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音楽大好き男の徒然なる日記

〔追悼〕村上”ポンタ”秀一さん(4)/Pop & Fusion 編・2

2021-05-02 | 音楽
東京新聞 2021年3月16日付「筆洗」より
https://www.tokyo-np.co.jp/article/91801?rct=hissen

ラジオから流れてきた曲が気になった。
ドラムが実にいい。
「うまいなあ、このドラム…」 とつぶやくとまわりが教えてくれた。
「なにを言っているんですか、あなた(の演奏)じゃないですか」

自分の演奏に気付かなかったのには理由がある。
日本を代表するドラマーの村上“ポンタ”秀一さんが亡くなった。
70歳。

スタジオミュージシャンとして録音に参加した曲数は1万5000曲を超えるという。
キャンディーズの「春一番」、
ピンク・レディーの「UFO」、
山口百恵さんの「プレイバック Part 2」。
多すぎて自分でもどの曲でドラムをたたいたか、分からなくなっていたそうだ。

専門のジャズは無論、ロック、フォーク、歌謡曲と
幅広いジャンルで縦横無尽にスティックを振るった。
「ガッチャマン」の主題歌のドラムもこの人と聞く。
名前は知らずとも日本人の多くがどこかでその音を聴いているはずだ。

歌心のあるドラムの秘密は歌詞を読み込むことだったらしい。
単にリズムを刻むのではなく、歌詞と歌の世界を理解した上でたたく。
その仕事に声が掛かるわけである。


1972年、米国で見どころのあるギタリストと会った。
「おまえは精進すれば、いいギタリストになれるぞ」と励ました。
声を掛けた相手は既にギターの神様だったエリック・クラプトン。

逸話に自信にあふれたドラムの音が聞こえてきた。

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それでは、引き続きポンタさんの演奏を楽しみましょう。
つぎは自ら率いた“ポンタボックス”を選んでみました。

村上"ポンタ"秀一 PONTA BOX 東京FMホール


'95.3.14  Tokyo FM Hall
村上"ポンタ"秀一(dr) × 佐山雅弘(p) × 水野正敏(b)
1.Frilled Lizard
2.Sand-Witch3-2-3
3.Oriental Daybreak
4.Fifteen
テレビ東京「Ever Green Music」より

これは髪を染める前だったんですね。



さて、次は日本たばこのCMに使われた曲です。

日本たばこ MILDSEVEN menthol 1987


今となってはタバコは身体には「百害あって一利なし」ですが、
なにも角松敏生さんの音楽には罪はない。
むしろ、良い音楽がメディアに使われた意味では“良い時代”だったかもしれません。
しかも、美女も効果的に現れました。
きたがわ翔先生の「19 nineteen」「B.B. フィッシュ」もそんな文化の産物でした。
今のやみくもに女子が出て来る同性向けのCMには醒めること醒めること。
あ、脱線しすぎました。失礼。


角松敏生 SEA LINE 1987

 角松敏生(guitar)
 浅野”ブッチャー”祥之(guitar)
 青木智仁(bass)
 村上”ポンタ”秀一(dums)
 友成好宏(keyboard)
 小林信吾(keyboard)
 本田雅人(sax)
 斎藤ノブ(perussion)

 角松氏はギターでも玄人だった。
 青木さんも小林信吾さんも亡くなられています。 貴重な映像となりました。


  初出:全曲インストゥルメンタルのアルバム『Sea Is A Lady』。 ドライブにぜひ。


だっちーず&村上ポンタ秀一「SMOKY」(Char) 神のドラム!


 これは画期的な映像ですね。
 Charとの共演はそんなに多くないはずなのに、完璧に覚えていますねぇ。
 本当に神のドラムですわー。


  もちろん、彼自身のパフォーマンスも絶品です。 ぜひご覧ください。



いよいよ大詰めになってまいりました。
これがいちばん難解な曲かと思います。
1976年、自分が尊敬するピアニスト・深町純さんと共にニューヨークへ渡り、
当時まだ新進のミュージシャンだったアンソニー・ジャクソンやブレッカー・ブラザーズと共に録音した
アルバム『スパイラル・ステップス Spiral Steps』のタイトル曲をお届けいたします。
今聴いても、よくもこんなスゴイアルバムを創ったものです。
4ビートに転換しても「Aメロ」に戻らないで終わってしまう、奇想天外な曲・・・
個人的には1978年の『On The Move』のほうが絶対にお薦めです。

Jun Fukamachi - Spiral Steps (1976)


Keyboards – Jun Fukamachi 深町純
Drums - Shuichi Murakami 村上ポンタ秀一
Bass - Anthony Jackson アンソニー・ジャクソン
Tenor Saxophone – Lou Marini
Trombone – Barry Rogers
Trumpet – Randy Brecker ランディ・ブレッカー





ここで哀愁の一曲を。
ラテンのリズムと哀愁のメロディーと言ったら、松岡直也さんの右に出る人はいないのではないでしょうか。
1979年のアルバム『マジョルカ』から、「想い出のマジョルカ A Memory of Majorca」。
今聴くと後半、かなりテンポが走ってしまってますが。


A Memory of Majorca ( 1979 / 2013 Remaster)


松岡直也:Aoustic Piano , Mini Moog Synthesizer
村上“ポンタ”秀一:Pearl Drums
大村憲司:Electric Gutar
中村善郎:Acoutic Guitar
伊藤光規:Electric Bass
Damiao Gomes De Souza:Cuica
Jorge Gomes De Souza :Surda , Pandeiro
加藤ジョー・ストリングス・グループ:Strings


 「九月の風」同様に、“夏の終わり” “祭りの終わり”のような哀愁があり、
 それを隠して盛り上がろうとはしゃぐ姿がまた哀しいのですね。
 
 

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彼がいかに歌を演出できるドラマーだったか、の映像を。
吉田美奈子との共演です。

村上”ポンタ”秀一×吉田美奈子



  映像の曲「Liberty」は入っておりませんが、こんなジョイントアルバムもあります。





さて、まだまだご紹介したかったのですが、きりがないので
最後にもう一曲お届けして終わりにいたします。

こんどはドラマーが3人もおります。
やはり1970年代から日本のフュージョンを一緒に開拓してきた高中正義氏とのジョイントです。

高中正義  READY TO FLY



 初出:『TAKANAKA』(1977)に収録。
     松岡直也 氏も深町純 さんも(どちらも故人)参加していた“名盤”です。


最後になりましたが、村上ポンタさん、ありがとうございました。
心から、ご冥福をお祈り申し上げます。

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