高橋のブログ

不定期に..

【2018.9.30 都民交響楽団第126回定期、マーラー「夜の歌」を聴く その2】

2018-10-02 21:40:09 | 日記



開演前、ステージ裏から直前練習?しているトランペットが強く聞こえていた。第1楽章いやこの曲全体の有名なテーマだ。
しっくり来ないのか、何度も繰り返し繰り返し吹いていた。







開演時刻になり、聴衆への注意アナウンス。

「余韻を感じていただくために、指揮者がタクトを降ろすまでは・・」

こういうアナウンスがあっても、過去の都民響定期ではフライング拍手、ブラヴォーは起きた。

同オケがパルシファル」から前奏曲や聖金曜日の音楽等を演奏した時のフライング拍手には本当に槍でやっつけようかと思った。
同オケの「英雄の生涯」定期や「春の祭典」定期でも同様。

新響のエルガー定期でのフライング拍手は今も私は怒りがおさまらない。

今回は上記アナウンスは開演直前、少し緊張感が客席内に漂ってきた時に流れた。
以前も同タイミングだったか、覚えていないが、開場早々のアナウンスではまだ客席はざわついていて、アナウンスに耳を傾けない方もいるだろう。

今回のように演奏直前、静まりかける時に「指揮者がタクトを降ろすまでは・・」のアナウンスはすべきかと思う。

そもそも全てではないが、曲の最後は四分休符とか、そういう休符があるわけだ)。



マ-ラー7番の終結部。




それまでが曲なのだから。それを無視して「演奏中」に割り込むのは本当に不届き千万!



今回は指揮者の末廣さんがそれを意識したかどうかわからないが、最後の「ダン!」直後に腕を上に強く上げた。
「指揮棒は降ろしてないぞ!まだ曲は終わってないぞ」という感じ。

その威力があったのか、いやそれ以上に都民響がフライングマンをねじ込むほどの演奏だったのか、とにかくフライングは起きなかった
(出来れば、あと3秒は沈黙が!)。指揮者が腕をしっかり落としてから拍手が鳴り響いた。

演奏だが、テナーホルンはかなり強く聞こえてきた。ミストーンも殆どなく、技量の高さを感じた。

木管楽器は時に泣き叫ぶような音色を出していたが、それもマーラーならではということか。トランペットはやや尖った音色が印象的。

第2楽章のホルンは特にお見事であった。細かいことは略すが、いろいろ難しい箇所があるのだが、難無く奏でていくOさんには、頭がグラグラした。

第3楽章は特に名演であった。何かがホール内を彷徨っているような不気味な雰囲気を出していた。

フィナーレでは、プロオケでも金管がへばってしまった演奏に接したことがあるのだが、都民響は本当にエネルギーを温存していたように見えた。
また、アマオケだとつい力が入ってしまい(この数ヶ月の練習の想いが、つい湧き出てくる?)、アンサンブルに乱れが出てしまいがちだが、
あくまでも落ち着いてしっかり演奏していく!という姿勢を強く感じた。特に第1楽章のテーマが戻ってくる少し前から感動的だった。

このあたりがトップアマオケたるところだろう。

末廣さんの今回の指揮は頻繁ではないが、時々、テンポを揺らしていて、ここで落とすか!というところもあった。オケもよく反応したと思う。
ケーゲル氏が東京都交響楽団定期でこの曲を取り上げた時は、本番でミスがあり(アンサンブルが激しくずれた。
当時のコンマス.小林健次氏が、必死に体制を建て直した)、そこはどうか?と注目したが、難無く通過。


さすがにラスト直前、546小節からは若干力みを感じたが、それも良し。




ラストはPerc.メンバーも大忙し。聴衆の目にも訴えるマーラーであった。


弦楽器群の音程も気にならず、本当に実力集団であることを感じた。フィナーレでもよく金管に埋もれず聞こえてきたところが凄い。

こういう大曲を私と同年代(もう少し上の方も)の方々が演奏しているのは本当に羨ましいと思うと同時に、日々、相当に努力をしているはずだと聴きながら思った。
マーラーの交響曲に挑み、しかも精度の高い演奏をするなんて、例えがピンと来ないかもしれないが、フルマラソンを3時間30分以内で走りきるようなものだ。
かなりの努力が必要だし、心身共に相当なパワーもいると思う。時には生活の一部を犠牲にする時もあったはずだ。

今回も素晴らしい演奏会だった。私がマーラーの交響曲の中で一番好きな第7番!いい演奏を聴かせてくれてありがとう!!

「その1」でも触れたが、客席を立って、ホールから出る時にロビー入り口にて受付スタッフ達が帰る聴衆に「ご来場ありがとうございました。」と
丁寧にお辞儀を繰り返していたが、いやいや、こちらこそありがとうございました!と返答した。


途中、コンミスサイドの方の弦が切れて、楽器送り。すると最後列の奏者が楽器を持って、舞台脇へ。
てっきり最後方あたりに予備が用意してあると思っていたのだが、そうではなかったようだ。
折角、練習してきたのに、弦の付け替えで一時退場とは当該団員は可哀想であった。すぐ戻ってくるかと思ったが、その楽章はその後全休。
次の楽章の前の休憩時に現れて楽器戻しとなった。



最後に「飴問題」。飴の紙をはがす音が時々...。これは本当にホール内に響く。また今回はサクマ式ドロップスの缶?を第4楽章の前に
カランカランと振るというとんでもない暴挙に出た年配男性がいた。まだ飴が中に入っているのか?と確認したかったのだろうか。

飴も禁止!飴は口を閉じても咀嚼音は出る。それに加え、周辺に甘ったるい香り、いや敢えて「臭い」と記す、それをまき散らす。

一切飲食禁止!聴衆は静かに呼吸のみ可!としてほしいところだ。

井上道義氏が新日本フィルと同曲を演奏した時(トリフォニー)、第4楽章で私の隣の席に座った年配女性が飴を「ガリリ!」と音を出して噛み砕いたことがあった。

よりによって第4楽章!夜に恋人同士が愛を語り合っているようなそんな情景が浮かぶ音楽の時に、ガリリ!だ。思い切りにらみ付けた。そんなことも思い出した。

喉が痛い人は、東京文化会館ではなく病院へ!喉が渇きがちな人は事前にしっかり給水を!

あるオケの演奏会にてシベリウスの交響曲第1番で終わるや、下品なフライングクシャミ!という事態に遭遇したこともあった。
ハンカチで押さえずに豪快にだ!オヤジの下品なクシャミがホール内に響いたのだ。あぁ、いろいろ思い出してきた(苦笑)。
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3 コメント

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よい演奏会だったんですね (サクラサク)
2018-10-04 23:34:51
都民響126回定期演奏会の感想を拝見しました。とても聴きごたえのある演奏だったのですね。私は当日やって来た台風の影響を受け,帰りの飛行機が欠航になりそうでしたので,前日はるばる上京しましたのに,(月曜日の仕事を休むわけにはいかないので)朝,唯一飛んでくれたJALで戻る羽目になりました。本当に残念,聴きたかったです(涙) でもブログを読ませていただいて,いくらかでも演奏会の雰囲気を感じることができました。ありがとうございました。
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Unknown (高橋)
2018-10-05 22:21:20
サクラサクさん、こんにちは。いつもRESありがとうございます。

台風接近ということで、どうなるかな?と思ってました。京葉線は午後6時で運休予定、JRも午後8時には同様..という状況でしたので。都民響公演の為に上京されたのですか?それは残念でしたね。

確かにいつも満席に近いはずなのに、今回は上階等、空席が目立ちました。

演奏は本文に記したように名演で、このオケの高い技量を再確認しました。演奏していた友人達が羨ましかったです。

今度の日曜は新交響楽団を聴いてきます。また台風のようで..。
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次回はきっと (サクラサク)
2018-10-06 10:08:00
前日に上京して、サイモンラトルのロンドン響を聴いて、翌日都民響の予定でした。どうして土日に台風なの?と恨めしいです。次回は12月ですね。今度こそ天候に影響されずゆったり鑑賞したいですね。生の音を聴いているとほんとに心が癒されます。高橋さんには、これからも都民響にお出かけいただいて、忌憚のない感想をお願いいたします。
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