多摩美デザイン学科「ネットワーク」授業ブログ

多摩美術大学造形表現学部デザイン学科/2004年セッション2(5/24~7/12)-2年「ネットワーク」授業のコアブログ

ウェブサイトを考察するポイント

2004年05月31日 04時33分56秒 | 授業コメント
いろいろなサイトを見て、考察するよう課題を出してあります。
意図的に、予備知識を一切与えず、またどう見るべき・学ぶべきかも言いませんでした。

「学ぶ」ということについてその他で言ったように、あなた方は、単なるオーディエンスの眼で見るだけでなく、創る立場で考察しなければなりません。
(もう何度も繰り返していて嫌になるのですが、あなた方が考察対象を好きか、嫌いかとか、内容に関心があるかどうか、ということは直接関係ないのです)

以下、いくつかのポイントを記します。

●何をテーマとし、何を目的(そのサイトの運営を通して何を実現したいのか)とした、どんな人々へ向けての、どんな人がやっているサイトなのか、を読み解く。
●そうした目的に対して、サイトの構成やコミュニケーションのための仕組み、表現(デザインを含む)が適切かどうかを吟味する。

以上が全体的な考察ポイントです。以下は細部にわたって検討します。

●テーマと目的に対して、情報が適切に編集・分類・構成され、流れを持っているかを評価する(ただしブログの一部のように「編集」の入らない生データ・感想意見の提出自体がネットワークコミュニケーション上では新しい意味を持つ可能性も考える)。
●テキストと画像・映像・音のレイアウト・グラフィック・コミュニケーションデザインの面から評価する。
●ユーザーの操作とそれに対するインタラクションが適切であるかどうかを評価する。
●使い勝手(ユーザビリティ)の評価をする。
●見る人をストレスなく導いているかどうか、ナビゲーションデザイン面から評価する。
●有意義な他の情報へつなげる、あるいは見る人との相互交流をはかるためのネットワーク・コミュニケーションの仕組み・仕掛けやデザインがどうされているかを評価する。

この授業の目的と進め方(プロセスの公開)

2004年05月31日 03時51分23秒 | 授業コメント
インターネットを軸とするネットワーク環境は、私たちの生活のなかでますます重要な位置を占めるようになっています。
この授業では、デザインを志す学生が、この急激に発展しているメディアとネットワーク・コミュニケーション環境に対して、
1. どのような「考察力・思考力」を要求されているのか
2. どのような「リテラシー」(読み解き、感じ、発信し、コミュニケートする力)を必要とされているのか
3. それらを踏まえて何かを発信しコミュニケートするカる上でどのような「デザインの力」が要請されているのか
を追求します。
(念のため言っておきますが、この授業の目的は上記の3点であり、見た目「かっこいい」サイトをデザインするテクニックを教えるなどということではありません)

最終的な課題は、各人にウェブサイトをプラニングしデザインして作ってもらい、デザイン学科のサーバーに実際にアップして公開運営することです。

ただし、昨年までのように、個人的に作業を進めて、プレゼンの日までにできあがればいいということではありません。

プラニング・テーマ設定・コンセプトメイキングから、設計、制作技術の学習、実際の制作、運用に至るまでの「プロセス」を、ステップを踏みながら、この授業ブログを軸にして、すべて公開して行います。

すでに、学外からコメントやトラックバックが付けられています。
皆さんのプランや途中成果に対して思わぬ批判やコメントやサジェスチョンが入るかもしれません。
デザインは、対象とする人々に伝えたいことが伝わってはじめてデザインです。
そのため、自分のプランやデザインを、対象とする人々に見せて、常に「検証」しながら進めることが重要です。

このサイトで「プロセス」を公開しながらやることが、このクラスのあなた方自身にとっても、また多摩美デザイン学科での「学び」にとっても、そして広く社会のデザインを学びたいと考えている人にとっても有意義な可能性を持っているのではないか、という予感を私は持っています。

このクラスの学生以外(もちろん多摩美外の方たちを含む)の方々へ。
どうか、積極的かつ気軽にコメントやトラックバックを付けてくださるようお願いいたします。