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音楽大好き男の徒然なる日記

東京新聞2022年11月15日社説「東京五輪汚職 検証なき招致の危うさ」

2023-04-07 | 日記
(ブログ初出:2022年11月15日付)


東京新聞 2022年11月15日付社説
「東京五輪汚職 検証なき招致の危うさ」
 https://www.tokyo-np.co.jp/article/213959?rct=editorial


東京五輪・パラリンピックを巡る汚職事件の捜査が終結した。
巨額の公金を投じた祭典が、大規模な贈収賄の舞台になっていた。

国民と国際社会の信頼を取り戻すには、なぜ事件が起きたのか、
国と東京都による徹底検証が必要だ。
それなくして2030年冬季札幌大会の招致はあり得ない。



事件の広がりにあぜんとする。
受託収賄罪で起訴された大会組織委員会元理事、高橋治之被告(78)の賄賂額は約2億円。
計15人が起訴され、贈賄側には紳士服「AOKIホールディングス」、
出版「KADOKAWA」など業界大手の元トップが並ぶ。


高橋被告は大会スポンサーや業務受注を希望する企業の意向を受け、
組織委に口利きしては見返りを得ていたとされる。

賄賂性を否定しており、裁判では検察との全面対決になる見通しだ。
ただ、「みなし公務員」の身分で金を受け取っていた事実は変わらない。

なぜこんな事態がまかり通ったのか。
背景にある構造的な問題を指摘せざるを得ない。

組織委は役所や企業の寄り合い所帯。
実務の多くを広告大手「電通」に「丸投げ」していたため、
同社元専務の高橋被告が影響力を行使できた。
電通も、OBの意のままに動いていたのなら、ずさんな仕事ぶりと言うほかない。

組織委のガバナンス(統治)は不十分で、
情報公開の仕組みも備えていない不透明な「ブラックボックス」だった。
起きるべくして起きた事件ではないか。


その組織委もすでに解散し、
森喜朗、橋本聖子両元会長、竹田恒和元副会長らは説明責任を果たそうとしない。
無責任の極みだ。


国と都が開催を世界に約束し、巨額の公金を支出した大会だ。
両者には中立的な第三者機関を立ち上げ、検証する責任がある。

東京大会の検証も説明もないまま、
2030年冬季札幌大会の招致活動が続くのは異様に映る。

札幌市と日本オリンピック委員会(JOC)は9月、公正でクリーンな大会へ向けた「宣誓文」を公表した。
都も再発防止に向けた有識者会議を設置するという。
しかし、不正を生んだ大会の構造的問題を解明しなければ、
実効性ある対策にはつながらない。


五輪に限らず、行政が民間に丸投げする業務は多い。
真の再発防止策を講じなければ、同様の不正は繰り返されるに違いない。


「電通に強制捜査。
 さすがにこれで電通は五輪には絡めなくなるだろう。
 札幌五輪はおしまいです。」

   鈴木 耕 さん(編集者&ライナー)のツイートより。


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