高橋のブログ

不定期に..

【3/21 前野咲希(Vn)・小森みずき(pf)、サロンコンサートを聴く】

2018-04-14 11:17:16 | 日記


3月21日.後楽園駅下車、文京楽器1F。午後5時半開演

前野さんの演奏を聴くのは今回が2回目。前回、私が聴いたリサイタルはイギリス留学等を終えて間もない頃だったと思います。その時はヤナーチェクのソナタ等を拝聴。

前野さんは桐朋在学時にチューリッヒやプラハのセミナーを受け、桐朋卒業後は英国王立音楽大学に進みました。その後はウクライナのオーケストラと協奏曲で共演したり、各地で活動。その後、帰国。

彼女とは私はアマオケで9年ほど前に共演。ソリストではなく、その時の指揮者.永峰先生がストバイのエキストラの1人として連れてきてくれました。
合奏前の各自の音出しで、「ん??あのエキストラさん、音が綺麗!!上手い!!」と思ったのが私の第一印象。よく覚えています。


練習後、恐る恐る?挨拶すると、桐朋生で、間もなく卒業後は英国王立音楽大学に留学予定というご返事でした。小柄でとても可愛いお方。
マオケへのエキストラ参加では練習時、いつも早めに来ていらっしゃいました。


9年前の時と本当にお変わりなく、羨ましかったです。こっちはもう完全に50過ぎの典型的なオジサンになってしまいました。

開演前にお母様にご挨拶。いろいろとお世話になったこと等。お母様、来場者1人1人に丁寧に挨拶に回っていて、いろいろと心配りが大変だなぁとも思いました。
娘を思う気持ちに少し共感(^^;。演奏は一番後ろの隅でお聞きになっていました。

私はチケット当日払いで着席したのですが、何と前野さん自筆の礼状が!心拍数上昇ですよ!

さて今回は1時間程度のコンサート。ベリオ「バレエの情景」、シューベルトの「ソナチネ」、フランクのソナタの計3曲を取り上げました。

ベリオは、ヴァイオリンを学ぶ方々にとってはザイツ同様に大変重要な作曲家です(「シンフォニア」「コーロ」等のベリオとは違う)。ヴァイオリンを学んでいる小学生なら「バレエの情景」は一度は必ず弾く曲でしょう。
発表会等では何人かの子供達が必ず演奏する曲です。子供達の演奏にはかなり接しました。確か10年程前に学生音楽コンクールの小学生部門の課題曲にもなったはずです。

しかし、大人が弾くのを聴くのは実は初めてです。今回、聴いてみてすぐ感じたのは、「しっかり弾いている」、そして「心を込めて弾いている」ということ。
この曲は子供向けの練習曲であり、それほどの深さはないだろうとも思っていたのですが、前野さんのような大人が弾くと、まだまだ掘り下げる可能性がある曲だということを認識することが出来ました。

最近、辻彩奈さんがNAXOSからベリオの協奏曲を出しましたが、それと似たような印象。小学生用の練習曲でも、巧い方が弾くと、技術的なことは勿論ですが、感情面が加わり、
それは小学生ではここまでは表現出来ないだろうという域の演奏になりました。

シューベルトの「ソナチネ」では18歳時の作曲家の揺れ動く心の状態をとてもうまく表現していましたし、フランクにいたっては特に第2楽章に彼女の最近のヴァイオリンへの姿勢を強く感じました。

フランクのヴァイオリンソナタはヴァイオリンを学ぶ音高生、音大生なら必ずやレッスン曲に入る作品であり、また世の中の多数あるヴァイオリンソナタでも、その頂点に君臨する名曲中の名曲です。

特に第2楽章はピアノも難曲ですが、小森さんのピアノも素晴らしく(東京音大後、英国王立音大で学んだ方)、まさに2人が一体化して情熱的な演奏をしてくれました。
第4楽章は前野さんから強い光が放たれているような雰囲気で、その圧倒さに息をのみました。

演奏後、前野さんと少しだけ談笑。

会場はもう少し天井が高ければ良かったなぁと思いました。

各曲演奏前のトークも、ご自身の考えと断りながら曲への想いも語ってくれていましたがそれが愛らしい口調で、演奏もそうでしたが、彼女の声、ヴァイオリンの音色に、あぁ春が来たな!と感じました。
やはり音程がピシッとしていると違いますね。

終演後、外に出ると雨と強風でしたが、心は大変充足していましたので、全く苦にならず。いい音楽を聴いたなぁと演奏を思い返しながら家に帰りました。


前野さん、ありがとう。また聴かせてください。次はいつだったか、話してくれたメシアンの作品も!
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