多摩美デザイン学科「ネットワーク」授業ブログ

多摩美術大学造形表現学部デザイン学科/2004年セッション2(5/24~7/12)-2年「ネットワーク」授業のコアブログ

Something is wrong

2004年06月07日 04時21分32秒 | 日々雑感
佐世保での12歳の少女を11歳の少女がカッターナイフで殺した事件のニュースをTVで見た。殺した少女が5月にネットの掲示板に書き込んだという文章がフリップで出ていた。

差別はいらない。
すべて不揃いなのは
必然的なことで
みんな違って、みんな良い。

(もう1行あったが、TVではさっさと次のニュースに移ってしまい読み取れなかった。知っている人がいたら教えてください)

どのような固有の事情や問題があったのかは分からない。
しかしこのような文章を記した(記さざるをえなかった)背景になんらかの抑圧・差別の辛い体験があっただろうことは想像できる。

そして、飛躍して(敷延して)言えば、(特に「弱者」が)このような「まっとうな」意見、感情を持ち、特にそれを「(社会的に)表明する」ことが、寄ってたかって押しつぶされるような非常に危険な世の中になってきているのだと思う(イラク日本人人質に対する「バッシング」はその最悪のサンプル)。

メッセージは明白だ。
「"お上"(権力・権威)の言うことに逆らうな」「"普通"にしていろ、そうすれば何も問題はない」「出る杭は打たれる」

歴史の教訓によれば、このような権力の態度と、言われる通りに"普通"の生活を続け、"異物"を排除する人々の姿勢がファシズムの「苗床」となる。

デジタル・ネットワーク環境は、そのような抑圧・支配・差別・偏見・悪意を維持・再生産かつ増幅する環境・場にもなっている。
それも「匿名の」「普通の人々(Ordinary People)」に支えられて。