期化を見越して、新たな動きを始めた事業者もある。
倶知安町の不動産業、北海道トラックスは今夏向けから、
日本国内に残っている外国人に対象を絞り込んで、貸別荘の利用を売り込み始める。
「外国人の多くは日本人より長く休暇を取る。 母国に帰るのが困難な今こそ、新たな市場を開拓したい」
(岡田英雄マネージャー)。
バブル経済崩壊、リーマン・ショック、東日本大震災…。
これまでにもニセコ地域は大幅な顧客減少に度々見舞われたが、
担い手の変更や新規顧客層の開拓で、次の発展につないできた。
パウダースノーの季節までに、多くの外国人富裕層が来られる環境に戻るのか、
それとも―。
ウイルスとの闘いの行方は、ポストコロナのニセコ像も左右する。
(文章執筆:宇野沢晋一郎氏)
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前回地元の知人とともにニセコを訪ねた時の、あまりの「バブル」な風景に呆気にとられた。
日本語よりも英語が主流。
外国人スキー客が、整備されていない「山」に入り込んで、遭難が続く。
ラーメン一杯の価格が3000円。
リゾートマンション(コンドミニアム)の購入価格が約20億円。 (誰が買うんじゃ!)
あまりにも正気を逸してた風景。
今思えば、それはやはり「異常」だったのだろう。
「クールダウン」の手段というには、あまりにも残酷なコロナウィルス・パニック。
だが、あの”富の偏在”のままでは、いずれ倶知安・ニセコエリア全体の産業が立ち行かなくなるのは目に見えていた。
まず地元の人が普通に暮らせる価格に戻すべきなのだろう。
従来通りアスペン(アメリカ合衆国) や サンモリッツ(スイス) のような高級リゾート地を目指すには、
インフラなど周囲の環境がつりあっていない。
北海道新幹線の札幌延伸は、コロナウィルス・パニックで2030年度はもう望んではいけない。
JR北海道は現状の環境で、新千歳空港~札幌~倶知安~ニセコ間に、
「週末リゾート特急」を運行する計画だってしなかったじゃないか。
ならば、上記の外国リゾート地並でなく、白馬(長野県)クラスで庶民が手に届く街づくりへの転換が求められる、と思う。
リゾートホテル&マンション(コンドミニアム)よりも、1泊1万円くらいの“ロッジ”中心の観光地へ。
英語だけで成り立つ町から、日英バイリンガルの町へ。
もちろん、今帰国せずに(できずに)ニセコにとどまる外国の人にも快適な環境は必要だろう。
そこを、バイリンガルに対応できる日本人スタッフの活躍をお願いすると良いのではないでしょうか。
道はまだ途中だ。 負けるなニセコ。
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そして、北海道内の桜も終盤を迎えております。
(本州じゃすでに真夏日を迎えており、「何のこっちゃ」とお思いの方もあるかと思いますが)
道庁赤れんが庁舎前で桜吹雪 (道新 NEWS )
このゴールデンウィークは帰りそこなったなあ……(涙)
来年こそは。
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2020年5月19日付訪問者数:325名様
お付き合いいただきありがとうございました。
(・・・・・・コワイ数字や)