(よみうりランドジュエルミネーションより 2023年12月19日撮影)
当時営業部は東京の神田にありました。神田というと下町の雰囲気もありますが、事務所は大手町にも近いビル街の一角にありました。川崎の本社時代もありましたが、都心の事務所ということもあって、何やらやっと上京したという気分でした。
山梨の独身寮から、横浜の独身寮に出戻り、横浜から神田への通勤がスタートしました。
いわゆるサービス残業が当たり前だった時代ですから、実際の勤務時間は変わりがないのですが、営業部門は本社や工場と違い、出勤時刻が30分遅く、既定の勤務時間も少なく、そんなことも、何か特別の部門ということも感じたものです。
さて、今日は所属した「補修品営業部」とはどんな部門か、紹介しておきたいと思います。
先にもお話したように、自動車部品を主力とするメーカーで、私の所属した部門も自動車部品の販売担当の部門でした。
自動車部品ですから、お客様は当然自動車メーカーということになるわけです。納入さられた部品は、自動車の製造に使われることになります。
しかし、補修品営業部で扱う部品は、その「補修品」という用語のとおり、車の生産に直接使われる部品ではなく、車が故障した場合などの修理用に使われる部品を扱っていました。したがって、納入先も自動車メーカーの工場ではなく、一般的に部品センターといわれる場所になります。つまり、納入した部品は、部品センター→カーデーラー→修理工場といったルートをたどって使用されることになります。
つまり、デーラーに修理の車を持ち込むと、このルートを通って、必要な部品は修理に使用されるわけです。このルートを「純正ルート」使われる部品を「純正品」と呼びます。
一方、デーラーでなく、町の修理工場に直接持ち込んだ時は、このルートで部品が修理工場に届けられることもありますが、別のルートがあります。それを一般的に「市販ルート」、使われる部品を「市販品」と呼びます。
ここで市販品とは純正品を模倣して造られた部品のことで、その製造メーカーは市販品メーカーと呼ばれます。製造された部品は自動車メーカーに納められることはなく、市販品メーカー→自動車部品卸店→自動車部品小売店→町の修理工場のルートで、修理用にのみ使われるわけです。
例えば、プリンターのインクで「純正品」と「純正相当品」とがありますが、自動車部品の市販品も、この「純正相当品」にあたります。当然、市販品は純正品より価格が安く、町の修理工場では、修理費を少しでも安くするため、市販品を使用することが多いのです。
説明が長くなりましたが、補修品営業部では、これらの2つのルートのメーカー、つまりは、自動車メーカー(純正品)と市販品メーカー(市販品)を顧客にして販売をする部門となります。
ということで、この補修品営業部に私は所属することになったのです。つまりは単純には営業マンになったことになるのです。
しかし、私がこの部門で必要になったのには「購買業務の知識」だったわけで、単に販売だけなら、私は不要なまずです。
では、それはなぜか? 話が長くなりましたので、続きは次回に!
(つづく)