多摩美デザイン学科「ネットワーク」授業ブログ

多摩美術大学造形表現学部デザイン学科/2004年セッション2(5/24~7/12)-2年「ネットワーク」授業のコアブログ

「金儲け速報ブログ」さんへ/「宣伝」が目的ではありません

2004年06月01日 06時49分05秒 | 社会とのつながり・拡がり
金儲け速報ブロッグさんへ

多摩美デザイン学科「ネットワーク」授業ブログをとりあげてくださってありがとうございます。
この授業と授業ブログを担当している高味壽雄(多摩美術大学造形表現学部デザイン学科研究室)です。

「ブログランキング」が「金儲け速報ブログ」さんのおっしゃるようなもっぱら「宣伝の場」であるということを私が良く理解しないまま登録した「おかげ」で、まったく異分野の「金儲け速報ブログ」さんのお眼にとまり、論評していただけたことは、思わぬ成果であると思っており、感謝しています。

「金儲け速報ブログ」さんのおっしゃっていることの趣旨を、私が理解するところでは、「ネットワーク」授業ブログは、大学にとって面白い重要な試みかもしれないが、ブログを使った新しい試みの授業を「大学の宣伝に利用」している。しかしそれを「公開・宣伝する」ことには「リスク」が伴い、この場合「公開・宣伝する」には内容がお粗末なため「リスク」に属する、ということかと思います。
(その他の授業課題の出し方等については授業ポリシーの問題であり触れません)。
そこから先、「敢えて目立つことをしているので」うざったいとおっしゃられているのか、金儲けのビジネスのためにはこのようなリスクを冒してはならない、あるいは内部の弱みをさらしてはいけないというビジネス訓を垂れられているのか私には分かりませんし興味もありません。

述べておきたいのは、私がこの授業にブログを取り入れ、授業のプロセスをそれを活用して公開して進めてみようとしている目的は「学校の宣伝のため」ということとは第一義的にも第何義的にも直接関係ないということです。
この授業の目的と進め方(プロセスの公開)
をお読みになった上で先のような論を述べておられるのか疑問です。

デザインを志そうとしている若い人々、多摩美だけでなくデザインを学んでいる学生、卒業して仕事をしている人たち、そしてデザインの練達の方々等々、の目にこの授業の試みが少しでも触れて、コミュニケートでき、共になにかを学んでみる、あるいは有益な批判や助言や「つながり」に通じる「場」にしたい、というのが、この授業をブログを通してオープンにしている(ブログランキングにも登録している)最大の理由であって、それ以外ではありません。

この試みが、結果として大学の宣伝になるかもしれませんし、逆に「金儲け速報ブログ」さんがおっしゃるように評価をおとしめる「リスク」につながるかもしれません。しかしそのようなリスクを自覚した上で私はこの授業を始めているし、そのリスクをクリアするのはまずもってこれからの私と学生たちの努力によるものであり、このクラス以外の社会の人々がどれだけ支えてくれるかによるものでもあり、その上で最終的なリスクの責任を負うのは私であって、それ以外の方にとっての、ましてや「金儲け速報ブログ」さんにとっての問題ではありません。

また、「金儲け速報ブログ」さんがご覧になって評価されているのは第1週目(3回の授業)が終わったばかりの時点のものです。
きょうの学生たちのコメントを読み、学生たちは確実にそれぞれなりに何かをつかみ、成長しているという確信を私は抱いています。

これから6週間の、閉ざされた教室の中だけではない「社会の眼にさらされながら」の授業を通して、学生たちが何を感じ、何をつかみ、次の飛躍のための問題意識や、学びの契機や、方法論や、技術の修練や、感性の拡がりや、当面のその成果(作品)をどう表現していってくれるか、また公開し「宣伝」したがゆえの社会との「つながり」「拡がり」がどう展開していくか、もしお時間があれば、このブログを通じてその「プロセス」を注視していただき、またぜひ論評していただければ幸いです。

多摩美術大学造形表現学部デザイン学科
高味壽雄