shining's ブログ 「音楽と旅と珈琲と」

音楽大好き男の徒然なる日記

平和を祈った演劇界の人々が逝ってしまった(加藤剛さん、浅利慶太さん、橋本忍さん)

2018-07-31 | 日記
そう言えば、悲しい訃報が続いていたのだ。


まず、俳優の加藤剛さん。
東京新聞 2018年7月10日付記事
「反戦平和を訴え続け 加藤剛さん死去」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018071002000140.html

24歳でテレビドラマ初主演となった「人間の条件」では、戦時下の過酷な状況でも人間としての良心を貫こうとする青年を好演。
メディアの取材に
「『人間の条件』で、平和な世の中をつくり、戦争に反対することが、僕の俳優という仕事の基本になりました。
以来、どの作品に出ても平和のために自分は何ができるかと考えてきました」と話した。

舞台では、ポーランドで孤児院を運営し、
ナチス・ドイツの強制収容所で虐殺されたユダヤ人医師を描いた「コルチャック」をライフワークとした。

仕事以外でも、護憲を訴える「俳優座9条の会」の呼びかけ人となり、
核兵器廃絶を求める国際的署名活動に参加するなど、活発に発言。
学生時代に1960年の安保改定を防げなかった苦い経験に触れ、
改憲を進める現政権を批判し「戦争する国になっていくことを防げなかったら、いま以上に後悔すると思う」
などと述べたこともあった。


各地の市民グループの集会などで、日本国憲法を「人類の到達した最高の英知」と評価。
戦争を知らない若い世代に向け「テレビや映画、演劇を通して戦争の愚かさを知り、絶対にしちゃいけないと知ってもらいたい。
私たちにはそういう作品をつくり、知らせていく義務がある」と強調していた。


また、自分にとっては大河ドラマ「風と雲と虹と」で平将門を演じたことが印象的だった。
風と雲と虹と(1976) OP(音楽:山本直純)



そして、のどかな日本の風景とは正反対にハンセン病というだけで迫害されながら巡礼の旅をした親子、
子供が成長してピアニストとしてなるも犯した悲しい罪。
それらを見事に協奏曲に仕上げた「宿命」。
松竹映画不朽の名作「砂の器」ではそのピアニストを演じました。

砂の器(1974)  ピアノ協奏曲 「宿命」(作曲:菅野光亮、音楽監督:芥川也寸志)


そして、この「砂の器」の脚本を担当された橋本忍さんも、
東京新聞 2018年7月20日付夕刊より
「橋本忍さん死去 脚本家『羅生門』『七人の侍』」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018072002000293.html

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そして、忘れてはいけないのが「劇団四季」主宰者の浅利慶太さんの訃報だ。

東京新聞 2018年7月19日付記事
「浅利慶太さん死去、85歳 劇団四季創設『キャッツ』」
http://www.tokyo-np.co.jp/article/national/list/201807/CK2018071902000158.html

1970年代から「ジーザス・クライスト=スーパースター」「ウェストサイド物語」「コーラスライン」
といった海外作品の翻訳上演に取り組み、日本のミュージカル文化の礎を築いた。

1983年には東京・西新宿に日本初となるミュージカル専用の仮設劇場を建て「キャッツ」を初演。
コンピューターを使ったチケット予約システムも日本で初めて導入し、約一年のロングラン上演を成功させた。
その後、各地に専用劇場を設けて長期公演をするシステムを展開。
1998年初演の「ライオンキング」は公演回数が一万回を超え、国内演劇として最多記録を更新した。

劇団四季:キャッツ:東京公演プロモーションVTR:2018年8月開幕


「オペラ座の怪人」「美女と野獣」などのヒット作を連発する一方、オリジナルミュージカルにも力を入れた。
特に「昭和三部作」と呼ばれる「李香蘭」「異国の丘」「南十字星」は「戦争を風化させてはならない」という強い思いを込め、
再演を重ねてきた。

劇団四季:『ミュージカル異国の丘 』:東京公演プロモーションVTR



今年も世界に誇れた日本文化の発信者が世を去る悲しみが起きてしまっています。
この文化とメッセージを語り継げる次世代のメッセンジャ-が欲しい。

謹んで、ご冥福をお祈りいたします。

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